使用する経穴について

鍼灸治療では頭のてっぺんから足の先まで全身あらゆるところに存在する経穴(ツボ)と呼ばれる治療点に鍼やお灸を施し、手技による刺激などを加えることで効果が発揮されます。

経穴は局部にもあり、症状によってはそのようなツボを使用する場合もあります。
治療中は細心の注意を払い説明と配慮の上で施術します。
特に以下の経穴は鍼灸治療に必要で使用頻度の高い経穴のため、ご理解のほどお願い申し上げます。

 

膻中(だんちゅう)・中脘(ちゅうかん)

膻中は体の前面、両乳頭の中間にあります。
息苦しさ、喘息、胸の詰まり感などの治療に使用します。
膻中を使用する時は患者着のファスナーを下げて胸骨部分のみを出した状態で刺鍼します。

中脘はおへその4寸(指5本分ほど)上にあります。
胃痛、消化不良など胃腸疾患の治療に使用します。

 

神闕(しんけつ)

おへそにあり、鍼を打ってはいけないツボなのでお灸を使用します。
冷え、元気が出ない、胃腸の治療に使います。

 

気海・関元・中極

任脈と呼ばれる体の前面を通る経絡上にあり、それぞれ気を補う、温める、利尿作用を促し去湿するなどの効果があり、痰湿が溜まって全身のむくみがある、体の冷えが強い、胃腸の動きが悪いなどの症状で使用します。

お灸の他、鍼も打ちます。

 

子宮(しきゅう)

おへそから4寸(指5本分)下、そこから4寸(指5本分)外側のちょうど卵巣の位置で、上記の中極穴の外側にあります。
生理不順、冷えによる生理痛、妊活(不妊症)など婦人科系の治療に使い、特に妊活鍼灸では必須のツボです。
瘀血がある場合は鍼を打ち、冷えがある場合はお灸で温めるなど症状に応じて鍼またはお灸をおこないます。

子宮穴を使用する際は患者着のズボンを下げて施術いたします。

 

八髎穴

仙骨に並んでいる4つのツボの総称です。
生理不順、妊活、冷え、自律神経の調整の治療に使用します。