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自律神経を整える方法③

鍼灸は自律神経の調整に優れた治療法であり、その方法もいくつかあります。

自律神経を整えるのになぜ鍼灸が有効で、どのような方法があるのかご紹介します。

 

③お灸(督脈通陽)

お灸も鍼と同様にいろいろなやり方があり、ただお腹や腰を温めるだけではなく理論に基づいた選穴でお灸を据えることで高い効果が得られます。

その一つが督脈通陽です。

督脈とは背中中央にある経絡で、背骨の真上を腰から首、後頭部、眉間を通り唇までを結ぶラインです。

 

督脈は陽経の海と呼ばれ、陽経に属する経絡が全て交わるのが督脈です。
この督脈のツボにお灸をすると陽気をしっかりと補充することができます。

特に大椎、至陽、命門、腰陽関は陽気を賦活するのに適したツボで、ここにお灸をすると背中全体を温めることができると同時に、督脈を通す効果があります。

背骨には自律神経が走行しているため督脈を通すことは自律神経の調整にも有効です。

督脈通陽と刺絡抜罐はエネルギーを補う「補法」と詰まったものを流す「瀉法」の違いがあり、患者様の体質や出ている症状に応じ使い分け、時に併用して施術することもあります。

 

 

 

2024年12月26日

鍼薬同効

李式伝統鍼灸は当院の中医学治療の根幹となる鍼灸術です。
李式鍼灸の6代目李揚先生が提唱する理論の一つに「鍼薬同効」があります。
鍼と薬(漢方薬)は同じ効果がある、と言うものです。

4代目李世珍先生の著書「臨床経穴学」には漢方薬(湯液)と同等の効果を出せる経穴とその組み合わせ、補瀉法などが書かれています。
補中益気湯、半夏厚朴湯、二陳湯など補瀉含めて多様な湯液の効果を出す鍼灸術がありますが、使いこなすには湯液の知識も必要となります。

湯液の勉強はなかなか難しく漢方薬の入門書の多くは日本漢方のもので、中医学の湯液の書籍は上級者向けの専門的な本しかありません。
日本漢方と湯液の考え方は若干差異があるため、入り口を間違えると中医鍼灸に湯液を重ねて考えた時に大きな違いとなってしまい臨床では役に立たなくなってしまいます。

当院がご提案する漢方薬は中医処方学理論に基づいたものです。
漢方薬を買う時に「パッケージの記載の症状は〇〇だけど、これで本当にいいのかなぁ」と思われるかもしれませんが、弁証論治から導き出された処方なのでご承知おきください。


鍼灸と湯液、体の外側と内側の両方から治療を進めることで高い効果を期待できます。

2024年12月26日

自律神経を整える方法②

鍼灸は自律神経の調整に優れた治療法であり、その方法もいくつかあります。

自律神経を整えるのになぜ鍼灸が有効で、どのような方法があるのかご紹介します。

注意:
この記事には出血のある写真があります。血が苦手な方はご注意ください。

 

②刺絡抜罐(しらくばっかん)

刺絡抜罐とは刺絡+抜罐(吸い玉)を組み合わせた治療法です。

刺絡は鍼灸術の一つで、瘀血(おけつ)と言われる体内に溜まった悪い血を取り除く治療法で、鍼灸針やランセットで皮膚に微細な傷をつけそこから瘀血を出すものです。

当院では特にのぼせ、ほてりなど上半身に昇った気や熱を瘀血と共に出す目的で使用します。

主に使うのは背中の上にある「大椎」と言うツボで、ここに刺絡抜罐をすることで瘀血を出す(活血)と同時に清熱をかけることができます。

 

熱が頭部にこもると頭痛、めまい、不眠、イライラなど頭顔面部の症状やメンタルの不調があらわれます。
熱は上に昇る性質があり、脳に影響を及ぼすためです。

風邪を引いて発熱した時、高熱であればあるほどうなされたり夢を見たりしませんか?
あれは熱が脳(心神)に影響して起こる症状です。

瘀血と共に熱を取り除くには刺絡抜罐がとても有効で不眠や頭痛、イライラがとても強いと言った場合に使用します。

 

刺絡に使うランセットは全て使い捨てで、痛みはほとんどありません。
カチッと音がして一瞬だけ鍼と皮膚が接触します。
また吸い玉をかけている時も刺鍼部が痛むことはありません。

瘀血を取り除くことで邪魔者がいなくなり全身の血流が巡りやすくなり、清熱をかけると上に昇った気を降ろしやすくなるため、刺絡抜罐は治療の最初におこないます。

 

2024年12月20日

自律神経を整える方法①

鍼灸は自律神経の調整に優れた治療法であり、その方法もいくつかあります。

自律神経を整えるのになぜ鍼灸が有効で、どのような方法があるのかご紹介します。

 

①パルス治療(電気鍼)

まずは鍼に電極を付けて電気をかけるパルス治療で、肩こり、腰痛など筋肉の硬さやギックリ腰や寝違え等、痛みの治療にも使えます
鍼灸治療では使われる機会の多い治療法なので、受けた方も多いのではないかと思います。

 

筋線維内に針体を刺入し電気をかけると、筋肉は皮膚に比べ電気の伝導率が低いため筋組織内に電気刺激が入り、筋肉が収縮します。
この時電流は連続で流しているわけではなく、1秒間に1回くらいの間隔で瞬間的に流れます。
そのためトントントン…と一定のリズムで筋収縮が起き、ポンプ作用で筋組織内の血流が改善され筋肉がほぐれ肩こりや腰痛などが解消されます。
またギックリ腰などの時は血流と共に発痛物質が流れ痛みの緩和につながります。

これがパルス治療の一般的な治療ですが、筋肉をほぐすだけでなく自律神経の調整にも応用が利きます。

ツボとツボをつなぎ、電流の流れ方(電気の強さではありません)を変えると手技でツボに刺激を与えるのと同様の刺激となり、ツボの効能を引き出すことが可能です。

また筋肉の過緊張は自律神経の興奮が過剰となっていることがほとんどなので、筋肉をほぐすことで自律神経の鎮静をかけることもできます。

首や背中、胃の裏など、どの筋肉が緊張しているかをみると、体内で何が起こっているかを推察することができます。

例えば首の前側やこめかみ、顎の筋肉の硬さは噛みしめにより起こるためストレスがあるのではないか、背中の緊張は胃腸機能の低下があるのではないかなど、見えない体内部の情報を筋肉を通して知ることができます。

 

少し専門的な話となりますが、ストレスやイライラは緊張を強めます。
肝気鬱結(かんきうっけつ)と言って、全身の気の巡りを調整する肝がストレスにより昂ぶり、正常な気血の運行ができなくなります。
気血の巡りが滞ると詰まりが生じ、それが血行不良や息苦しさ、時に過呼吸や胃の痛みとして出現します。
この場合気血を巡らすことが最善の治療法で、肝の働きを正常にするツボや気血を流すツボを使い巡りを改善するのですが、筋肉をほぐし血行を改善するのも非常に有効です。
それこそストレスで背中や肩がパンパンに張っている時などは自律神経のツボを使うよりも物理的に筋肉をほぐした方が早いので、パルス治療をメインとします。

 

このようにパルス治療でも自律神経の調整ができるので、鍼に電気をかけることもよくあります。
自律神経の調整を期待してきたのにパルスかけてマッサージされて終わりでガッカリした…と思わないでくださいね。
「なぜその治療を選択したのか」と言う理由が明確であれば電気鍼でもしっかりと効果が出ます。
治療の際にはお体の状態と、どのような治療法をするかを説明いたします。

パルスの刺激は独特で、トントントンと叩かれるような刺激が入ります。
この刺激は好みの分かれるところなので、もし苦手な場合は遠慮なくお伝えください。

2024年12月20日

お灸と入浴の違い

12月に入り、急に寒さが厳しくなってきました。
これから1月、2月は本格的な冬の寒さとなるので、冷え性の人にはつらい時期かもしれません。

冷え対策にはしっかり着込んで保温するのが大事ですが、着込んでも寒い。体の芯から冷える感じがする。足先の冷えがひどくて眠れない。足先がジンジンするなど強い冷え症状は出ていませんか?
また冷えにより肩こり、腰痛、胃痛、下痢、強い生理痛、不妊症など、血行不良によるつらい症状もあらわれます。

冷え性の体質改善のために当院では温活コースをお勧めしていますが
「お灸で温めるのは分かるけど、それならお風呂で温まるのも同じじゃない?」
「こたつの中で足を温めていればいいんじゃない?」

そのような疑問を持たれたことはありませんか?

今回は体を温める方法として、お灸と入浴の違いをお話しします。

 

まずお灸の説明ですが、当院で使用するお灸は2種類あり、一つは台座灸と言って紙製の台座の上にもぐさが載っておりそれに点火するタイプです。これはツボをピンポイントで温めるのに適しており、熱さが強めなのが特徴です。

 

もう一つは温灸で網の上にもぐさをのせ、その空間の熱で温めるタイプです。こちらは広い範囲を温めるのに適しており、おへそなど直接お灸ができない場所を温めることができます。

 

お灸と入浴の違い

①循環器系への負担
お灸は局所を温めることができるのに対し、入浴すると全身が温まります。全身が温まれば血行も改善しますが、血圧が上がりのぼせやすい人は長湯できません。
お風呂やサウナが苦手と言う方は意外と多く、のぼせたり気分が悪くなることがあるという方もいらっしゃいます。
そのような方には長時間の入浴や半身浴はお勧めできません。
お灸も大量に長時間やれば「灸あたり」と言ってのぼせや目まいなどのぼせ症状がでますが、少しずつ温めて行けば灸あたりは防げますし循環器系の疾患を持っている方にも施術可能です。

②気随液脱(きずいえきだつ)
お風呂に入れば血行がよくなり汗が出ます。汗が出ればスッキリすることも多いのですが、虚証体質の方は風呂から上がるとだるくなったり疲労がどっと出たりします。
これは発汗と共に気が一緒に体外へ出てしまう「気随液脱」の状態です。
汗は津液の変化したもので、津液とは体の中の正常な水分の総称です。
津液は気と共に体内を巡るため、発汗により津液が体外へ出ると気も一緒に出て行ってしまい疲労感や倦怠感が出ることがあるのです。
お灸は熱を加える範囲が狭いため、お灸で発汗することはあまりありません(個人差はあります)。


③ピンポイントでの作用
お灸は台座灸、温灸共に温めるのは局所的です。またお灸はツボに据えますが、これは特定のツボや経絡を温める目的で行います。
経絡やツボも性質があり、温めて良いところ、温めない方が良いところがあります
お風呂やこたつでは全ての経絡が温まるため、温めない方が良い経絡まで温まり、のぼせやイライラ、めまい、頭痛の原因となり得ます。
お灸で狙ったツボのみ温めることができれば、のぼせ体質だけどお腹が冷えている、冷えの生理痛、不妊症と言った方にも対応ができます。
これはお灸の大きな特徴です。

④白血球数の増加
これは西洋医学的な研究結果ですが、お灸で故意にやけど状態を作ることでその部位を修復するために白血球が増加したと言う研究結果があります。
白血球は免疫に重要な役割があり、お灸をやることで免疫力が強まり風邪を引きにくい体質になります。

 


このようにお灸と入浴では温めると言う目的は同じでも、その中身が大きく異なります。
お風呂をディスっている訳ではなく、あくまでお灸との比較をしただけで入浴も健康や心身のリラックスにはとても大切です。


お灸にもデメリットはあり、火傷や灸あたり(のぼせ、めまい、頭痛、吐き気)などリスクは伴いますが患者様の体質を見極めてうまく使いこなすのが鍼灸師の腕になります。

お灸は鍼と共に数百年以上の歴史ある、とても優れた治療法です。

のぼせ体質だけど冷えがある、いわゆる「冷えのぼせ」体質の方におすすめです。
体質改善をやってみようかな、と思われたらぜひ温活コースを試してみてくださいね。

2024年12月13日

【冬季限定】温活コース

12月に入り、急に寒くなってきました。
11月の立冬が暦の上では冬ですが、今年は11月でも気温が高い日があり本格的に寒くなってきたのは、つい最近ですね。

冬場は冷え性の方や冷え性でなくても、寒さによる不調が出やすくなります。

そこで冬季限定の温活コースがスタートしました。

鍼灸治療と違い、お灸とホットパックで経絡を温めマッサージで血行を改善させる施術となり、鍼はほぼ使いません。
(患者様の体質により、お灸の温熱刺激でのぼせ防止のために頭頂部の百会と言うツボに1本打つことがあります)

足や腰、お腹の冷えは胃腸や婦人科系にも影響しますし、血行不良による筋肉の硬さは肩こり腰痛、ギックリ腰などの原因にもなり得ます。

足には胃腸や婦人科系に重要なツボがあり、その経絡の走行ラインでもあります。
また背中は督脈と言って、全身の陽気(体を温める力)をまとめる経絡が走っており、背中を温めることは全身の陽気を鼓舞するのにとても有効です。

ツボや経絡にお灸やホットパックを置き陽気を巡らせ、経絡を温め、気血を巡らせることで内臓の冷えや阻滞が解消されます。

 

お灸の熱を体内にしっかり浸透させるには、どうしても時間がかかります。
鍼灸治療でもお灸はやりますが、治療時間を考慮するとある程度で切り上げる必要がありますが温活コースではお灸をメインにした治療なので、しっかり熱を浸透させられます。
その分、鍼を打たないので症状への直接のアプローチとしては鍼灸治療に劣ると言う部分もあります。

体全体を温めて冷えや冷えによる症状を改善させるのであれば温活コース。
症状に対して治療をしっかりおこなうのであれば鍼灸治療がお勧めとなります。

 

お悩みや症状に応じて使い分けてください。
どちらが良いか迷ったらお気軽にご相談ください。
問診時に症状やご希望をお聞きし、鍼灸治療から温活コースへの変更や、その逆も可能です。

男性もご利用可能です。

 

 

2024年12月10日

機能性ディスペプシアの原因②

④いろいろな原因による詰まり(痰湿・瘀血・気機阻滞)
人体は筋肉や気血、内臓など常に動いていないと気血や栄養素などが届かなくなってしまうため動いている状態が正常とされます。
その動きが何らかの原因で阻害されると痛みや機能低下と言った症状を引き起こします。

