更年期障害

更年期とは閉経の前後5年(約10年間)の期間をさし、その時におこるさまざまな症状を更年期障害と呼びます。
閉経の年齢は個人差が大きいですが、平均して40~50代で閉経を迎えます。

 

更年期の症状

のぼせ、ほてり、ホットフラッシュ、多汗、目まい、頭痛、倦怠感など身体の症状のほか、不安やイライラ、倦怠感、うつなど心理的変化もみられます。

更年期の症状は自律神経失調症の症状とよく似ており、この年齢で現れる自律神経症状を更年期障害と言われることもあります。

 

東洋医学で考える更年期

東洋医学で「閉経」とは月経の停止が3ヶ月を越えた状態の事を言い、ストレスや病気などで生理が3ヶ月以上空いている時は閉経と呼び、腎の機能が衰え月経が完全に停止することを「絶経」と呼びますが、ここでは分かりやすく全て「閉経」で統一します。

 

これは腎気の盛衰を表すグラフで、腎気は28歳をピークに下がり始め49歳(7×7)で生殖能力のラインを割ります。
この前後が更年期の症状が出やすい年齢ですが、初潮が早かった人は腎気のグラフも前倒しとなり更年期も早くなることがあります。

腎は陰陽の根本とされており、腎陽は体や内臓を温め巡らす作用があり、腎陰は内臓や組織を潤し滋養する作用があります。
陰陽は本来ふたつが協調して存在しバランスを保っていますが、どちらかが急激に増減するとバランスが崩れ体調不良として症状があらわれます。

体を温める腎陽が減ると冷え、むくみ、倦怠感、うつなどの症状が出ますし、体を滋養する腎陰が減るとのぼせ、ホットフラッシュ、イライラ、めまいなどの症状があらわれます。

女性は生理があるため血虚(陰虚)になりやすく、更年期には熱症状を主とする多汗やほてり、ホットフラッシュなどの症状を訴えることがあります。

 

更年期症状の鍼灸治療

陰陽のアンバランスが症状を引き起こしているので、症状やお体の状態を確認し陰陽どちらが多くてどちらが少ないかを診て治療を行います。

陽気が少ない時はおヘソ付近の神闕や気海と言うツボをお灸で温めて気を補う治療を、陰液が少ない時は鍼で足の復溜や三陰交と言った陰液を補充するツボへ治療を行います。

 

その他、出ている周辺症状に合わせて治療を行います。

 

治療間隔と頻度

毎日のように動悸が出たり、息苦しさがある、眠れないなど症状が強く出ている時は1週間に1回のペースで治療を行います。

時折ホットフラッシュで汗が出るとかたまに目まいがするなど、そこまで症状がひどくない時は10日~2週間に1回ほどの治療間隔になります。

症状によっては漢方薬を併用すると良い時もあるので、漢方薬の提案も致します。

更年期の症状はホルモンバランスの変化が原因なので、ある程度時間が経過しないと症状が落ち着かず、いつ終わるのかも個人差が大きく一概には言えませんが、あまりに症状がつらい時は鍼治療がお役に立てると思います。