思春期の自律神経の乱れ


自律神経は呼吸、心臓の鼓動、胃腸の動き、血流量の調整など自分の意識ではコントロールできない部分を自動で動かしてくれる神経です。
呼吸や心臓の動きなどは生命維持に直結するもので、自律神経は基本的には丈夫にできており簡単に乱れたりすることはありません。
しかし過度なストレスや長期に渡る疲労、環境や気候などの大きな変化、ホルモンバランスにより自律神経の働きが乱れることがあります。
簡単に乱れることのない自律神経は不調になると簡単に戻ることもありません。

自律神経の乱れによって起こる過呼吸、動悸、便秘や下痢、貧血などの症状が起こるのが自律神経失調症で、自律神経の乱れは年齢問わずあらわれ、思春期の子供が発症すると起立性調節障害と言う疾患名になります。

起立性調節障害(OD)は朝の倦怠感、吐き気、めまい、動悸などがあらわれ起床すると症状が強くなります。
しかし午後から夕方にかけて回復してくるのが特徴で、これが自律神経失調症との大きな違いです。

起立性調節障害は原因の特定が難しく様々な要因が考えられていますが、東洋医学の考え方では気血が昇らず落ちてしまう「中気下陥」に似ています。
中気とはお腹の気のことで、下陥は下に落ちる(陥没する)ことで、内臓下垂や脱肛などの症状があらわれる症候名です。
お腹の気が昇らないばかりか、お腹で留まれないので気血が下に落ちてしまい急激な貧血や目まい、動悸などが出ると考えると、中気下陥と起立性調節障害はとても良く似た側面があります。

 

当店では中気下陥に対する鍼灸施術を起立性調節障害の施術に応用し、本来は鍼灸でおこなう施術を鍼を使わないでも対応できるようにしています(効果は鍼灸施術の方が高くなります)。

中学から高校生くらいまでの思春期に多い疾患ですが、鍼に抵抗のあるお子様や鍼を受けさせることが心配な保護者の方にも安心して施術を受けていただけるようにしています。

通院の目安は1~2週間に1回で、症状が強い時は1週間に1回が目安となります。
早ければ数回の施術で効果を感じていただけますが、個人差があり数か月単位でかかる場合もあります。


鍼灸は起立性調節障害に対応できる数少ない療法なので、ODでお悩みの方は症状や施術内容に関するご質問や問い合わせのみでもお気軽にご相談ください。

2025年04月04日