機能性ディスペプシア(胃腸症)

機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)は、胃自体には異常が無いのに胃もたれや膨満感、胃痛などの症状がでる病気です。

内科や消化器科、心療内科などにかかってもなかなか症状が良くならない方が最終的に鍼灸を頼っていらっしゃることが多いです。

西洋医学では症状のある部位を診ますが、東洋医学は体全体を診て、バランスがどう崩れているかをみます。
ディスペプシアは胃単体で見ると異常がありませんが、体全体を診るとストレス・冷え・疲れなど、胃に影響を与えそうな要因が存在します。

「その要因を取り除いてあげると、もともと異常の無い胃は元通りに活動を始め、ディスペプシアの症状が緩解する」というのが、鍼灸でディスペプシアの症状が軽減する理由です。


日本人は胃腸が弱い方が多いですが、これは胃腸の働きを悪くする「冷え」と「余分な水分(湿)」を体質的に溜めやすい傾向にあるからです。
ディスペプシアの方も多くの場合冷えがあり、食事をあまり摂れないためエネルギー不足となっています。エネルギーが不足すれば体は更に冷えるので、どんどん胃の動きが悪くなり、食事が取れなくなる…という悪循環に陥ります。
胃の動きが悪くなると胃腸の気も動かなくなるため、張ったような痛みや痞える感じが出てしまいます。

冷えがあればお灸で温め、気が滞っていれば鍼で胃腸のツボを刺激してからだの巡りを整えることで、徐々に胃の動きが回復してきます。

回復するまではそれなりに時間がかかり、残念ながら1回2回の治療ですぐには治りません。
当院の場合ですと個人差はありますが3ヶ月ほどで症状が緩和し始め、6ヶ月程度で治癒する方が多いです。

機能性ディスペプシアのように慢性化してしまった症状を動かすのは容易ではありませんが、根気強く治療を続ければ治る可能性が十分にあります。

なかなか良くならずにお悩みの方は、ぜひ鍼灸治療を試してみてください。

2023年11月07日