痰湿は体の中の余分な水分で、これはヘドロのような粘滞性を持ち気血を動きを緩慢にします。
痰湿が胃腸にベタっと張り付くと胃腸の動きが阻害され、消化不良、下痢、便秘などの症状がでます。

瘀血は汚れた血のことで血流疎外の原因となります。
胃の血脈(血管)が瘀血で詰まると、胃に十分な栄養素や血流が届かず胃の運動機能が低下し、これもまた胃の消化作用に悪影響を与えます。

気機とは気の流れのことで、お腹の気の流れが悪くなると胃腸全体の流れが悪くなり腹痛、下痢、便秘、食欲不振などの症状があらわれます。

それぞれ詰まりの原因を取り除く治療をおこないます。

 

⑤食事の不摂生(胃熱・胃寒)
飲食物は胃腸にダイレクトに影響を与える要因となります。
油っこいものや辛い物を摂りすぎると胃の中で飲食物が熱化し、胃に熱がこもります。これが「胃熱」で焼けるような胃痛が生じます。
刺身やアイス、冷えたビールやお酒など冷飲食を摂りすぎると胃の中は冷えて「胃寒」と言う状態になり、ギュッと締め付けるような、キリキリとした胃痛が出現します。

これらに関してはまず食事の見直しが必須となります。

 

当院でよくみる機能性ディスペプシアの原因の多くはこの5つのいずれかであることが良くあります。

原因が分かれば治療法も決まり、それに沿った治療を行います。

2024年11月14日

機能性ディスペプシアの原因①

機能性ディスペプシア(機能性胃腸症・FD)の原因を東洋医学の観点で見てみましょう。

①脾胃虚弱(脾気虚)
脾は胃腸全体の消化吸収作用に関与する臓腑で、飲食物を消化吸収し気血に変化させ、その気血を運ぶ運化作用がある臓腑です。
脾の力が弱まると運化作用も弱まり飲食物の消化や気血の生成、運搬能力が低下します。

これが早期膨満感(消化吸収機能減退)、倦怠感や疲労感(気血不足)、吐き気や胃もたれ(飲食物を正常に運搬できない)の原因となります。

脾を動かす原動力は気で、これを脾気と言います。この脾気が減弱した状態を「脾気虚」と言い、機能性ディスペプシアの原因の大きな要因の一つです。

脾気虚は気を補う治療で改善します。


②胃食道性逆流症(胃気上逆)
機能性ディスペプシアは逆流性食道炎を併発する場合もあります。
食後のムカつきや吐き気、のどから胸のあたりにかけての痛みなどは胃酸の逆流によるものです。

これは胃の気が逆流する「胃気上逆」と言う状態です。
胃は口・食道から降りてきた飲食物を十二指腸、小腸へと下に送る力(降濁作用)を持っていますが、何らかの原因により胃気が逆流すると胃の内容物もそれに伴い逆流します。
空腹時なら胃酸やゲップ、食後なら吐き気として症状があらわれます。

胃気上逆を治すには脾胃の気の動きを整える治療をおこないます。

 

 

③ストレス(肝気犯胃・肝気犯脾)
肝は全身の気血の運行を調整する疏泄作用と言うものを持っている臓腑で、強いストレスや、継続してストレスを受け続けると肝の疏泄作用が乱れます。
脾の運化作用や胃の降濁作用も肝の疏泄作用の補助を受けて動いています。
ストレスにより疏泄が乱れると、脾の運化や胃の降濁も乱れ、気血や飲食物の正常な運行・運搬ができなくなります。

ストレスが肝に悪影響を与えさらに胃腸に連鎖したもので、「肝気犯胃・肝気犯胃」と言い、肝と脾胃の治療を同時に行います。


2024年11月14日

継続治療の必要性

鍼灸治療を通いやすくするため、継続治療コースがあります。
これは鍼灸治療を受けてから2週間以内(10営業日以内)だと、料金が割引になる当院独自のシステムです。


5営業日 6,100円
10営業日 6,600円

当院は毎週水曜・日曜が休診日なので、鍼灸治療を受けた翌日から起算し翌週の同じ曜日までが5営業日、翌々週の同じ曜日までが10営業日となります。

自律神経疾患や胃腸症状、妊活などは治療期間が長期になるため、鍼灸治療を通いやすくするためのシステムです。


継続治療期間が2週間と言うのも理由があり、鍼灸治療は服薬と同様に繰り返し重ね掛けすることで効果を累積していくものになります。
1回で効果が出てくれれば良いのですが、人体の構造や疾患のメカニズムはそう簡単ではありません。

鍼刺激で人体に良性の反応を起こし、その状態を維持できるようになるまで繰り返し体に信号を送る必要があります。
そのためには治療回数が必要となり、またその頻度も重要となります。
鍼治療で体に良性の反応が起こってもしばらくすると、また元の状態に戻って行ってしまいます。その前に、再度鍼刺激で正しい方向へ反応を起こすことが大切で、そのギリギリの期間が2週間くらいです(これは私の経験則です)。

2週間以上空いてしまうと体が元の状態に戻ってしまい、また治療効果を累積させなければなりません。
逆に毎日のように鍼をやると、刺激過多となりこれもまた良い結果にはつながりません。
自律神経や機能性ディスペプシアをはじめとした胃腸症状などは1~2週間に1回の治療が最適と考えています。

症状が強い時や、初診から間もないうちは1週間に1回。症状が少し軽減したら2週間に1回と言うように、患者様の症状の変化により通院目安は変わります。


このような理由で継続治療は2週間以内としています。

2024年11月12日

お腹周囲の鍼治療

胃もたれや吐き気、膨満感など胃腸症状の鍼灸治療では、お腹のツボに鍼を打ちます。
お腹に鍼を打つのは怖いなぁ、痛いんじゃないかな?
そんな不安もあるかとも思いますので、鍼の痛みやどのくらいの深さまで鍼を刺入するかを解説します。

 

 

お腹周囲でよく使うツボは、みぞおちのところにある「中脘(ちゅうかん)
おへその横にある「天枢(てんすう)」と「大横(だいおう)」
おへその下にある「関元(かんげん)」です。

中脘はみぞおちの部分で真下に胃があります。機能性ディスペプシアの治療では必ず使うツボで、鍼を1~1.5cmほど入れてズン!と響かせます。
この響きが来たら鍼を皮下まで引き上げ置いておきます。
ディスペプシアは脾胃の気の動きが滞った状態であることが多いので、気を動かすためにズンと言う響きが必要となります。

天枢・大横は便秘症や過敏性腸症候群など腸の不調で使うことが多く、胃の不調と腸の不調は連動していることがほとんどなので、中脘と同時に鍼を打ちます。
こちらも1~1.5cmほど鍼を入れズンと響かせたら皮下まで鍼を引き上げます。
特に大横は上行結腸、下行結腸に相当する部分なので腸の蠕動運動を促す目的で鍼を打ちます。

鍼をすぐ引き上げる理由としては、呼吸によりお腹が上下動すると鍼先がチクチク痛む場合があり、その痛みが気滞を引き起こしたりストレスとなると鍼の効果が出ないことがあるためです。重要なのはズンと言う響きなので、苦手な方は響きを感じたら鍼を抜くこともあります。

関元は脾に活力を与えるツボで、主にお灸で温めることが多いツボです。
お灸は網の上にもぐさをおいて温める温灸を使用し、直接肌にもぐさを載せるお灸ではありません。
おへその真上は「神闕(しんけつ)」と言うこちらも胃腸疾患に重要なツボで、関元同様に温灸で温めて脾胃を活性化させます。

 

鍼を打つときはなるべくチクッとしないように打ちますが、緊張感が強かったり鍼に慣れていないと怖く感じるかもしれませんし、鍼の響きが苦手な方がいるかもしれません。
しかし胃腸症状の治療において、お腹のツボはその直下に胃腸があるため効果が非常に高く、気血の流れを考慮すると治療には必須のツボです。

腹部の刺鍼は安全性を考慮し1寸(約3cm)の鍼を使用しており、深さも1cmほどで腹筋の筋層に入る程度の深度としています。
腹部の指圧は胃腸自体に圧迫刺激が加わり、吐き気や胃痛がある方には逆に症状悪化の恐れがあるため、むしろ鍼の方がスムーズに気滞を取り除くことができます。

 

もし心配なときは、治療中でもご相談ください。
その人に合った、適切な治療法を提案します。

 

2024年11月11日

ディスペプシアの漢方薬

機能性ディスペプシアでよく処方されるのが六君子湯です。
メジャーな漢方薬なので聞いたことがある方も多いかも知れません。

六君子湯は補気剤と言う気を補うタイプの漢方薬で、胃腸虚弱で胃の消化機能、脾の吸収作用が落ちている時に使われる薬です。

ディスペプシアでも胃腸のパワーが落ちて消化不良や胃もたれなどの症状が出ている時に六君子湯は有効ですが、それ以外の胃の冷えや気血の巡りが悪くなって起こるタイプなどには効きはイマイチかもしれません。

漢方薬はその人の体質や症状の原因によって処方が変わるので、六君子湯が合わないと感じる方は六君子湯の効能と胃腸症状の原因がマッチしていない可能性があります。

どの漢方薬がいいのか分からないと言う時はお気軽にご相談ください。

2024年10月28日

ディスペプシアの症状

機能性ディスペプシア(以下FD)の主な症状は吐き気、食欲不振、膨満感の3つです。
実際に嘔吐することは無くても常に胃がムカムカしていたり胃痛や不快感があり、それによる食欲不振。逆に食欲はあるのに食べるとすぐに膨満感や胃が張って苦しくなる。
このあたりがFDや胃腸症状で一番多い症状です。

鍼灸治療をやっていて気付いたのはご飯は食べられるけど膨満感が強いとか、強い吐き気があるけど痛みは無いとか、痛みも吐き気も無いけどとにかく食べられないなど、症状が非常に幅広く多様であり、風邪のように悪寒、発熱、咳など定型的な症状が無いことです。

胃カメラや血液検査、CTなどあらゆる検査をした結果異常が無いのに消化器症状や胃腸の痛みや不快感が出ている状態をまとめて機能性ディスペプシアと呼称している、いわゆるバスケットネームなのだと考えます。

FDの症状が人により様々であれば当然治療法も異なり、FD=この治療法と言うのは成り立ちません。
その点、中医学の弁証論治はオーダーメイドの治療と言われる通り、一人ひとりに合わせて治療を決定できるのが利点です。

 

またFDは胃の症状がメインなので胃の治療に重点を置きがちですが、実際に胃腸と言うのは名前の通り胃と腸の一連の流れで消化吸収をおこなっており、切っても切り離せない関係にあります。
胃の不調だから胃だけを治療するのではなく、その先の腸にも何かしらのフォローが必要となります。

中医学では脾胃は表裏関係にあり、脾と胃を単独で考えたり治療することはありません。
胃の機能失調における胃の降濁作用の低下は脾の昇清作用の過剰とも考えられるので、脾と胃の両方を調整します。

脾には飲食物を消化吸収し栄養素を運ぶ役割があり、これを運化作用と言います。
脾の働きが落ちると飲食物を運搬できないため飲食物が停滞し、次の飲食物を迎え入れることができません。これが食欲不振につながります。
また飲食物の消化に時間がかかり長時間停滞すると体にとって病理産物になってしまうので速やかに排出しようとして吐き気や下痢などが起こります。

FDの症状ではありますが、その一因が脾の場合もあるので胃だけの治療では不十分であり、脾胃は表裏一体なので脾胃共に治療する必要があります。

このような理由からFDに整腸剤が効果的な場合もあるので、医師に相談して整腸剤を処方してもらうのも良いかも知れません。

 

2024年08月30日

起立性調節障害(INOH)の鍼灸治療

起立性調節障害(以下OD)には4つのタイプがあります。

そのうちの一つ、起立直後性低血圧(instantaneous orthostatic hypotension: INOH)の鍼灸治療について解説します。
INOHは起立直後に強い血圧低下および血圧回復の遅れが見られるタイプで強い立ち眩みや目まい、動悸が出ることがあり、ODに最も多いタイプとも言われています。

鍼灸において各疾患の個別の治療法と言うのは存在しません(当院のやり方の場合)。
体全体の体質を診る弁証論治で治療法を決定するので、患者さんにより治療法と言うのは異なるので、ここに挙げるのは一例であることをご了承ください。

 

さてINOHですが、立ち上がらると血圧が低下しグラっと落ちるような感覚や倦怠感がある、これらは中気下陥によく似た病態です。

中気下陥の「中気」とは中焦(胃腸)の気を指し、さらに厳密に言うと脾気のことを言います。「下陥」とは下に落ちることで脾気が下がっていることを中気下陥と言います。

脾は食べ物の消化吸収に作用する臓腑で、脾で吸収した飲食物の栄養素を体の上部に上げる作用があります。これを脾の昇清作用と言い、脾の作用により人体の気血や臓腑は上に昇ったりその位置をキープできているのです。

脾が弱ると昇清作用が低下し脱肛、胃下垂、子宮脱など内臓が下に落ちると言われています。また栄養素が頭など上部に届かないため目まいや不眠、メンタルの不調があらわれやすくなります。

ODの症状でよくみられる低血圧や目まい、起きられないなどはこの中気下陥による「昇らない」と言う症状によく似ています。もちろん胃腸症状や内臓下垂といった症状が無いことも多いので必ず中気下陥の弁証が取れるわけではありませんが、考え方の方向性としてはあながち間違いでは無いと思っています。

中気下陥には「益気昇提」と言う、脾気を鼓舞し昇らすと言う治療をおこないます。
刮痧やマッサージより鍼灸が最も効果的な治療となるので、ODの治療では鍼灸治療をお勧めしています。

 

病院の検査で原因不明となる場合、目に見えない気血津液の運行異常による症状であることも多く、気血津液の調整で症状が改善する可能性があるので、症状でお悩みの方は一度ご相談ください。


2024年08月05日

不眠の鍼灸治療

 

不眠症は夜中に目が覚めたり寝付けないなど、質の良い睡眠が取れず日常生活に支障をきたすこともある症状です。

不眠は陰陽バランスの失調によるところが大きく、陰陽失調の代表的な症状です。
昼は陽が強く夜は陰が強い状態が正常で、朝と夜に陰陽の強さが逆転し日中は活動的に、夜は安静にするのが人体での陰陽の役目です。
夜中寝る時は陽は弱くなり、陰が陽を包み込むようにして安静状態を作ります。
朝方になると徐々に陰は弱くなり、陽が強くなり陰から抜け出し活動状態になります。


