気機の調整=自律神経の調整
東洋医学に「気機(きき)」という言葉があります。
気機とは全身を巡っている「気の流れ」のことを言います。
気がスムーズに流れていれば「気機が巡っている」と言いますし、気の流れが渋滞していれば「気機が阻滞している」などと表現します。

気の流れと聞くといまいちピンと来ないかもしれませんが、誰しも日常から気機を自分で調節しながら暮らしています。
その一つが「深呼吸」です。
集中して仕事や勉強をしたり手に汗握る映画やドラマを見ているとき、人は無意識に呼吸が浅く、少なくなることがあります。ホッとした瞬間に大きくため息をついたり、大きく息を吸い込んだりしますが、これは気機を自分で調整しているあらわれです。
深呼吸で深く息を吸い込むとスッキリするのは体内で気が巡り気機の阻滞が解消するためです。
ヨガや運動、発声練習の時に意識する「腹式呼吸」も気機調節の一つです。
腹式呼吸は息を吐くときはお腹をへこませ、息を吸うときはお腹を広げるイメージでおこないますね。
西洋医学の観点からも腹式呼吸は自律神経の調整やリラックス効果などが認められています。
気機が正常に巡っていれば不調がおこることはあまりありませんが、気機の巡りに異常があると過呼吸、息苦しさ、動悸などの症状があらわれます。
東洋医学では気機の調整は治療の中でも重要な位置づけで、気機を調整することが自律神経の調整にもつながります。
気機を整える方法はいくつかあり、深呼吸や腹式呼吸、有酸素運動などは自分でできる気機調整の方法です。
鍼灸は気機調整にはとても有効な手段で、最も適している治療法でもあります。
そのため過呼吸などの症状に鍼灸はとてもよく効きます。
パニック症状などで過呼吸がでやすい、息の吸いづらさなどがある方はぜひ一度鍼灸を試してみてください。