訪問リハ・マッサージと訪問鍼灸の違い

訪問鍼灸と訪問リハ・訪問マッサージの違い

ご自宅へ伺い各種療法を受けられる訪問サービスには訪問鍼灸・訪問リハビリ・訪問マッサージがあり、何をするのか違いが分からないと言うご意見をいただくことがあります。

訪問鍼灸・訪問リハ・訪問マッサージの特徴を見ながら、それぞれの違いをお伝えします。
訪問看護は療法では無いので除いています。

共通
・ご利用者様のご自宅、高齢者施設、病院などへ伺い各種療法をおこなう。
・いずれも国家資格。

訪問リハビリ
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がご利用者様のご自宅、高齢者施設などへ伺い歩行、寝返り、立ち上がりなどの機能訓練や食事、排泄などの生活動作訓練、言語機能・嚥下機能の訓練などをおこないます。
低下した運動機能の維持、向上を目的としたリハビリテーションがメインとなります。

訪問マッサージ
あんま・指圧・マッサージ師がご利用者様のご自宅、高齢者施設などへ伺い、筋肉拘縮や麻痺の予防・解消のためのマッサージをおこないます。
寝たきりや骨折などで寝ている時間が長くなると血行不良による褥瘡や関節の拘縮などがあらわれるため、マッサージで血行を改善し筋肉をほぐし関節運動などで拘縮を予防することがメインとなります。


訪問鍼灸
はり・きゅう師がご利用者様のご自宅、高齢者施設、病院などへ伺い、鍼灸施術をおこないます。
肩こり、腰痛、神経痛などの体の痛み、吐き気、動悸、息苦しさ、食欲不振などの自律神経症状、不安感やイライラ、不眠などメンタルの症状など広範囲の症状に対応できることが特長です。

鍼灸と言えば肩こり腰痛への施術や美容鍼などが思い浮かぶと思いますが、そのポテンシャルはとても広く深いものになります。
例えばがん性疼痛への緩和ケアとして緩和ケア病棟で鍼灸が用いられることがあり、薬剤の副作用による吐き気や便秘、食欲不振にも鍼灸が効果を発揮します。

既に服薬されている方が抱える症状に対しさらに薬を追加することなく症状を緩和でき、副作用が無いのが鍼灸の利点です。

高齢者や体力が大幅に低下している方には鍼を刺さず皮膚への接触刺激をおこなう「てい鍼」や、熱さを抑えやけどや水ぶくれ予防に優れた温灸などを使用することで、どのような症状の方にも安全に施術を受けていただくことができます。


まだまだ知名度の低い「緩和ケア鍼灸」ですが、一部の大学病院やがん研究センターなどでは導入されており、その効果も実証されています。
ご自宅で療養されている方に緩和ケアの一環として鍼灸施術と言う選択肢があることを知っていただきたいと思っています。

緩和ケア以外の通常の訪問鍼灸施術もおこなっているので、自律神経症状や体の痛み、メンタルの不調でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

2025年04月17日