その陰陽バランスが崩れたのが不眠で、次の3つに分類できます。

①入眠困難(寝付きが悪い)
当院では布団に入り30分以上寝れないと軽度、1時間以上眠れないと重度と分けることがあります。
入眠困難は陽が強いまま弱くならないので、陰の中に潜り込めない状態です。神経が高ぶってたり、ストレスやイライラなどが強いと入眠困難となることが多くあります。

②中途覚醒(夜中に目が覚める)
寝てから2~3時間ほどで目が覚めてしまい、それを何回も繰り返すことがあります。
寝た気がしないため日中の倦怠感や疲れが取れないことが多くあります。
中途覚醒は陰の力が弱くて陽を包んでおけず、陽がスルリと抜け出してしまい夜中に活動状態となるため目が覚めます。
再入眠に時間がかからなければ問題ありませんが、再入眠に30分以上かかる場合は日中の活動に支障が出ることがあります。

③早朝覚醒
早朝に目が覚めてもう眠れなくなってしまう状態です。
これもどちらかと言えば中途覚醒に分類され、そのメカニズムも似ています。

入眠困難は実証・中途覚醒は虚証に分類され、両方の不眠が出ている方は虚実夾雑となっています。

 

治療法としてはまず陽を抑え、次に陰を強くする方法を取ります。
陽を抑えるために清熱をかけ上炎、熱化の状態を取り除きます。熱は上に昇る性質があり、人体の一番上にあるのは脳(髄海)と言う最も重要な臓腑です。
脳は安定・安静を好みますが熱の影響を受けると安静を保てず不眠やメンタルの不調が出てしまいます。

熱をある程度取り除いたら、陽を包み込む陰を強くします。
陰は睡眠で補充されますが、その睡眠が障害されているため自身の力では陰を強くすることが難しいため鍼や漢方薬で滋陰します。

このように陽の力を押させつつ陰を強くし髄海を安定させることで不眠症状を治療していきます。

陰の力はすぐに補充されるわけでは無いので少し時間はかかりますが、滋陰しつつストレスなどの外的要因を取り除いていくことで、睡眠の質は確保できるようになります。

 

2024年06月25日

過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群は少しの刺激で腸の運動が失調し、下痢や便秘、腹痛などを引き起こす症状です。

IBSを引き起こす要因として精神的ストレスが挙げられますが、少量の飲食や冷飲食など食べ物が誘因となることもあります。
そうなると外出時や外出前に食べ物を食べることができず、胃腸の機能はさらに落ち、体力も落ち、精神的にも疲弊し…と言う悪循環に陥ることもあります。

 

IBSは東洋医学で言うところの脾腎陽虚と考えられます。

脾は飲食物を消化吸収し栄養素に変化させ、その栄養素を体中に送る役割をしており、消化器官全体で最も重要で中心的な臓腑です。
その脾の機能失調は下痢、便秘、食欲不振、胃痛、腹痛、膨満感、ゲップ、ガスだまりなど、あらゆる胃腸症状として現れます。

逆に言えば脾の機能を整えてあげることで大半の胃腸症状は緩和されます。

胃痛も脾の機能が回復すると胃が正常に動き始め痛みが取れることがありますし、食欲不振や膨満感も飲食物が正常に流れていけば症状が軽減することが多々あります。

もちろんこれは胃腸に炎症や胃潰瘍、ヘルニアなど器質的疾患が無いことが前提です。

IBSの下痢型は脾が飲食物を保っておけず漏れ出ると言う症状で、便秘型は脾の運化作用が低下し飲食物を小腸、大腸に送り込めないと言う症状で、混合型はその両方が出た状態です。

 

鍼灸におけるIBSの治療は脾の機能失調を整えることが目的となります。
脾が機能しない理由がエネルギー不足なのか、冷えや痰湿など邪魔者がいるのか、精神的ストレスによる気の巡りが悪くなった影響を受けているのかなどを判断し治療を進めていきます。

胃腸症状は治療に時間がかかることが多く、発症からの時間が長ければ治療にもそれと同じくらいの時間が必要となります。
また食事の是正が絶対必要で、食事を見直さない限り胃腸症状が軽減することはありません。
特に冷飲食やアルコール、炭酸、油っこいものなどは胃腸に大きな負担をかけるため、これらの飲食は禁止しないと胃腸は回復しません。

すでに食事内容を見直している方もいらっしゃると思いますが、そのうえで鍼灸治療を受けていただくと体の治癒力を引き出しやすく症状も軽減しやすい傾向にあります。


IBSや機能性ディスペプシアでお悩みの方は、一度ご相談ください。

2024年05月30日

漢方アロマ 胃腸活トリートメント

漢方アロマコースの胃・腸活トリートメントコースは食欲があまりない、お通じが良くない、お腹が張るなど胃腸のお悩みにアプローチするトリートメントです。

 

 

①便秘
お通じのお悩みは多く、女性は子宮があるため男性に比べ腸が圧迫されやすく便秘になりがちです。
また生理による出血があるため陰虚になりやすく腸燥便秘となります。

②食欲不振
ストレスや疲労などで胃腸の活動が低下すると、飲食物を消化・吸収する力が落ち食欲がなくなります。
お腹が空かないのに時間だからと無理に食べると余計に胃腸の負担が増えますし、おいしくご飯を食べられなくなってしまいます。

③お腹の張り
ストレスで体の気血の流れが悪くなると胃気が滞り、みぞおちの辺りの痛みや張った感じが出てきます。
おへそより上は胃、おへそより下は腸の領域と考えるのでどこが張るかにより胃の問題か腸の問題かを見分けることができます。

 

使用するオイルは「軽」や「実」などです。

軽:脾胃に帰経するオイルで、消化機能のバランスを整えます。
消化不良や食欲不振などで使用し、お腹周りに使用します。

実:デトックス、リンパの流れをよくし、巡りを改善する効果があります。
便秘の方には実で胃や脾の経絡を流します。

 

トリートメント部位は脚前面、リフレクソロジー、お腹と胃腸に関連のある部位がメインとなります。
足の前面は外側に胃経、内側に脾経が走っており、それぞれ胃と脾に関係する経穴が並んでいます。経穴にはそれぞれ効能があり、鍼灸では経穴に鍼で刺激を入れ該当する臓腑を調整しますが、トリートメントではその経絡を流し通りを良くします
リフレクソロジーは足裏の反射区を刺激し胃腸を活性化させます。

 

胃腸活トリートメントは少しお腹の調子が気になる方へおすすめのコースであり、胃痛や腹痛などはトリートメントでは対応できませんので、ご了承ください。

2024年03月07日

漢方アロマ 睡眠改善トリートメント

漢方アロマ自律神経コースの睡眠改善トリートメントは寝付きが悪い、夜中に目が覚めてよく眠れない、寝ている時間は長いのに疲れが取れないなど、睡眠のお悩みをメインにしたトリートメントです。

 

睡眠のトラブルの原因
①肝気鬱結(ストレス)
②陰虚による内熱の鬱積
③心神の滋養不足
などが考えられます。
東洋医学用語なので、何のことか分かりにくいと思うので一つずつ解説しますね。

 

①肝気鬱結
ストレスにより体にグッと力が入ったり、噛みしめをしてることはありませんか?
無意識のうちにストレスへの防御反応で力が入ると、呼吸も止めています。
それを続けたり繰り返すと、体の中の気の動きもどんどん鈍くなり気が滞ってしまう状態を気滞と言います。
気滞による詰まりが長期化すると、体の中で気が熱化し髄海(脳)を不安定にします。
髄海への影響が不眠や不安感、イライラなどの精神状態の不調としてあらわれます。

②陰虚内熱
陰液は体の中の冷却水の役目があり、熱を抑えたり体全体を滋養する作用があります。
この陰液が少なくなった状態が陰虚で、冷却水が少なくなるので相対的に熱が強くなります。
この熱もまた、髄海(脳)を不安定にし睡眠に影響します。
女性は生理があり血液は陰液に属するため、陰虚になりやすい傾向があります。

③心神の滋養不足
心神とはざっくり言うと髄海や精神のことです。髄海も気血により栄養されていますが、髄海の滋養不足となると、精神安定に関係する髄海の作用が低下し、これも睡眠不足やメンタルの不調として出ることがあります。

以上はあくまで東洋医学の考え方であり、髄海の滋養不足が虚血性脳血管障害など重篤な病状と言うわけではありません。

 

睡眠改善トリートメントで使用する漢方アロマオイルは「理」と「定」です。

 

理:肝と胆に帰経するオイルで、清熱作用がありイライラやほてりに効果的なオイルで、①肝気鬱結や②陰虚内熱からくる睡眠トラブルに効果的です。

定:心と小腸に帰経するオイルで、自律神経を整え心を落ち着かせる作用があります。
③心神の滋養不足からくる睡眠トラブルに効果的です。

睡眠トラブルの原因が一つでは無いことが多く、漢方アロマオイルも一つではなく複数のオイルを併せて使う場合もあります。

 

トリートメント部位は自律神経の走行する背中、噛みしめや過緊張などの影響で緊張が出やすいデコルテ、心神の安定に必要なヘッドです。
高ぶった神経を鎮めてリラックス状態にする、背中や首周りにこもった熱を散らす、首や肩、頭の筋肉の過緊張をほぐすトリートメントで睡眠のお悩みにアプローチします。

体の疲れ、不調と睡眠トラブルにお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

2024年03月07日

鍼灸治療の特長

オリエントエクスプレスの鍼灸治療の特長の一つに「少にして精」があります。
少数精鋭と同じ意味で、少ない本数で最大限の効果を出すと言うものです。

鍼灸治療は、鍼刺激により体内の内部環境を変化させるもので、人体が反応するために、ある程度の刺激が必要となります。
その刺激が「鍼の響き」と呼ばれる、ズンと来るような重い、鈍いような感覚です。

 

 

この鍼刺激は信号として体にしっかりと伝える必要があり、そのためにはなるべく単純で分かりやすい信号にする必要があります。
分かりやすい信号とするには鍼の本数を減らして余計な信号を無くすのが最も効率良く体に刺激を伝えられます。

仕事などでも複雑で分かりづらい指示より単純明快な指示の方が動きやすいと言う経験はありませんか?
これと同じで鍼灸でも体への指令は分かりやすく単純な方が反応が良いため、自律神経や妊活の治療で鍼の本数は少なめとしています。

 

2024年03月04日

機能性ディスペプシアの治療②

ディスペプシアは胃の不調が長期に渡り食べられない、膨満感、ガスが溜まる、胃痛や腹痛などつらい症状が続きます。

胃腸機能が極端に低下して消化吸収作用も落ちているので、薬を飲んでもその成分が吸収されずイマイチ薬が効いていないと言うことも多々あります。
ディスペプシアの場合、胃自体に問題はなく胃腸を動かす自律神経に問題があることがほとんどで、自律神経の調整をメインに治療をおこないます。

自律神経の鍼灸治療は交感神経の興奮を鎮めることを目的におこおないます。
交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキとたとえられますが、実は自律神経を調節するのは交感神経の興奮を鎮めることしかできません。
つまりブレーキを踏むのではなく、アクセルを緩める治療です。

人は力を入れたり力を抜くことはできても、がんばってリラックスすることはできません。
一生懸命リラックスするよう努力する人はいませんよね?
ほとんどの人は力を抜く(アクセルを緩める)ことでリラックス状態を作り出します。

しかし、ストレスや緊張などが過度になるとアクセルを緩めることができなくなりなり、体が戦闘態勢を解除できなくなります。
動物は戦闘態勢や危険な状況では眠ったり食事をすることはありません。
それが不眠や食欲不振と言った症状につながり、ひどくなると機能性ディスペプシアや自律神経失調症と言った疾患を引き起こします。

ディスペプシアの鍼灸治療は自律神経を整えることが大切で、鍼やお灸で体にやさしく刺激を入れることでその緊張状態を緩和、リラックスモードに変えていきます。

 

鍼灸治療中に眠くなることがありますが、それは交感神経の興奮が抑えられリラックスした状態になったためです。
治療の回数を重ね、その状態を体が思い出してくれたら症状も緩和していきます。

ディスペプシアの治療は時間がかかります。
1回、2回では効果は感じられないと思いますが、続けていくことで不調を改善できるので大変ですが、鍼灸を信じて通ってみてくださいね。

2023年11月09日

パニック障害の治療法

パニック障害の鍼灸治療は鍼をメインに、気が正常に運行されるよう調整をします。
気の運行が正常になれば症状は治まるか、発作が出ても軽くて済みます。


パニック障害や過呼吸(過換気症候群)の鍼灸治療で絶対外せないのはこの二つ。
①太衝(足の甲、親指と人差し指の間)…ここは全身の気をコントロールするツボで、過呼吸の症状がある方には必須のツボです。
②間使(手首の内側中央部から指4本分上)…ここは気を流すツボです。このツボは手にあるので、外出時にパニック症状が出ても応急処置的に使えるツボなので、過呼吸の症状が出やすい人は、ぜひ覚えておいてほしいツボです。


その他、精神を安定させる百会(頭のてっぺん)や印堂(眉間)などに鍼を打って、気持ちを安定させる治療をおこないます。

パニック症状が治まるようになるまでは、週1回の鍼治療2~3ヶ月ほど継続する必要があります。
早い人だと数回の治療でパニック症状が軽くなることもあります。

①②のツボは即効性があるので、これを知っておくだけでも少し不安感が無くなり発作が出る頻度も減るのではないでしょうか。
原因や対策を何も知らないのか、知っているのかの違いは安心感と言う点で大きく差が出ます。
ぜひ、①②のツボは覚えていてください。

2023年11月07日

パニック障害の原因

パニック障害では急激な不安感や動悸、目まい、過呼吸などの呼吸の症状が出ます。
突然発作が来るように心臓がドキドキし始める予兆があったりします。
外出先や人混みで「ここで過呼吸になったらどうしよう」と不安になると、それがさらに動悸や呼吸を早め、パニック発作を起こしてしまいます。


