自律神経を整える方法③
鍼灸は自律神経の調整に優れた治療法であり、その方法もいくつかあります。
自律神経を整えるのになぜ鍼灸が有効で、どのような方法があるのかご紹介します。
③お灸(督脈通陽)
お灸も鍼と同様にいろいろなやり方があり、ただお腹や腰を温めるだけではなく理論に基づいた選穴でお灸を据えることで高い効果が得られます。
その一つが督脈通陽です。
督脈とは背中中央にある経絡で、背骨の真上を腰から首、後頭部、眉間を通り唇までを結ぶラインです。

督脈は陽経の海と呼ばれ、陽経に属する経絡が全て交わるのが督脈です。
この督脈のツボにお灸をすると陽気をしっかりと補充することができます。
特に大椎、至陽、命門、腰陽関は陽気を賦活するのに適したツボで、ここにお灸をすると背中全体を温めることができると同時に、督脈を通す効果があります。
背骨には自律神経が走行しているため督脈を通すことは自律神経の調整にも有効です。
督脈通陽と刺絡抜罐はエネルギーを補う「補法」と詰まったものを流す「瀉法」の違いがあり、患者様の体質や出ている症状に応じ使い分け、時に併用して施術することもあります。