アトピー性皮膚炎と鍼灸①

アトピー性皮膚炎(以下アトピー)は皮膚の乾燥、発赤、滲出液などの炎症が起き、耐え難い痒みが主症状で、季節や天候などにより症状の増悪と寛解を繰り返し長期に渡り症状が続き難治性の疾患です。

アトピーは肌に症状が現れますが、その原因は体の中にあることが多くあります。

①肌の赤み、乾燥
肌の発赤や乾燥が強く出るのは体内に熱がこもっている状態で、これを内熱と呼びます。
気や血の巡りが悪く体内の一部分に留まると、気は気滞、血は血瘀と言う状態になりだんだんと熱を帯びてきます。
その状態が解除されずさらに熱が強くなると発赤や乾燥と言った症状となり皮膚に影響が及びます。

②滲出液
体の中の余分な水分、痰湿が停滞している状態です。
これも停滞が長期になると熱を持ち、皮膚にあふれ出します。

③皮膚の苔癬化
掻くことで肌が傷つき皮膚のバリア機能が低下した状態です。
皮膚表面は衛気と呼ばれる気のバリアがあり、これが外からの邪気を防いでいると考えられています。
衛気の働きが弱くなると風に乗り邪気が体内に入り風邪を引きやすくなります。

 

アトピーの原因は西洋医学ではアトピー素因やアレルギーと考えられますが、東洋医学では「隠疹」と呼ばれ体内の気血の滞りや肝・腎・脾の機能の低下と考えられています。
またストレスや悩みなども隠れた原因として考えられており、心因的な問題が体内の気血の巡りを阻滞させている場合もあります。

2023年05月02日