パニック障害(ここではパニック症状と言います)は気の逆上、逆乱と考えます。
その気の流れを調節しているのは肝です。
ストレスや疲労などで肝が疲れると、気をコントロールする機能が低下し呼吸苦や動悸、息切れと言った症状があらわれます。これが最初のパニック発作です。

「またあの息苦しさが出たらどうしよう」と言う不安が長期に及ぶと、さらに気血の流れを乱して体は消耗していきます(ネガティブな感情は心身ともに疲弊します)。
そうすると少しの衝撃(不安や驚き、恐怖など)で、簡単に気が乱れてしまい動悸や目まい、過呼吸などの症状がすぐに出てしまうのがパニック症状です。

気と言う目に見えないものの運行の乱れなので、病院で検査しても異常は見つかりません。
症状はあるのに病院の検査で何も異常が見つからないと言うのが、不安を増大させパニック症状を治りにくくしている面もあるかも知れません。
しかし東洋医学の観点から見ると、原因はハッキリ見えています。
上述した通り、通常運行している気が急に乱れることで呼吸や動悸などの症状が現れるのです。

2023年11月07日

機能性ディスペプシアの治療法

機能性ディスペプシアの治療は自律神経を整えることを目的に進めていきます。
ディスペプシアは胃には異常が無く機能が低下している状態なので、胃に活動の指令を送る自律神経が乱れているのが原因と考えられます。
もし胃に異常があれば、それは胃潰瘍や胃炎などの診断がつきます。


ここからは東洋医学の考え方で説明を進めていきます。
自律神経は交感神経と副交感神経の二つの神経で構成されています。
交感神経は体を活動的にする神経、「陽」に分類されます。
副交感神経は体を休ませる神経、「陰」に分類されます。
陰と陽は二つで一つ、常にお互いが同じくらいの強さを保つことでにバランスをとっています。
そのバランスが崩れると不調があらわれます。

「陽」が弱くなると「陰」が強くなるため、冷え、疲労感、食欲不振、息切れなどの症状があらわれます。
「陰」が弱くなると「陽」が強くなるため、ほてり、のぼせ、不眠、イライラなどの症状があらわれます。

このように陰陽のバランスが崩れた不調が「自律神経失調」の状態で、症状が胃腸に出ると機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群、慢性下痢となります。


東洋医学では体質により治療法が少しずつ異なりますが、鍼灸の基本的な治療をご紹介します。

 

①背中の吸い玉・お灸
背中には督脈と言う背骨に沿ったラインで経絡が流れており、背骨からは自律神経が分布しています。
督脈は経絡を監督・総督すると言う意味があり、督脈に吸い玉やお灸をすることで経絡の通りが良くなります(疎通経絡)。
気機の阻滞でおこるディスペプシアには、経絡を通し気の流れを促します。
冷えによって起こる場合はお灸で温め巡りを改善します(温通経絡)。

②首や背中の筋肉の緊張をほぐす
腰の少し上あたりは胃の裏になり、胃のツボがあります。お腹の調子が悪いと腰が張ったり硬くなったりすることがありますが、これは内臓体性反射と言う内臓の影響が筋肉の緊張として現れる現象です。
この硬い部分に鍼やマッサージをして胃に刺激を送ります。

③手足、お腹のツボに鍼
足には胃経、脾経と言う胃腸に関する経絡が走っており有効なツボも多くあります。
みぞおちや胸骨にある中脘・膻中は胃痛や胸やけ、不安感などに使用するツボです。
これらのツボに鍼を打ち、全身の巡りを調整し、間接的に胃腸の動きが正常化するような信号を送ります。

④冷えが強い場合はお灸
冷飲食の過剰により起こるタイプのディスペプシアや胃腸疾患には温めるためにお灸をおこないます。
吐き気や胸やけなどが強い場合は熱を加えると吐き気が増悪することがあるため、熱所見をみながらおこなうかどうかを決めます。


症状や体質により内容は変わりますが、以上が機能性ディスペプシアの鍼灸治療の一例となります。

2023年11月07日

機能性ディスペプシア(胃腸症)

機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)は、胃自体には異常が無いのに胃もたれや膨満感、胃痛などの症状がでる病気です。

内科や消化器科、心療内科などにかかってもなかなか症状が良くならない方が最終的に鍼灸を頼っていらっしゃることが多いです。

西洋医学では症状のある部位を診ますが、東洋医学は体全体を診て、バランスがどう崩れているかをみます。
ディスペプシアは胃単体で見ると異常がありませんが、体全体を診るとストレス・冷え・疲れなど、胃に影響を与えそうな要因が存在します。

「その要因を取り除いてあげると、もともと異常の無い胃は元通りに活動を始め、ディスペプシアの症状が緩解する」というのが、鍼灸でディスペプシアの症状が軽減する理由です。


日本人は胃腸が弱い方が多いですが、これは胃腸の働きを悪くする「冷え」と「余分な水分(湿)」を体質的に溜めやすい傾向にあるからです。
ディスペプシアの方も多くの場合冷えがあり、食事をあまり摂れないためエネルギー不足となっています。エネルギーが不足すれば体は更に冷えるので、どんどん胃の動きが悪くなり、食事が取れなくなる…という悪循環に陥ります。
胃の動きが悪くなると胃腸の気も動かなくなるため、張ったような痛みや痞える感じが出てしまいます。

冷えがあればお灸で温め、気が滞っていれば鍼で胃腸のツボを刺激してからだの巡りを整えることで、徐々に胃の動きが回復してきます。

回復するまではそれなりに時間がかかり、残念ながら1回2回の治療ですぐには治りません。
当院の場合ですと個人差はありますが3ヶ月ほどで症状が緩和し始め、6ヶ月程度で治癒する方が多いです。

機能性ディスペプシアのように慢性化してしまった症状を動かすのは容易ではありませんが、根気強く治療を続ければ治る可能性が十分にあります。

なかなか良くならずにお悩みの方は、ぜひ鍼灸治療を試してみてください。

2023年11月07日

漢方アロマ「女性の不調ケアトリートメント」

漢方アロマコースの自律神経アロマトリートメントを、より使いやすくするために10月末日よりメニューを一新しました。

その中の一つ「女性の不調ケアトリートメント90分」のご紹介です。

生理痛、PMS、妊活、更年期のゆらぎなど女性のお悩みに特化したアロマトリートメントで、施術部位は「背中、脚後面、脚前面、お腹、デコルテ」となります。

 

背中は自律神経が集中し全身の調整に重要な場所です。背中のトリートメントで交感神経を緩めリラックスした状態を作ります。
女性は毎月生理があるため血が不足しがちな反面、気が昇りがちです。
気が昇ると言うことはイライラや目まい、頭痛などを引き起こしやすくなります。
背中のトリートメントで昇った気を散らし緊張状態をほぐします。

ふくらはぎや太ももの裏側の脚後面はむくみに効果的で、重力で下に溜まったリンパを流し血行を改善し冷えを取ります。

脚前面、お腹は婦人科に重要なツボや経絡があり、経絡を通じて婦人科に働きかけます。

全身のリンパが集中する左右鎖骨下静脈のあるデコルテは、リンパ液の終着点。
デコルテを流すことで全身をめぐるリンパや血液がスムーズに運ばれます。

 

 

使用するオイルは腎経に作用する「采」で、腎は東洋医学では発育や生殖に関連する臓腑です。
生理周期により目まぐるしく変化する女性の体は腎の影響を大きく受け、腎が弱いと生理不順や不妊症、更年期のつらい症状につながります。

女性の不調ケアトリートメントは、日々の疲れを取りつつ、リラックスしながら女性特有のお悩みを解消したい方におすすめのコースです。

 

 

2023年10月17日

自律神経の鍼治療はどのくらいで効果が出る?

自律神経の乱れや失調症、または自律神経の影響で来る他の症状で鍼治療を受けてみようと思った方が気になるのは、どのくらいで効果が出るのか?だと思います。

結論から言うと「人により異なる」ですが、これだと回答にならないので症状による平均的な回数でお伝えしていきます。

 

寝付きが悪い、夜中に目が覚めると言った不眠症状の場合、1~3回ほどで効果が出ることがあります。
鍼治療中に寝ると効果が良い傾向にあります。

突発性難聴は耳鳴や目まいを伴うことが多く、最低でも6回ほどの治療が必要です。
1~3回目くらいまでは効果を感じることが無い場合が多く、5回目以降で耳鳴やふらつきの軽減と言った効果を感じられる場合があります。

機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群は10回以上の治療が必要となります。
胃腸症状は効果が出るまでに時間と回数がかかり長期戦になる傾向があり、罹患期間が長ければ長いほど治療にも相当の時間を要します。
例えば10年来の胃痛や下痢症状などがある方だと治療にも1年は必要で、症状が緩和した後もメンテンナンスとして定期的な治療をした方が良いでしょう。

イライラや不安感、動悸などの不定愁訴の場合は3~5回ほどでいくつかの症状が緩和されることがあります。
複数の症状がある場合、最もつらい症状の治療を優先したり、全ての症状が同じくらいつらい場合は取れる症状から取っていくなど、その状況に応じて変えていきます。
全ての症状が一気に取れたり、同じレベルで軽くなっていくと言うよりは「そういえば、この症状が最近は出ていない」と感じてもらえるでしょう。

 

鍼灸は魔法ではありません。
薬と同じで繰り返し治療を重ねることで効果を蓄積していきます。
1,2回の治療で変化を感じられず「鍼灸は効かない」と思ってしまうかもしれませんが、体の中では微細ながら変化は起きています。

病院の治療や毎日の服薬を数年続けても取れなかった症状が、数回の鍼灸治療で取れるわけはないのです。
中には1回で症状を取り切ってしまう先生もいるのでしょうが、人間の体は本来徐々に変化していくものと思っています。

鍼灸で少しずつ体調を良い方向に変化させていきましょう。

2023年10月12日

妊活鍼灸とアロマの組み合わせ

鍼灸治療とアロマトリートメントにはそれぞれ得意・不得意があります。

筋肉に刺激を与えて緩めたり、ツボを刺激して内臓を活性化させるのは鍼が得意とするところです。
じっくり熱を入れて体の芯から温めるのはお灸が最適です。
リンパに沿って体の老廃物を流し、むくみを取るのはアロマトリートメントが適しています。
鍼やマッサージでもむくみの除去はある程度はできるし、アロマトリートメントでも筋肉を緩めることはできますが、どちらも得意分野とは言えません。

 

鍼灸とアロマを組み合わせることで、それぞれの施術の長所を引き出し不得意な部分を補うことができます。

妊活治療で一番の問題となるのは下半身の冷えとむくみで、鍼灸だけでは時間や刺激量の制約もありなかなか取りきることが難しいこともあります。
鍼灸でツボを刺激し内臓を活性化させ、お灸でしっかり温めて血行が良くなったところでアロマトリートメントで流すのが、治療効果を最大限に引き出すことのできる組み合わせと考えています。

 

妊活鍼灸に加えてアロマと組み合わせた妊活鍼灸アロマコースを新設します。
詳細は決まり次第、こちらのHPやしんきゅうコンパスに掲載しますので、もうしばらくお待ちください。

皆様にとって最善の治療を提供できるよう、これからも取り組んでまいります。

2023年10月12日

プレ コンセプション ケア

プレコンセプションケアという言葉をご存じですか?

プレとは「事前・~の前」、コンセプションとは「妊娠・受胎」の意味で
「妊娠前からのヘルスケア」と言う意味になります。
プレコンセプションケアは将来の妊娠・出産に備え、今の健康状態を把握し自分のライフプランに合わせた生活習慣、食事など健康管理をしていくことが大切という意味ですね。

 

妊娠・出産には適齢期があり、健康であることも大切です。
家庭を作るのはまだ先の事、と思っていても普段から健康管理を意識して、質の高い生活を送ることで将来、不安の無い妊娠・出産つなげていくことができます。

 

東洋医学では女性は7の倍数、男性は8の倍数で体が変化していくと考えられており、腎精(体のエネルギー)が最も充実するのが女性は28歳、男性は32歳です。
女性の生理は14歳で始まるとされていますが、現代では女性の生理は12歳前後で始まることも多いので東洋医学の考え方からマイナス2歳とすると、女性は26歳ごろが最も腎気が充実している年齢となります。

※腎気とは妊娠・出産を司るエネルギーのことで、生殖に必要なパワーです。

普段から運動や食事など健康管理を行うことで、この腎気のピークを延ばし、より強くすることができると考えています。

 

ではどのような健康管理が必要なのでしょうか。
①食養生
食事は健康の基本でバランスの良い食事。これに尽きます。
お酒や嗜好品が絶対ダメというわけでは無く、あくまでバランスが大事と言うことです。
お酒を飲んでも量を調節する、休肝日を作る、無理なダイエット(糖質カットなど)をしないなど、できることから始めましょう。

②適度な運動
運動も健康に必要不可欠な要素です。週1回は汗をかくジョギングや筋トレなど有酸素運動をしましょう。
ヨガやストレッチも良いのですが、汗をかいて酸素を取り込むような、体の巡りを活発にする運動を取り入れましょう。
運動を習慣化できればもう健康は得たも同然です。

③生活リズムを整える
決まった時間に起床するのが最も効果的です。
例え寝る時間が遅くなったり、休みの日でも朝日を浴びて体内時計をリセットすることで、体の疲れの取れ方も変わります。
夜勤や不定期な仕事をされている方もいると思いますが、朝日を浴びると言うのは人間にとってリズムを作る最適な方法です。

 

まずはこの3つを意識してみてください。
プレコンセプションケアとは不妊治療だけではなく妊娠に向けた体作りであり、その健康な体は一朝一夕で手に入るものではありません。
日々の習慣が体質を作っていくのです。

 

当院の妊活鍼灸治療では、プレコンセプションケアに関した日常生活のアドバイスや薬膳の考え方を基に、その方の体質に合った食材の提案も致します。
これから妊娠を考えている、いま不妊治療を行っている方もお気軽にご相談ください。
鍼灸治療やアロマトリートメントを含めて、お一人お一人に最適なヘルスケアの方法をご提案いたします。

