突発性難聴と耳鳴

ある日突然聴力が無くなってしまう突発性難聴。
目まいや耳鳴りなどの前駆症状があることもあれば、前兆が全く無く突然耳が聞こえなくなることもあり、聴力の低下と一緒に目まいや頭痛が出る方もいれば、出ない方もいます。
原因不明と言われており、その後の回復に関しても3分の1は聴力が回復し、3分の1は少し難聴が残り、3分の1は聴力は戻らないと言われているなど、どのような経過をたどるかは人により大きく差が出る突発性難聴。
今回は、その突発性難聴と耳鳴について書いていきます。

 

突発性難聴と耳鳴は症状としては違いますが、東洋医学的には同じメカニズムで発症すると考えます。
耳の中や周りには経絡が走行しており、その経絡が詰まって音が聞こえなくなると突発性難聴。
経絡の詰まりにより耳の内外の音が反響して聞こえるのが耳鳴です。
一説には「耳鳴が悪化すると難聴となる」の記述もありますが、それは発生原因がほぼ同じだからです。

耳の経絡が詰まる原因はいくつかあり、
①ストレスや気持ちがふさぎ、経絡を塞ぐ。
②イライラや怒りで熱が耳の経絡に影響。
③体内の余分な水分や悪い血が溜まる。
④風邪のウイルス。
などです。

耳鼻科などで突発性難聴の原因として「ストレス」と言われることがあれば、①や②が要因です。
外傷による耳鳴や難聴は耳の中で出血しそれが溜まり血瘀と言う状態、メニエール病は内リンパ水腫が原因と言われているため③が近いと思われます。
おたふく風邪の難聴は突発性難聴ではなくムンプス難聴と呼ばれますが、これも邪気が耳の経絡に阻滞したためと考えます。

 

突発性難聴は予後の見通しが立てにくく、発症から3ヶ月経過すると症状固定となり、それ以上の聴力回復は難しいと言われてます。
しかし人によっては3か月以上経過したのちも治療を継続することで聴力が回復したケースもあります。

いずれにしても耳鼻科の治療と鍼灸治療を併用するのが良いでしょう。

2022年04月18日