機能性ディスペプシアの原因

機能性ディスペプシア(機能性胃腸症・FD)の原因を東洋医学の観点からみると、主に5つの原因に分けられます。

①冷え
②疲労、エネルギー不足、胃腸の疲れ
③ストレス
④余分な水分が溜まり過ぎている
⑤不摂生、不規則な食事

①冷え
胃腸が冷えると胃腸の動きが悪くなり、消化吸収や蠕動運動に影響が出ます。
手足の冷えだけでなく、男性では下痢、女性だと月経不順や生理痛などの症状が強く出ることもあります。
腰から足にかけて冷え切ってしまい、お風呂に入っても温まらないこともあります。

②疲労
仕事での過労や手術後、大きな病気をした後や体調不良が長期に続くなど、体全体のエネルギーが不足することでディスペプシアを発症することがあります。
胃自体の疲れもあります。間食のし過ぎが続いたりすると胃は常に働き続けなければいけませんし、食事の時間が不規則だと胃が休んでいる時に突然食事が入ってきて、胃は無理やり働かせられます。
そうすると胃が疲弊し動けなくなり、ディスペプシアとなることがあります。

③ストレス
精神的な刺激を受け続けると胃腸を壊すのは良く知られていますが、同じ原因でディスペプシアにもなることがあります。
ストレスはエネルギーを消耗するので、②の疲労とも重なり精神的疲労+身体的疲労が加わり症状を悪化させます。
またストレスが継続的にかかっていると、服薬や治療を続けていても効果がなかなか出ません。

④余分な水分が溜まり過ぎている
人間の身体は70%が水分で構成されていますが、それ以上に水分が溜まってしまったり、運動不足や冷えで水はけが悪くなると体に悪影響を及ぼします。
東洋医学では「湿」と言い、むくみや冷え、胃腸機能の低下、湿疹などの症状が出ることがあります。
湿は水分なので、足に溜まりやすく下半身を冷やすので①の冷えにもつながります。

⑤不摂生な食事
揚げ物や濃い味の摂りすぎ、ビールの飲みすぎ、不規則な時間の食事、間食のし過ぎなど、飲食が胃にダメージを与えていることもあります。
ビールは体を冷やす作用があるので飲みすぎると①の冷えにつながりますし、不規則な食事や間食のし過ぎは②の胃の疲労につながります。


このように東洋医学的に見た場合、機能性ディスペプシアの原因は①~⑤の単独で出るだけでなく複数の要因が重なって発症することもあります。
原因が重なるほど治療も複雑となり時間がかかります。
逆に原因が一つであれば、その原因を取り除けば緩解するので治療期間も短く済むことがあります。

2023年11月07日