2023年10月12日

難聴・耳鳴・耳閉塞感の原因

難聴や耳鳴など、耳の異常で鍼灸を受けられる方はとても多く、特に突発性難聴は耳鼻科の治療でも限界があるため、鍼灸を頼って来院される方もおられます。

鍼灸も万能ではないため、全ての難聴や耳鳴を治せるわけではありませんが東洋医学と言う西洋医学とは違う視点から原因を探り治療をしていけるのが強みです。

突発性難聴やメニエール症候群に伴う耳鳴、耳閉塞感がなぜ起こるのか?
今回は東洋医学の視点からご説明します。

 

難聴は耳の経絡が詰まり、気や血の巡りが阻害されて発症します。
耳の経絡(耳絡)が詰まる原因はいくつかあり、
①ストレスが過度になり気血が詰まり耳を塞ぐ。
②風邪を引いたときの邪気が耳絡に留まり詰まる。
③寒さや湿気などが耳絡に詰まる。
④ケガなどで血の巡りが悪くなり、耳を栄養できなくなる。
等の原因があり、特に多いのは①と③のタイプです。

高齢になり耳が遠くなるような難聴は虚証タイプの難聴で、今回こちらは割愛します。

経絡が詰まって耳を塞ぐため聞こえが悪くなり難聴となり、耳内で音が反響するため耳鳴が現れます。
耳閉塞感が出るのは耳とその周囲の経絡が塞がれるためです。

つまり難聴、耳鳴、耳閉塞感は経絡阻滞と言う同じ原因によって引き起こされ、突発性難聴やメニエールなどで出る目まいも同様に経絡が詰まったことが原因で、気血が頭に昇らずにおこると考えられています。

経絡阻滞を解除してあげれば、耳の経絡が通りこれらの症状が緩和されると言うのが突発性難聴の鍼灸治療の説明となります。

2023年10月12日

難聴・耳鳴・耳閉塞感の治療法

難聴、耳鳴の鍼灸治療ですが、前回ブログに書いた通り症状は違っても原因は同じものなので治療法は共通となります。
共通なのはあくまでその患者さんの難聴、耳鳴の治療法であり、人により原因はストレスだったり痰湿(むくみ)だったりと違うため、原因をしっかりと見極めて治療をすすめます。

 

耳のツボや経絡に鍼を打ち経絡の滞りを解除するのが目的となります。
また耳周囲や首肩周りの血行を改善する為に、首肩の筋肉に鍼を打ちパルスをかけて血流改善も図ります。
むくみが溜まっている方には吸い玉を背中や首肩の周囲におこない、溜まった痰湿を強制的に除去しますが、むくみの除去に最も効果的なのは運動で汗をかくことです。
これはブログの「痰湿による症状のセルフケア」に書いてあるので、そちらをご覧ください。

 

痰湿タイプの難聴や耳鳴は痰湿が取り除くのに時間がかかるため、耳の症状の変化が出るまでにもやはり時間がかかります。
その間は痰湿を溜め込まない生活(禁酒や運動、食生活の改善)が大切になります。

突発性難聴は一般的に3ヶ月で症状固定となるため、早めの治療が大切です。
最初は耳鼻科でステロイドなどの治療を行うと思うので、それと並行して鍼灸治療を受けて頂ければと思います。

突発性難聴は短期決戦型の治療となるため、週2回の治療を集中して行います。
その間にも耳鼻科での検査や投薬などはあると思うので、耳鼻科の診察と鍼灸を同時に進めていきましょう。

 

聴力の回復はもしかしたら難しいケースもあるかもしれません。
実際に聴力までは回復しなかったこともあります。
しかし耳鳴やめまいなど周辺症状は鍼灸である程度取ることは可能なので、少しでも症状を軽くして生活に支障のないようにしていきましょう。

2023年10月12日

硬すぎる肩こりの原因と治療

肩こりは多くの方が訴える症状でよくある症状ですが、思った以上につらい症状が出ることもあります。
肩の痛みや頭痛、吐き気。寝てても痛みや体の置き場が無いような感覚で目が覚め眠れない。集中力が続かないなど、常に肩や首周りの痛みやコリが気になり日常生活や仕事に支障が出てしまうこともあります。

そうなるとたかが肩こりとは言えず、疾患として捉えなければなりません。

 

肩こりの原因は主に二つで、一つは姿勢でもう一つは自律神経です。

姿勢が原因の肩こりはデスクワークなど長時間同じ姿勢が続くことで肩回り、首周りの筋肉の血行不良がおこり、筋肉が硬くなってしまうものです。
肩や首には僧帽筋、菱形筋、板状筋など首や肩、背中をつなぐ筋肉が走っており、その全体が硬くなるため首肩や肩甲骨周りなど上半身全体の疲れや痛みとして症状が出ます。
マッサージ―やストレッチでほぐしてあげると血流が改善し、痛みやコリが軽減します。

自律神経からくる肩こりは精神的な緊張や不安などメンタルが大きく影響し、体の防御反応として筋肉が硬くなります。
内側からの肩こりなのでマッサージやストレッチでほぐれることは無く、無理やりほぐそうとすると痛みや揉み返しが来てしまいます。
この場合は自律神経の緊張を緩めてあげないと筋肉の緊張もほぐれないので、自律神経の治療がメインとなります。

北風と太陽のように強い刺激で筋肉をほぐすのではなく、優しい刺激でリラックス状態を作り出すと自然と肩こりや背中の張りが取れてきます。

 


マッサージや整体、ストレッチなどで取れない肩こりや背中の痛みがある場合は自律神経から来ている可能性があり、自律神経は簡単に乱れにくい分、一度乱れると自分で元に戻すことが非常に難しく鍼灸など外部の力を借りる必要があります。

鍼灸は自律神経の調整に高い効果を発揮するので、継続して治療を受けることでつらい肩こりや腰痛が軽減していきます。

2023年07月27日

痛みの続くギックリ腰

季節の変わり目はギックリ腰の患者さんは増える傾向にあるのですが、今年は6月から7月にかけてギックリ腰の方が多くいらっしゃいます。
ギックリ腰は痛めてだいたい2~3日ほどで炎症が治まり、徐々に痛みが引いていきます。

しかし1週間近く痛みが引かなかったり、横なっていても急に痛みがズキっと走ったり、かと思えば立っていても痛みが出ないこともあったりと、痛みにムラがあるタイプのギックリ腰があり、このタイプのギックリ腰はインナーマッスル(深層筋)である腸腰筋を痛めた可能性があります。

腸腰筋とは、大腰筋と腸骨筋という二つの筋肉の総称です。
腰の筋肉の一番深い部分にあり骨盤の裏(内臓側)を走行しているため、表面から触れることがとても難しい筋肉です。
また最下層の筋肉なので、シップの効果も届きにくく治るのに時間がかかります。

厄介なのはこの腸腰筋、姿勢維持に関係する筋肉なので寝ていても痛むのです。
脊柱起立筋や仙腸関節と言った場所のギックリ腰の場合、安静にしていれば痛みは治まることが多いのですが、腸腰筋を痛めた時は痛みが安静時、動作時関係なくズキっときます。

この腸腰筋ギックリ腰の(ほぼ)唯一の治療法が鍼です。
2寸(6cm)の長めの鍼を使えば深層筋まで刺激を届けられるため、指では届かない筋肉を緩めて血行を改善させることができます。

腰を痛めてから3日経過するけど痛みが全く変わっていない、1週間経過しても痛みが半減しない、寝ていても急にズキンと痛みが走ってつらい。
このような時は腸腰筋のギックリ腰を疑い、腸腰筋に鍼を打ってもらいましょう。

 

腸腰筋のギックリ腰の治癒期間は約2週間。
最初の1週間はほぼ痛みが変わらない状態が続き、日常生活動作で痛みが出にくくなったり動けるようになるのに2週間。
運動や筋トレをできるようになるには3~4週間ほど必要です。
痛みが治まったからと言ってすぐに運動をすると、確実にぶり返しますのでしっかり休めてからにしましょう。

 

2023年07月14日

痰湿からくる突発性難聴、メニエール

突発性難聴の原因の一つとしてあるのが「痰湿」

「痰湿」とは体の中の余分な水分のことで、ドロドロした汚水のようなイメージです。
人間の体にとって水分は必要不可欠なものですが、それが過剰になると体に害のある病理物質となります。
痰湿は体の気血の巡りを鈍らせ時には停滞することがあり、池の底にあるヘドロのようなイメージとなります。
こうなるとどう見ても有害な水分でしかないですよね。

その痰湿が「耳の穴」を詰まらせることで難聴の症状が起きます。
耳の穴とは外耳道や内耳の事ではなく、経絡に流れの事をさします。
経絡が詰まることを「阻滞(阻滞)」と言い、痰湿が経絡を詰まらせることを痰湿阻滞と言います。

経絡が詰まると耳の聞こえが悪くなり難聴となります。
詰まった音が反響すると耳鳴となり、詰まっているため耳閉塞感が出ます。
これはストレスによる難聴と全く同じですね。

 

突発性難聴に似た症状でメニエール病と言うのがあります。
メニエール病は内耳にリンパ液がたまりすぎる内リンパ水腫が原因です。

水腫=痰湿と考えて間違いないのでメニエール病も痰湿が原因であり、自ずと治療法も同じとなります。

痰湿阻滞を取り除くには、鍼で経絡に通り道を作ることと、お灸で温めることが必要です。
痰湿は水分でドロドロなので温めて流動性を高めて流す方が効率が良いのです。
そのため痰湿阻滞の突発性難聴の治療では耳にお灸をします。
足が冷えていたりむくんでいたら、足のむくみを取るのも良いかもしれません。

体の余分な水分を排出するのが治療法の目的となるので、運動などで発汗したりお茶などの利尿作用のある水分を摂り尿で排出するのが良いでしょう。
更に大事なのは痰湿を体に取り込まないと溜め込まないことです。

 

特に食事が大切で、アルコールや脂っこいもの、味の濃いものは痰湿を大量に取り込んでしまいます。
難聴や耳鳴、メニエールの治療中はアルコールは控えてください。
また汗や尿で排出するのが一番手っ取り早い方法なので、適度に運動して飲み物は緑茶などを飲んでください。

痰湿は取り除くのに時間がかかる特徴があります。
そのため耳鳴やめまい、難聴の症状が続いたり、症状の変化が出るまでに時間がかかることがあります。

鍼灸治療を週2回受けたとしても、耳の変化を感じられるまで5~6回以上かかることがあります。
また痰湿が多ければ多いほど治療に時間がかかり、ビールを飲んだりして痰湿が入るとさらに治りは遅くなります。

 

生活習慣の見直しも必要となる場合があるので、少し治療は大変ですが日常生活のアドバイスなどもしますので、一緒に治療を進めていきましょう。

2023年06月13日

ストレスからくる突発性難聴

突発性難聴の原因の一つである「ストレス」

ストレスでなぜ難聴の原因となるのか。
また鍼灸でどのように治療していくのかを東洋医学の観点からお伝えしたいと思います。

体の中には気や血が一定の順路で流れていますが、急激に強いストレスがかかったり嫌なことが長期に渡って続くと体の中の巡りが乱れます。
気血の巡りが乱れるとは、速くなりすぎるか詰まってしまうかのどちらかの変化として現れます。
速くなり過ぎた場合は過呼吸や動悸、息切れなどの症状として現れ、詰まった場合は息苦しさや過緊張、喰いしばりなどの症状として現れます。

 

突発性難聴を引き起こすのは巡りが詰まってしまった場合です。
耳の周りには経絡がグルッと取り囲っており、その経絡が詰まることで耳の穴がふさがれて音が聞こえなくなります。
また穴が塞がれることで自分の声や周囲の音が耳内で反響するため、耳鳴の症状が出ます。
耳閉塞感が出るのは、経絡が詰まったためです。

イライラや怒りっぽいなどが長期に渡って続いていると、詰まった気血が熱を帯びて経絡を焼いてしまい耳の経絡がふさがってしまいます。

この経絡の詰まりを鍼で取り除くのが鍼灸による突発性難聴の治療となります。
また上記のように耳鳴や耳閉塞感も経絡の詰まりが原因であるため、鍼灸で同時に治療が可能です。

首や肩、側頭部などにある耳に入る経絡へ鍼を打ち、詰まった経絡を通していきます。
イメージとしては詰まった水道管の途中にあるマンホールから詰まったものを取り除く感じです。
水道管が経絡でマンホールが経穴(ツボ)です。
詰まっているものを取り除くための穴は複数あった方が効率が良いため、鍼の本数も多くなります。
頭や耳の周囲だけでなく、手足にも耳のツボがあるためそこにも鍼を打ちます。
手足のツボは空気穴のような役割で、長い経絡の端に鍼を打つことで局所だけに打つより通りが良くなります。


詰まった経絡を通す。
これが突発性難聴の鍼灸治療となります。
ストレスからくるタイプの突難は熱を帯びることが多いため、お灸は使いません。

鍼灸も万能ではないので突発性難聴のすべてを治せるわけではありませんが、症状緩和のお役には立てると思います。
経絡が流れるまで数回の治療が必要なので、週2回ほどが治療の目安となります。

突発性難聴は3ヶ月で症状固定となることが多いため、短期集中でしっかりと治療していきましょう。

2023年06月13日

痰湿による症状のセルフケア

まもなく梅雨で、ジメジメとした雨の日が多くなってきました。

天気が悪くなる前や、台風の前などに体調が悪くなるのは外気の湿気と体内の痰湿が結びついてしまうことが原因です。
痰湿とは体の中の余分な水分のことで、いわば汚れた水です。
人体にとって水分は大切なものですが、それが適切に排出されず体の中に溜まってしまうとむくみや冷えなどの原因となります。

 

痰湿によって起こる症状は次のようなものがあります。
・むくみ、冷え、のぼせ。
・頭痛、めまい、不眠
・耳鳴、突発性難聴、メニエール
・吹き出物、ニキビ、いぼ、肌荒れ
・不妊、生理痛、生理不順、PMS(月経困難症)
・疲労感、だるさ、倦怠感
・胃痛、腹痛、食欲不振、下痢、便秘

痰湿が生み出される原因は、体の巡りが悪く排出するパワーが弱いために溜まる場合と飲食の不摂生で過剰に溜まる場合の二つのパターンがあります。
痰湿はネットリとして排出されにくく、下に溜まるという特徴があります。
ドロドロしたヘドロや下水のイメージですね。

 

それを排出するには、汗で出すか尿で出すかのどちらかとなります。
最も効果的なのは運動して汗で出すことです。
ジョギングなどの有酸素運動や、筋トレなどでしっかりと汗をかきましょう。
運動をすると体が温まるので、痰湿によって巡りが悪くなっている血行も改善します。
ジョギングなら30分ほど。ウォーキングなら早歩きで60分ほどが目安です。
しっかりと汗をかくことが大切なのでダラダラ運動しても意味がありません。

 

もう一つは尿で出すことですが、利尿剤は病院で出してもらうことでしか手に入らないので普段の飲み物をハトムギ茶や黒豆茶など利尿効果の高いお茶にしましょう。

痰湿の治療で大切なのは食事の見直しです。
ビール、ワインをはじめとしたアルコールは全て痰湿を生み出します。
痰湿を取り除きたいなら禁酒は絶対です。
また味の濃いものや辛いもの、インスタント食品も痰湿を生み出すので食生活の見直しをしましょう。
例えどんなに運動や鍼灸治療をしたとしても、食事でこれらのものを摂っていたらまず効果は出ません。それほど食事が体質に与える影響は多いのです。
まずは入ってくる痰湿の原因を断ち、そのうえで治療を進めなければいけません。

 

痰湿阻滞によって引き起こされる症状はどれもつらく、長引きやすいものが多いのですが、日常生活の見直しにより痰湿を除去することで体質改善、症状の改善へとつながっていきます。
まずはできることからスタートしましょう!

