機能性ディスペプシアの治療②

ディスペプシアは胃の不調が長期に渡り食べられない、膨満感、ガスが溜まる、胃痛や腹痛などつらい症状が続きます。

胃腸機能が極端に低下して消化吸収作用も落ちているので、薬を飲んでもその成分が吸収されずイマイチ薬が効いていないと言うことも多々あります。
ディスペプシアの場合、胃自体に問題はなく胃腸を動かす自律神経に問題があることがほとんどで、自律神経の調整をメインに治療をおこないます。

自律神経の鍼灸治療は交感神経の興奮を鎮めることを目的におこおないます。
交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキとたとえられますが、実は自律神経を調節するのは交感神経の興奮を鎮めることしかできません。
つまりブレーキを踏むのではなく、アクセルを緩める治療です。

人は力を入れたり力を抜くことはできても、がんばってリラックスすることはできません。
一生懸命リラックスするよう努力する人はいませんよね?
ほとんどの人は力を抜く(アクセルを緩める)ことでリラックス状態を作り出します。

しかし、ストレスや緊張などが過度になるとアクセルを緩めることができなくなりなり、体が戦闘態勢を解除できなくなります。
動物は戦闘態勢や危険な状況では眠ったり食事をすることはありません。
それが不眠や食欲不振と言った症状につながり、ひどくなると機能性ディスペプシアや自律神経失調症と言った疾患を引き起こします。

ディスペプシアの鍼灸治療は自律神経を整えることが大切で、鍼やお灸で体にやさしく刺激を入れることでその緊張状態を緩和、リラックスモードに変えていきます。

 

鍼灸治療中に眠くなることがありますが、それは交感神経の興奮が抑えられリラックスした状態になったためです。
治療の回数を重ね、その状態を体が思い出してくれたら症状も緩和していきます。

ディスペプシアの治療は時間がかかります。
1回、2回では効果は感じられないと思いますが、続けていくことで不調を改善できるので大変ですが、鍼灸を信じて通ってみてくださいね。

2023年11月09日