自律神経の鍼治療はどのくらいで効果が出る?

自律神経の乱れや失調症、または自律神経の影響で来る他の症状で鍼治療を受けてみようと思った方が気になるのは、どのくらいで効果が出るのか?だと思います。

結論から言うと「人により異なる」ですが、これだと回答にならないので症状による平均的な回数でお伝えしていきます。

 

寝付きが悪い、夜中に目が覚めると言った不眠症状の場合、1~3回ほどで効果が出ることがあります。
鍼治療中に寝ると効果が良い傾向にあります。

突発性難聴は耳鳴や目まいを伴うことが多く、最低でも6回ほどの治療が必要です。
1~3回目くらいまでは効果を感じることが無い場合が多く、5回目以降で耳鳴やふらつきの軽減と言った効果を感じられる場合があります。

機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群は10回以上の治療が必要となります。
胃腸症状は効果が出るまでに時間と回数がかかり長期戦になる傾向があり、罹患期間が長ければ長いほど治療にも相当の時間を要します。
例えば10年来の胃痛や下痢症状などがある方だと治療にも1年は必要で、症状が緩和した後もメンテンナンスとして定期的な治療をした方が良いでしょう。

イライラや不安感、動悸などの不定愁訴の場合は3~5回ほどでいくつかの症状が緩和されることがあります。
複数の症状がある場合、最もつらい症状の治療を優先したり、全ての症状が同じくらいつらい場合は取れる症状から取っていくなど、その状況に応じて変えていきます。
全ての症状が一気に取れたり、同じレベルで軽くなっていくと言うよりは「そういえば、この症状が最近は出ていない」と感じてもらえるでしょう。

 

鍼灸は魔法ではありません。
薬と同じで繰り返し治療を重ねることで効果を蓄積していきます。
1,2回の治療で変化を感じられず「鍼灸は効かない」と思ってしまうかもしれませんが、体の中では微細ながら変化は起きています。

病院の治療や毎日の服薬を数年続けても取れなかった症状が、数回の鍼灸治療で取れるわけはないのです。
中には1回で症状を取り切ってしまう先生もいるのでしょうが、人間の体は本来徐々に変化していくものと思っています。

鍼灸で少しずつ体調を良い方向に変化させていきましょう。

2023年10月12日