 

2023年06月02日

アトピー性皮膚炎と鍼灸②

アトピー性皮膚炎の鍼灸治療をご紹介します。
アトピーに鍼灸が効くと言う論文や医学的証明はありませんが、どうしてもつらくてダメ元で鍼灸治療を受ける方は多くいらっしゃいます。
また鍼灸治療を受けてから症状が寛解したり痒みが治まることもあるので、全く無意味な治療では無いと考えています。

 

鍼灸治療では症状の出ているところに鍼を打ちます。
①で書いた通り、症状が出ている皮下に気血や痰湿が停滞しているので、それを流すことで皮膚を自然の状態に戻す治療です。
あまりに痛みが強い場合は患部を避けますが、基本的には患部に打つと考えてください。
これは症状に対する対処療法(標治法)になります。

標治法のあと、もしくは同時並行で気血や痰湿が阻滞しないよう、体全体の巡りを改善する治療をおこないます。これが本治法です。
本治法では手足のツボに鍼を打ち、15~30分ほど置いておくことでツボの効果を引き出し体にその信号を送ります。

アトピーの治療でお灸はほとんど使いません。
肌に炎症が起こっている状態は字のごとく同時に熱症状が出ていることがあるため、お灸でさらに熱を入れると症状を悪化させるおそれがあるためです。

鍼灸治療後は一度肌の状態や痒みが悪化する場合がありますが、これは失敗や異常ではありません。
そこに滞っていたものを流す時には必ず反動がきます。
その反動が落ち着いたあと、自己修復力で肌の状態が戻ります。
便秘が続くと排便時に腹痛があるようなもので、その時はつらいですがそのあとは楽になります。

 

症状や体質により治療内容は変わりますが、アトピーの鍼灸治療の流れとメカニズムはこのようなものです。
症状が強いときは週2回で集中的に治療が必要ですが、寛解期は2週に1回のペースで治療を続けましょう。
寛解期は本治法で、アトピーの原因となる気血や痰湿の阻滞を取り除き胃腸の働きを上げるなどの治療をしっかりおこないます。
また食養生も大切で、食事や日常生活なども見直さなければいけない場合もあります。

少しでもつらい症状が改善するよう、病院の治療を並行して鍼灸治療を続けてみてください。

2023年05月02日

アトピー性皮膚炎と鍼灸①

アトピー性皮膚炎(以下アトピー)は皮膚の乾燥、発赤、滲出液などの炎症が起き、耐え難い痒みが主症状で、季節や天候などにより症状の増悪と寛解を繰り返し長期に渡り症状が続き難治性の疾患です。

アトピーは肌に症状が現れますが、その原因は体の中にあることが多くあります。

①肌の赤み、乾燥
肌の発赤や乾燥が強く出るのは体内に熱がこもっている状態で、これを内熱と呼びます。
気や血の巡りが悪く体内の一部分に留まると、気は気滞、血は血瘀と言う状態になりだんだんと熱を帯びてきます。
その状態が解除されずさらに熱が強くなると発赤や乾燥と言った症状となり皮膚に影響が及びます。

②滲出液
体の中の余分な水分、痰湿が停滞している状態です。
これも停滞が長期になると熱を持ち、皮膚にあふれ出します。

③皮膚の苔癬化
掻くことで肌が傷つき皮膚のバリア機能が低下した状態です。
皮膚表面は衛気と呼ばれる気のバリアがあり、これが外からの邪気を防いでいると考えられています。
衛気の働きが弱くなると風に乗り邪気が体内に入り風邪を引きやすくなります。

 

アトピーの原因は西洋医学ではアトピー素因やアレルギーと考えられますが、東洋医学では「隠疹」と呼ばれ体内の気血の滞りや肝・腎・脾の機能の低下と考えられています。
またストレスや悩みなども隠れた原因として考えられており、心因的な問題が体内の気血の巡りを阻滞させている場合もあります。

2023年05月02日

鍼灸治療の通院間隔と期間

鍼灸院に通うにあたり、どのくらいの間隔で、いつまで通えば体調が良くなるのか気になる方もいらっしゃるのでは無いでしょうか。

鍼灸院にいらっしゃる方の多くは不調が長引いていたり、病院の診療や服薬でもなかなか改善しなかったりする方がほとんどです。
いろんな病院で検査しても異常が無く、薬もいろいろなものを試してみたけど効果が無くて鍼灸が効くと聞いて来られる方もいらっしゃいます。

それだけ長引いた不調なので、いかに鍼灸と言えど1回では治せません。
鍼灸は魔法ではなく治療なので、ある程度回数を重ねる必要があります。

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1512.html

こちらは先日NHKで放送された「東洋医学ホントのチカラ」という番組で、難治性の頭痛に鍼灸が効くというコーナーの記事です。

この記事の中に、
「週2回の鍼灸治療と自宅でのツボのセルフケアを実践しました。治療開始から2週間ほどで頭痛の痛みが和らぐなど、徐々に症状が改善。3か月後の診察では、頭痛の重症度を測定するテスト(HIT-6)の結果でも頭痛の頻度が下がり、生活への支障なども大きく改善したことが分かりました。」
という部分があります。

難治性の頭痛を改善させるには、週2回の鍼灸治療を3ヶ月は続ける必要があると言うことがわかります。
また自宅でのセルフケアも実践してもらっていることから、鍼灸治療だけでなく普段の生活でのケアも必要なんですね。

この記事では頭痛を主訴としていますが、これは他の疾患でも同様です。
機能性ディスペプシアや起立性調節障害、過敏性腸症候群、突発性難聴をはじめとした難治性の症状や、パニック症状、ストレス、不眠などにも鍼灸は効果を発揮できますが、その効果を実感できるまでには時間がかかります。

自律神経の乱れからくる症状は効果が出るまでに2~3ヶ月ほどかかります。
症状により期間は前後しますが、変化を感じ始めるのがそのくらいです。

数回の鍼灸治療で効果が出ないために「やっぱり鍼灸でもダメだ」と諦めないでくださいね。


2023年04月24日

起立性調節障害の治療法

起立性調節障害は自律神経の調整がメインとなるので、鍼灸を使用した治療になります。
ですが、起立性調節障害は主に中学~高校生くらいの年齢で起きやすく、そのくらいの年齢の子の中には鍼灸、特に鍼に対する抵抗感が強い子もいます。

おそらく鍼灸治療の中で、一番の心配は痛みだと思います。
鍼を刺すので全くの無痛とはいきませんが、極力痛みを感じない打ち方をしますし、どうしても緊張したり怖い場合には刺さない鍼を使用します。

 

治療は自律神経の調整をメインに、気血津液や陰陽のバランス、虚実、五臓の状態などを診ながらそれに応じた治療を行います。

目まいや頭痛がひどければ、頭や首、肩周囲の治療を、食欲不振や下痢便秘など胃腸が悪いときは手足やお腹に鍼灸をして胃腸を整えます。
血圧が急激に下がる、貧血が強い場合などは脾の昇清作用を強める治療をおこないます。

東洋医学では疾患そのものではなく、その人の体質をみて治療法を決定し最も効果のあるツボに鍼灸をします。
起立性調節障害の場合も同様で、現れている症状は同じでもその原因が人それぞれ違えば治療法も変わります。


効果が出るまでは人それぞれですが、早い方だと3回目くらいから体調の変化を感じられる方が多いようです。
起立性調節障害もその発症からの期間が長いほど治療に時間がかかります。
鍼灸治療を迷っているなら、まずはご相談ください。
また、病院の治療と併せて鍼灸治療をおこなうことが大切です。

2023年04月24日

起立性調節障害の原因

起立性調節障害の原因を東洋医学視点でみてみましょう。

東洋医学には陰と陽の考え方があり、「陰」は安静、沈静に働き「陽」は活動的と言う特徴があります。
それを自律神経に当てはめると、交感神経は陽、副交感神経は陰となります。

陰と陽はそれぞれがバランスを保つことで健康を維持できると言う考えで、これが崩れると不調が起こります。
起立性調節障害ではこの切り替えがうまくいかなかったり、どちらか一方が弱まっていると考えられます。
また、陰陽バランスだけでなく、湿邪の停滞やストレスによる「肝鬱」と言った状態でも起立性調節障害が発症すると考えられます。

起立性調節障害

 

自律神経の不調は病院のレントゲンやMRI、血液検査など画像や数値としては捉えられない疾患です。
東洋医学は見えないものも見ると言う考えなので、陰陽や邪気の存在などから原因を探ることができます。
非科学的に思えますし、実際に科学的根拠が無いと言う理由で東洋医学や鍼灸はその効果を証明しにくいのですが、目に見えるものだけが病気ではありません。

自律神経失調や機能性ディスペプシア、起立性調節障害、不妊症など原因不明と言われる疾患は数多くあります。
特に原因不明と言われたものや慢性病(発症から経過が長い疾患)などは鍼灸の得意とするところです。


起立性調節障害は陰陽バランスを整えたり、痰湿や肝鬱など体の気血の巡りを阻害しているものを取り除けば、自然と緩解すると考えられます。


2023年04月24日

起立性調節障害

起立性調節障害は立ちくらみ、動悸、目まい頭痛などの症状があらわれる自律神経失調の一種で、小学生~中学・高校生に発症しやすい病気です。
朝起きられず夕方になると元気になるという特徴がありますが、これは自律神経の調整がうまくいかないために起こるものです。

本来人間は夜寝ている時は安静モードの副交感神経がオンになっており、朝になると活動モードの交感神経に切り替わります。
しかし自律神経に不調が起こるとこの切り替えがうまくいかず、朝になっても安静モードの副交感神経優位のままなので起きることができず、交感神経にようやく切り替わるのは夕方になってしまう。
そのズレた活動モードのまま夜になるので、眠れず夜中遅くまで起きている。そうするとまた朝起きられない…と言う悪循環になってしまった状態です。

 

起立性調節障害の症状は立ちくらみや目まいだけではなく、過呼吸、食欲不振、吐き気、下痢、便秘、胃痛など自律神経支配のもの全てに影響がでるおそれがあります。
食欲不振や胃痛が続いているが、実は起立性調節障害だった…なんて言うことがあるかも知れません。

症状が続くときはまずは病院で診察を受けましょう。
病院での検査、診察、服薬などで治療を進めて、それでも症状が改善しない方が鍼灸治療にいらっしゃいます。
鍼灸治療と病院の診察と並行してすすめていくのが回復への近道です。

2023年04月24日

鍼灸+アロマセラピー

3月より本格的にスタートした「漢方アロマコース」ですが、おすすめは鍼灸治療と組合せた「鍼灸アロマコース」。

アロマトリートメントではほぐしきれない強い肩こりや腰の痛みを、最初に鍼灸治療でほぐしてからトリートメントを行います。
血行が改善し、筋肉がほぐれたところでトリートメントで老廃物を流すので、疲労回復やむくみの改善に非常に効果的です!

ちょこっと鍼灸とトリートメントを組み合わせたり、通常の鍼灸治療に短いコースのトリートメントを組み合わせるなど、お身体の状態や症状に合わせてお一人おひとりに合ったコースをご提案いたします。

アロマトリートメントはリラックス効果がとても高いため
・緊張感が抜けない。
・考え事や頭が冴えて夜眠れない。
・からだ全体に力が入ってしまう。
・休日にゆっくりしても、お風呂に入っても疲れが抜けない。
など、交感神経のスイッチがオフにならない症状に最適です。

 

使用しているオイルは漢方薬に使用される生薬が入っているエッセンシャルオイルで、肌に塗布してトリートメントで経絡に浸透させることで五臓の調子を整えます。
当店のアロマセラピー、オイルマッサージコースは地域相場より若干高めですが、使用してるオイルが普通のキャリアオイルや合成香料の精油とは全く違う、高品質のオイルを使用しているためであること、どうぞご了承ください。

 

予約サイトが鍼灸治療とアロマトリートメントで異なるため、鍼灸アロマはネット予約ができないので、LINEやお電話でお問い合わせください!

2023年04月24日

耳鳴り・難聴

耳鳴りはキーンやジーっと言う音が耳の中で聞こえている。
難聴は聞こえが悪くなったり、耳が詰まる感じがある。

そんなの当然じゃないか。と思われるかもしれません。
耳鳴りと難聴は症状こそ違いますが、発生するメカニズムや鍼灸施術の際のツボはほぼ同じです。

耳の周りを流れている経絡、これがストレスなどで流れが悪くなることで経絡の詰まりが起こります。
この経絡が詰まると、音が聞こえにくくなります。これが難聴。
経絡が詰まったことで、耳の中で音が反響すると耳鳴りになります。

中医学の観点からすると難聴と耳鳴りと言うのは、ほぼ同じ症状です。そのため、使うツボや施術方法もほぼ同じになってきます。

耳鳴りや難聴でお悩みの方はストレスや疲労感、肩こり、頭痛、不眠などの症状も同時に出ているのではないでしょうか?
耳の症状を軽くしていくと、その周辺症状も同時に軽くなる可能性もあります。

一度はり治療を試してみてください!

