突発性難聴、耳鳴の鍼灸治療

突発性難聴、耳鳴りは症状は違いますが、その発生メカニズムや原因はほぼ同じです。
そのため難聴と耳鳴りの鍼灸治療もほぼ同様となります。
原因が違う場合は治療法も異なりますが、ここでは耳の疾患でよく使うツボをご紹介します。

 

1.聴宮

 

耳にあるツボで、口を開けた状態で鍼を打ちます。
耳の中にズシーンと重い感覚(鍼の響き)がくるように打ちます。
難聴、耳鳴り、耳閉塞感など耳の治療では外せない、重要なツボです。

この鍼を刺した状態で30分程置いておきますが、その間10分に1回、鍼を回転させ響かせます。
この手技は当院の特徴で、他に紹介するツボにも全て同じやり方で治療します。

 

2.丘墟

 

足関節の外側にあるツボです。
耳からは遠く離れたツボですが、耳の周りには胆経と言う経絡が走行しており、胆経の走行は足まで伸びています。
耳と足のツボをつなぐことで耳の経絡を通します。

 

3.太衝

 

足の甲にあるツボで、体全体の巡りを調節する作用があります。
ストレスやイライラなど気持ちが不安定になると、体の巡りも不安定となります。
ビックリしたり怒ったりすると、呼吸が荒くなってドキドキすることがありますが、あれは巡りが不安定になった状態ですね。

太衝に鍼を打つことでからだの巡りを整え、気血が耳内に巡るようにします。

余談ですが、この太衝は過呼吸にも使えます。

 

突発性難聴と耳鳴りの治療に使うツボをご紹介しましたが、耳以外の周辺症状が出ていればそこに対応したツボに鍼を打ち、全身のバランスを整えていきます。

突発性難聴の治療は早ければ早いほど良いと言われますが、まずは耳鼻科での検査・治療を優先してください。
その上で鍼灸治療を耳鼻科の治療と併用しておこなう方が良いと考えます。

最初は1週間に2回の治療を続けて、鍼の効果を高めます。
それ以降は症状の変化により1週間に1~2回の治療を継続していきます。

2022年04月18日