痛みの続くギックリ腰

季節の変わり目はギックリ腰の患者さんは増える傾向にあるのですが、今年は6月から7月にかけてギックリ腰の方が多くいらっしゃいます。
ギックリ腰は痛めてだいたい2~3日ほどで炎症が治まり、徐々に痛みが引いていきます。

しかし1週間近く痛みが引かなかったり、横なっていても急に痛みがズキっと走ったり、かと思えば立っていても痛みが出ないこともあったりと、痛みにムラがあるタイプのギックリ腰があり、このタイプのギックリ腰はインナーマッスル(深層筋)である腸腰筋を痛めた可能性があります。

腸腰筋とは、大腰筋と腸骨筋という二つの筋肉の総称です。
腰の筋肉の一番深い部分にあり骨盤の裏(内臓側)を走行しているため、表面から触れることがとても難しい筋肉です。
また最下層の筋肉なので、シップの効果も届きにくく治るのに時間がかかります。

厄介なのはこの腸腰筋、姿勢維持に関係する筋肉なので寝ていても痛むのです。
脊柱起立筋や仙腸関節と言った場所のギックリ腰の場合、安静にしていれば痛みは治まることが多いのですが、腸腰筋を痛めた時は痛みが安静時、動作時関係なくズキっときます。

この腸腰筋ギックリ腰の(ほぼ)唯一の治療法が鍼です。
2寸(6cm)の長めの鍼を使えば深層筋まで刺激を届けられるため、指では届かない筋肉を緩めて血行を改善させることができます。

腰を痛めてから3日経過するけど痛みが全く変わっていない、1週間経過しても痛みが半減しない、寝ていても急にズキンと痛みが走ってつらい。
このような時は腸腰筋のギックリ腰を疑い、腸腰筋に鍼を打ってもらいましょう。

 

腸腰筋のギックリ腰の治癒期間は約2週間。
最初の1週間はほぼ痛みが変わらない状態が続き、日常生活動作で痛みが出にくくなったり動けるようになるのに2週間。
運動や筋トレをできるようになるには3~4週間ほど必要です。
痛みが治まったからと言ってすぐに運動をすると、確実にぶり返しますのでしっかり休めてからにしましょう。

 

2023年07月14日