2023年04月24日

レンタルサロンはじめました!

完全個室の漢方アロマルームを、定休日にご希望の方にお貸しするレンタルサロンがスタートしました!

週末開業や副業、資格を取って練習場所を探している方にピッタリ!

水曜、金曜、日曜に1時間から借りられます。
完全個室なのでアロマトリートメントはじめ、リラクゼーションマッサージやエステに最適です。

詳しくはレンタルサロンのページをご覧ください!

2023年04月22日

妊娠中の方への治療

妊娠中で腰痛や肩こりがつらくて、マッサージをして欲しい!
でも妊娠中のマッサージって大丈夫なの?と心配になる方も多いと思います。

当院では妊娠中の方への鍼灸治療はおこなっておりませんが、マッサージはOKです

妊娠初期(~15週)までは注意深く経過を見守る必要がありますが、16週以降の安定期に入ってくればマッサージは可能です。
(15週未満でも、体調によっては可能です)

特に妊娠中期以降は骨盤周りが動くことで腰痛が出やすくなります。
肩こりがもともとある方だと、血行不良やホルモン変化により肩こりや頭痛が強く出ることがあるかもしれません。
妊娠中は頭痛薬など飲めないので、ガマンしてしまう方も多いかも知れませんが、筋肉の緊張をほぐすことで頭痛や肩こりが少し改善するかもしれません。

 

妊娠中のマッサージは腰痛は横向き、肩こりは座った状態で行うなど腹部に負担のかからない姿勢でおこないます。
横向きの時は右と左それぞれマッサージをしますので、途中で体位変換があります。

時間の目安は肩こりだけ、または腰痛だけなら30分。
全身の疲れなら60分となります。

お着替え不要なので、お気軽にご来院ください!

2023年03月27日

督脈と自律神経

督脈(とくみゃく)とは背中に走っている経絡の一つで、全身の陽に属する経絡を総督するため、督脈と呼ばれています。

自律神経系の治療で督脈上にお灸をすることが多いのですが、これがよく効きます。
ほんわかと温かく、寝てしまいそうになる気持ちよさがあります。

 

督脈は背骨の真上を走っているのですが、その背骨には図のように自律神経も分布しています。
脳から出た神経は、背骨に守られた脊柱管と言う中の空間を腰の下の方まで走行しており、督脈と自律神経の走行ラインは全く同じです。
そのため督脈にお灸をすると、自律神経に作用して体のバランスが整います。

誰かの気持ちを落ち着かせるときに相手の背中をさすったりしたことがあると思います。
それはこの自律神経を沈静化する作用があるためで、知らず知らずのうちに皆さんも督脈に沿って安静のマッサージをしていたんです。

自律神経のバランスが整うと言うことは自律神経失調症にも効果があると言うことで、自律神経の調整、リラックス効果、安眠、疲労回復、沈静など心と体の両面に作用します。

また督脈は全身の陽経をまとめる役割もあるので、ここにお灸をすると全身の経絡に陽気が巡るため、冷え性の改善、全身の血行促進、風邪予防、不妊症にも効果があります。


督脈のお灸はご自宅ではなかなか難しいかも知れません。
それでも症状や体質の改善のためには毎日背中を温めることが必要です。
そのような方のために、督脈を温めるオリジナルあずきカイロを販売しております。
首から背骨、仙骨までをしっかり温めるロングサイズのカイロで、背中全体をほどよく温めます。
これからの時期、おすすめのアイテムです!

2022年11月11日

自律神経失調症の治療

自律神経失調症の鍼灸治療ですが、陰陽バランスが崩れたことにより起こるので、その調整をおこないます。
陰が弱っていれば陰を補い、陽が弱ければ陽を補う、陽が強ければ取り除く…と言った具合です。

どのツボに鍼を刺したりお灸をするかと言うと…

①気海(おへその下指二本分くらい)にお灸。「気の海」の名前の通り気を補うことができます。お灸は温灸と言って熱くないお灸です。


②復溜(足の内くるぶしから指三本程上)に鍼を打ちます。ここは陰を補うツボです。
③合谷(手の親指と人差し指の間)に鍼。有名なツボですね。ここは気に対して万能なツボで、ここを補うと元気が出ます。
④三陰交(足の内くるぶしから指四本上)に鍼。これも有名なツボです。ここは血のトラブルに有効なツボで、婦人科系でよく使います。

それ以外では自律神経失調症の症状で一番つらい症状に対して、有効なツボを選んで打っていきます。
例えば頭痛なら後頭部の天柱や風池、耳鳴りなら聴宮、胃痛なら足三里など、人により症状はいろいろなので、使うツボも変わってきます。


自律神経の不調は陰陽バランスの崩れと言うのは前回書きましたが、「陰陽の偏衰、偏盛は己では戻れない」と言う言葉があります。
言い換えれば自律神経失調症は、自然に治すことは難しいとも言えます。

そういう意味でも自律神経失調症の治療は鍼灸、漢方薬が得意とするところで、鍼灸が最適なのです。

2022年11月11日

自律神経失調症

自律神経失調症は、特定の症状がでる疾患名ではなく自律神経が乱れることにより起こるいろいろな不調の総称と言っていいでしょう。
そのため、人により症状の出かたもさまざまです。

例えば頭痛、めまい、吐き気、だるさ、下痢、便秘、動悸、耳鳴り、体の痛み、緊張、過呼吸などなど数え上げるとキリがありません。
自律神経失調症は、人間の身体の自律神経によって制御されているすべてに悪影響が出ます。

自律神経失調症を東洋医学ではどうみるでしょうか?
東洋医学には陰陽と言う考え方があり、これは起立性調節障害でも書きましたが、交感神経が陽、副交感神経が陰と考え、陰陽のバランス=交感・副交感神経のバランスが乱れたものと考えられます。

陰陽バランスは東洋医学の基本にして最重要概念です。
その陰陽バランスを整えるのに鍼灸や漢方薬は最適です。

少し踏み込んだ説明をすると…
陽は気で、陽(気)が増えすぎると、のぼせ、目まい、頭痛、耳鳴り、多汗、吐き気、イライラ、過呼吸などの上半身に症状が出やすくなります。
逆に陽(気)が減りすぎると倦怠感、冷え、風邪をひきやすい、むくみなどの元気が出ないような症状が出ます。

 

陰は血や水分で、陰(水分)が増えすぎると下痢、むくみ、足の冷えや重だるさなどがあらわれます。
陰(血)が減りすぎると貧血、不眠、不安、冷え、不妊症などの症状があらわれます。

このように陰陽のバランスが崩れると現れる症状は、自律神経失調症の症状とピタリと当てはまります。

2022年11月11日

ディスペプシアとヨーグルト

ディスペプシアや胃痛、下痢などの胃腸症状が出ているときに特に気を付けて欲しいことがあります。
それは「冷たいヨーグルトを食べないこと」です。

ディスペプシアや胃腸症状にはヨーグルトの○○菌が効くとか、△△という成分が良いというのは間違いありませんし、医師からヨーグルトを積極的に食べてくださいと言われた方もいると思います。

しかし、ヨーグルトを食べないでほしい理由は二つあります。

一つは冷たいヨーグルトは胃を冷やすためです。
薬膳学においてヨーグルト(乳製品全般)は平性ですが、基本的に冷蔵庫で冷やした状態で保管されているため寒性になってしまいます。
食べるなら常温に戻してからにしましょう。
トッピングにも気を付けてください。
キウイやバナナは寒性の食材なので、冷えたヨーグルトにバナナを入れて食べたりしたら寒性の食材のW効果で胃は冷え切ってしまい、胃痛や胃の機能低下をさらに加速させてしまいます。

もう一つの理由としては「日本人の体質に合わない」というのがあります。
日本のように四方を海で囲まれた湿気の高い地域において、滋陰効果のあるヨーグルトは脾胃の動きを阻害する湿邪が溜まる原因となります。
ヨーグルトは乾燥しているヨーロッパの人々にはバッチリ合う食材ですが、日本人にはあまり合う人は多くないと思います。

日本人の体質に合う発酵食品と言えば納豆です。
納豆は去湿効果のある大豆が原料で納豆は温性に区分されます。
胃腸の湿を取り除き温める納豆は、ディスペプシアや胃腸症状が出ている方には最適な食材です。

ヨーグルトを否定しているわけではありませんが、ヨーグルトを2か月以上毎朝食べているけど症状が良くならない。という方は試しにやめてみてください。
知らず知らずのうちに冷えが溜まっているかもしれません。

2022年10月07日

突発性難聴、耳鳴の鍼灸治療

突発性難聴、耳鳴りは症状は違いますが、その発生メカニズムや原因はほぼ同じです。
そのため難聴と耳鳴りの鍼灸治療もほぼ同様となります。
原因が違う場合は治療法も異なりますが、ここでは耳の疾患でよく使うツボをご紹介します。

 

1.聴宮

 

耳にあるツボで、口を開けた状態で鍼を打ちます。
耳の中にズシーンと重い感覚(鍼の響き)がくるように打ちます。
難聴、耳鳴り、耳閉塞感など耳の治療では外せない、重要なツボです。

この鍼を刺した状態で30分程置いておきますが、その間10分に1回、鍼を回転させ響かせます。
この手技は当院の特徴で、他に紹介するツボにも全て同じやり方で治療します。

 

2.丘墟

 

足関節の外側にあるツボです。
耳からは遠く離れたツボですが、耳の周りには胆経と言う経絡が走行しており、胆経の走行は足まで伸びています。
耳と足のツボをつなぐことで耳の経絡を通します。

 

3.太衝

 

足の甲にあるツボで、体全体の巡りを調節する作用があります。
ストレスやイライラなど気持ちが不安定になると、体の巡りも不安定となります。
ビックリしたり怒ったりすると、呼吸が荒くなってドキドキすることがありますが、あれは巡りが不安定になった状態ですね。

太衝に鍼を打つことでからだの巡りを整え、気血が耳内に巡るようにします。

余談ですが、この太衝は過呼吸にも使えます。

 

突発性難聴と耳鳴りの治療に使うツボをご紹介しましたが、耳以外の周辺症状が出ていればそこに対応したツボに鍼を打ち、全身のバランスを整えていきます。

突発性難聴の治療は早ければ早いほど良いと言われますが、まずは耳鼻科での検査・治療を優先してください。
その上で鍼灸治療を耳鼻科の治療と併用しておこなう方が良いと考えます。

最初は1週間に2回の治療を続けて、鍼の効果を高めます。
それ以降は症状の変化により1週間に1~2回の治療を継続していきます。

2022年04月18日

突発性難聴と耳鳴

ある日突然聴力が無くなってしまう突発性難聴。
目まいや耳鳴りなどの前駆症状があることもあれば、前兆が全く無く突然耳が聞こえなくなることもあり、聴力の低下と一緒に目まいや頭痛が出る方もいれば、出ない方もいます。
原因不明と言われており、その後の回復に関しても3分の1は聴力が回復し、3分の1は少し難聴が残り、3分の1は聴力は戻らないと言われているなど、どのような経過をたどるかは人により大きく差が出る突発性難聴。
今回は、その突発性難聴と耳鳴について書いていきます。

 

突発性難聴と耳鳴は症状としては違いますが、東洋医学的には同じメカニズムで発症すると考えます。
耳の中や周りには経絡が走行しており、その経絡が詰まって音が聞こえなくなると突発性難聴。
経絡の詰まりにより耳の内外の音が反響して聞こえるのが耳鳴です。
一説には「耳鳴が悪化すると難聴となる」の記述もありますが、それは発生原因がほぼ同じだからです。

耳の経絡が詰まる原因はいくつかあり、
①ストレスや気持ちがふさぎ、経絡を塞ぐ。
②イライラや怒りで熱が耳の経絡に影響。
③体内の余分な水分や悪い血が溜まる。
④風邪のウイルス。
などです。

耳鼻科などで突発性難聴の原因として「ストレス」と言われることがあれば、①や②が要因です。
外傷による耳鳴や難聴は耳の中で出血しそれが溜まり血瘀と言う状態、メニエール病は内リンパ水腫が原因と言われているため③が近いと思われます。
おたふく風邪の難聴は突発性難聴ではなくムンプス難聴と呼ばれますが、これも邪気が耳の経絡に阻滞したためと考えます。

 

突発性難聴は予後の見通しが立てにくく、発症から3ヶ月経過すると症状固定となり、それ以上の聴力回復は難しいと言われてます。
しかし人によっては3か月以上経過したのちも治療を継続することで聴力が回復したケースもあります。

いずれにしても耳鼻科の治療と鍼灸治療を併用するのが良いでしょう。

2022年04月18日

不眠の鍼灸治療

当院の自律神経系の治療は全てそうですが、東洋医学的に体質を分類していきます。
①動悸やイライラ、目まいがあるか。
②頭に熱っぽさや目の充血があるか。
③食欲があるか。また下痢や便秘をしているか。
④イライラがあるか、脇腹のひきつりやノドの詰まる感じがあるか。
⑤胸やけや口の中に苦みや甘いような味がするか。

…など、いろいろな項目をお聞きし現在の体質がどうなっているかを診て、治療に入っていきます。

手足や頭のツボに鍼を打ちますが、その中のいくつかをご紹介します。

神門(手首の内側)

神の門と言う名前の通り、精神を安定させるツボです。
不眠症や不安など気持ちが不安定な時によく使うツボです。
ここに鍼を3~5mmほど打ちます。

印堂(眉間)

ここも精神を落ち着かせるツボです。
指でゆっくりと円を描くようにマッサージするのも効果的です。

三陰交(足のスネ内側)

内くるぶしの高いところから指4本上にある、婦人科系の特効穴。
ここは血を増やす作用があります。
東洋医学では血は精神を安定させる作用があると考えており、血を増やすことで気持ちを安定させ不眠症状を緩和させます。

 

この3つ以外にもいろいろなツボの組み合わせはありますが、特に神門は不眠症の鍼灸治療では必須のツボです。

仕事や普段の生活、また最近ではコロナや世界情勢など気持ちが暗くなるニュースが多く、不安やストレスで自律神経のバランスを崩す方も多くいらっしゃいます。
睡眠は疲れを取り、脳を休めて、体が回復する唯一の時間です。
その睡眠の質が悪いと、疲れが取れず考えもまとまらず、精神的にもきつくなってきます。

不眠でお悩みでしたら、病院の治療と並行して鍼灸治療を試してみてください。

2022年04月11日

不眠の原因

夜眠れず、日中の眠気で仕事や日常生活に支障が出ることを不眠症と言います。
鍼灸が適応の不眠症とは、病院の検査・診断で脳などに異常が無く、他の疾患による睡眠障害でないものとなります。
睡眠時無呼吸症候群や脳の損傷などの不眠症は、病院での治療を優先していただいています。

 

不眠にはいくつかの種類があります。
①寝つきが悪い。
②夜中に目が覚める。
③早朝に目が覚める。
④眠りが浅くウトウトとしか眠れない。

いずれも朝起きたときにグッスリと眠った気がせず、起床時に既に疲れや倦怠感があります。
質の良い睡眠を取れていないので、時間は寝ていても寝不足になってしまいます。

 

鍼灸治療で不眠を訴える方の大半は、イライラや不安、ストレスなど気持ちが落ち着かないことが多いようです。
また耳鳴りや体の痛み、冷えすぎやのぼせ(ほてり)など、体のほかの部分の症状が気になって眠れないと言うこともあります。
その場合は眠りを妨げている症状を取り除くことが近道となります。

耳鳴りは夜や静かな場所になるとキーンと言う高音の耳鳴が強くなり、耳鳴りと不眠症はセット出ることが多い傾向にあります。

不眠は神経の興奮が治まらないために起こるので、トゲトゲになっている神経を鎮めるように治療を進めていきます。

2022年04月11日

肩こりに効くのは鍼?マッサージ?

肩こりや腰が痛いとき、どんな治療や対処法があるでしょう。
ストレッチ、マッサージ、はりきゅうのそれぞれの特徴を説明します。

①ストレッチ
血行不良で縮こまった筋肉をゆっくりと伸ばして、元の柔軟性を取り戻す方法です。
最も手軽ですぐにできるセルフケアで、デスクワークなどで同じ姿勢が続いた場合、伸びをするのもストレッチの一つです。
コリが強すぎる場合は伸ばした筋肉が引っ張られ痛みを出す場合もあるので注意しましょう。
また筋肉の構造や関節の硬さにより、目的の筋肉が伸ばせなかったり別の筋肉を伸ばし過ぎたりしてしまことがあります。

②マッサージ
筋肉を圧迫したり揉むことで外力により硬くなった筋肉をほぐす方法です。
最も一般的で肩こりや腰痛の治療で真っ先に思いつくのがマッサージではないでしょうか?
リラクゼーション効果もあるので、肩こりだけでなく心身ともに癒されます。
皮膚を押すことで筋肉にアプローチするのでコリが強かったり、奥の筋肉が痛みを出していると、その分チカラが必要となり筋繊維を痛めることもあります。

 

③はりきゅう
細い鍼で直接筋肉を刺激し、痛みを抑え血行を改善させます。
上の図のように筋肉は二層構造となっており、深いところに肩甲挙筋や菱形筋、板状筋と言う筋肉があり、その上に僧帽筋が背中の上半分を覆うようについています。
肩こり首こりの原因が深いところの板状筋や肩甲挙筋だった場合、マッサージだと僧帽筋をグッと押してその下の深い筋肉に圧を入れないといけませんが、鍼は一気に深部の筋肉に届きます。鍼はとても細いので、ピンポイントで刺激を入れることができるので実はマッサージより痛くない場合がほとんどです。
硬い筋肉に鍼が届くと、筋肉がびっくりしてズーンと重い鈍い感覚を出します。
これが「鍼の響き」と言うもので、筋肉の硬さに比例し響きが強くなります。
肩こりや腰痛が強いほど響きが強くなりますが、その分効果も高くなります。

 

鍼は緊張性頭痛にとても効果的です。
緊張性頭痛は前頭筋、側頭筋、後頭筋のコリにより引き起こされ、おでこの頭痛は前頭筋、こめかみの痛みは側頭筋、後頭部の頭痛は後頭筋が原因です。
これらの筋肉は頭蓋骨にペタッと張り付いているため、とても薄くマッサージで力を入れると痛みやすいので、細い鍼は頭部の筋肉をほぐすのに最適です。

頭に鍼を打つのは怖いと思われるかも知れませんが、この筋肉の下は頭蓋骨なので、鍼がそれ以上に入っていくことは絶対なく、逆に最も安全に鍼が打てる場所でもあります。


肩こり、腰痛、緊張性頭痛に対する治療法として3つを挙げてみましたが、直接筋肉にアプローチできる鍼が一番効果が高いので、つらい肩こり、腰痛、頭痛でお悩みの方は、ぜひはり治療を受けてみてください!

2022年03月22日

自律神経と肩こり

最近肩こりがひどいなー、頭痛もあるし肩こりから来てるのかな?
実はその肩こり、自律神経から来ているかもしれません。

肩こりはおもに僧帽筋の血行不良により筋肉が固くなってあらわれます。
スーパーで買った肉は新鮮な時は赤く弾力がありますが、数日すると黒く変色して硬くなりますよね。血が通わなくなったためです。
それと同じ現象が人間の身体でおこると肩こりや腰痛と言った筋肉の硬さや疲れ、コリと言った症状となります。

 

肩こりは同じ姿勢を続けているとなりやすいですが、自律神経の乱れでもおこります。
例えば緊張やストレスで無意識に力が入ったと言うことは経験があると思いますが、「緊張でカチカチになっちゃった」と言うのはこういう状態です。

一時的な物であればすぐに血行は回復し筋肉の硬さも元に戻りますが、長期にわたりストレスや緊張状態が続くと常に力が入り続けて血行不良となります。
僧帽筋の硬さや噛みしめが後頭部や側頭部(こめかみ)に影響すると、締め付けられるような緊張性頭痛を引き起こします。

逆に肩こりが自律神経に影響を与える場合もあります。
自律神経は首から骨盤まで背骨に沿ったライン上にあり、そのスタート地点に最も近い首がガチガチに固まると、それより下の自律神経もうまく作動せず、食欲不振や息苦しさ、下痢や便秘と言った症状が出ることもあります。

自律神経の乱れから肩こりになる場合もあれば、その逆もあるのです。

多くの方が肩こりを感じていますし、病気やケガではないのでついつい軽く見てしまいがちな症状ですが、このように自律神経にも影響するのでたかが肩こり、されど肩こり。あまりガマンしすぎないでください。

肩こりから頭痛がきたり、肩こりが痛みとして感じたら要注意。
すぐに治療しましょう。

2022年03月22日

オリジナルあずきカイロ販売!

鍼灸治療の効果を自宅でも出せないかと考え、作りました。
オリジナルあずきカイロ!
背中やお腹に乗せて温めるカイロです。

普通のカイロや市販品との違いなどをお伝えしていきます。

 

あずきカイロとは?
あずきに含まれている水分を利用し、温めた際に出る天然蒸気を利用したエコカイロのことです。

オリジナルあずきカイロの特長
①長い!
長さ77㎝、幅12㎝で、市販のあずきカイロより長いのが特長です。
これは背中に乗せたとき、首元から尾骨までカバーできるようにしたためです。

 

絵のように、自律神経は脳から出て背骨の中を尾骨まで走っており、それぞれの高さに対応した内臓の調節を行っています。
心臓や胃腸のように自分の意志で動かせないものは全て自律神経により支配されています。
自律神経の調整や治療では背中に鍼やお灸をやることが多く、非常に重要な場所となっています。
また背骨には督脈(とくみゃく)と言う経絡が走っています。
この督脈は「全身の陽の海」と言われており、陽気(温めたり活動する気)を司っていると言われるので、督脈を温めることで全身に陽気を送ることができます。

西洋医学、東洋医学のどちらから見ても背中はとても重要な治療点になっているため、そこをカバーできるようロングサイズのカイロとなっています。

 

②ほど良い熱さ
あずきの水分を利用して温めるので、最初は熱いと感じても徐々に冷めてきます。熱さは15~20分ほど持続しますがいずれ冷めます。
温め続ければ良いというわけでも無いので適度な時間で冷めてくれます。
そのため低温やけどの心配も減りますし、乗せたまま寝てしまっても危なくありません。

温めるのがいいなら、お風呂に入ればいいじゃん。と思われるかもしれません。
しかし温度が違います。
お灸の温度は約60℃くらい。
あずきカイロも同じくらいの温度です。
しかし、60℃のお風呂にはいれるでしょうか?大やけどしてしまいますね。
逆にお灸やカイロが42℃くらいだととてもぬるく感じるはずです。
60℃の熱感を局所に入れられるのがメリットです。

 

③ほどよく重い
長さのある分、重さもあります(約780g)。とは言え、重さは分散するので気にならないと思います。
この長さと重さで足に乗せたときも膝裏や足の裏にもしっかりあずきが乗っかり、肌とあずきの間に隙間ができません。

 

オリジナルあずきカイロは鍼灸治療で行う「督脈通陽法」という灸法をヒントに作りました。
自律神経の調整には必ず使う灸法で、他にも疲労、冷え、不眠、生理不順、生理痛、胃腸障害など、さまざまな疾患に効果があります。
ご自宅でも養生法の一つとして取り入れてみてください。

眼精疲労に効果のある目元用あずきカイロ(1,300円)もあります。


1個3,500円(ロングサイズ)
院内で販売中です。

 

2021年06月14日

HSPと鍼灸

最近よく耳にしたり 見かけたりする「HSP]というワード。

ひといちばい繊細で人の気持ちや
光・音・においなどの刺激に 敏感な人たち のことを言うそうです。

病気ではなく 環境や周囲の出来事に対して 敏感に反応してしまう気質 を言い、人口全体の約20%、 5人に1人いるとされています。

共感力が高く、 人の影響を受けやすいので、 疲れやすかったり、ストレス性の症状が 出やすかったり、うつの発症率も 高いそうです。

HSPはその方の気質なので それ自体を治すことは難しいですが それによって起こる症状を 鍼灸で改善することはできます。

例えば…
疲れやだるさ
気持ちの落ち込み
イライラ
お腹の不調
首や肩・背中の痛み
頭痛やめまい
などは、ストレスが原因で起こる 典型的な症状です。

他の人が気にならない些細な事でも ものすごく気になってしまったり 悩んでしまったりするHSPの方は 当然ストレスも受けやすく 心とからだのバランスも崩しやすいです。

でもそれはあなたが悪いのではなくて たまたまそういう性質なだけ。 だから自分に合った生活ができるように 働きかたや生活を工夫したり、 自分のことをよく知って 上手に扱ってあげればいいと思います。

そして受けたストレスが症状として からだに出てきてしまったなら 心療内科や鍼灸・漢方薬などに 上手に頼って、バランスを取るのを 手伝ってもらえればいい。

今の社会で HSP気質を抱えて生きていくのは 本当に大変だと思います。

毎日を穏やかに 楽しく過ごすことが出来る様、 鍼灸が役立てば とてもうれしいです。

 

2021年04月06日

更年期の症状

更年期障害は目まい、動悸、イライラ、発汗、のぼせや冷えなど自律神経失調症とほぼ同じような症状が出ます。
閉経前後はホルモンバランスが大きく変化し、体調にも影響を与えます。

更年期は様々な症状が現れますが、その原因は自律神経の乱れにあります。
ホルモンバランスは自律神経によって支配されています。自律神経が乱れるとホルモンバランスも崩れ、結果として更年期障害の症状が重なり合ったり強く出たりします。

更年期の症状を緩和するのに鍼灸が有効ですが、鍼灸が苦手な方にはアロマトリートメントがお勧めです。

当店の自律神経漢方アロマトリートメントは、自律神経の走行している背骨をメインに施術を行います。
背骨の真上には「督脈」、その両脇は「膀胱経」という経絡が流れており、その経絡に沿って流すようなトリートメントを行うことで気血の巡りを改善します。

 

また膀胱経には各臓腑に対応したツボ「兪穴」があり、鍼灸でも内臓の不調や調整のたびによく使うツボが並んでいます。
このツボを刺激することで各臓腑の活性化を促します。

東洋医学では気血の運行は各種症状の原因と考えており、気が詰まれば息苦しさや張るような痛み、血が滞れば刺すような痛みや腫れ、気が巡りすぎると過呼吸や動悸、血が巡りすぎると出血(鼻血)やのぼせなどが現れます。

鍼灸もアロマトリートメントも方法は違いますが、気血の流れを整えて陰陽(自律神経)のバランスを整えるという目的で施術を行います。
治療効果としては鍼灸治療の方が上ですが、アロマトリートメントはリラクゼーション効果もあるので疲れを取りたい、ゆっくり休みたい方にお勧めです。


2019年03月30日

不眠

不眠はいくつかパターンがあります。

①寝付けない
就寝時に横になっても、なかなか眠れない。眠れないと明日も仕事なのに、早く寝ないと・・・と考えるとますます眠れなくなる。

②夜中に目が覚める
寝つきは良いけど、夜中に目が覚めてしまう。トイレに行きたくなったり、腰や背中の痛みで目が覚めてしまうこともあるかも知れませんが、特にそうではなく自然と目が覚めてしまう。

③昼夜逆転
夜眠れない分、昼間に猛烈に眠気が襲い昼寝をしてしまう。そしてまた夜眠れない。

④眠りが浅い
寝ているけどウトウトしている状態で、朝になってしまう。ぐっすり寝ていないので疲れも取れず昼も眠気が残る。

いずれも不眠と考えて良いと思います。
よく睡眠は時間ではなく、質が大事と言いますが、その通りです。④などは8時間寝ていても疲れが取れないのであれば、やはり良い睡眠とは言えません。

睡眠は自律神経のバランスが崩れた状態です。
夜、自律神経が鎮静の方向に持っていけないので、脳も体も休まりません。
不眠の方で貧血気味や疲労がたまりすぎの場合もあります。

治療では頭の周囲や足、眉間に鍼を打つことが多く、鍼を浅めに打つだけでも副交感神経を高める働きがあるので、鍼を打っている間に寝る方も多いです。

眠れないのが続くのはつらいですよね。

鍼を受けたあとは、ゆっくり眠っても大丈夫な時間を作って治療を受けてください。

2019年03月30日