原因不明の腰痛
長引く腰痛のため病院でレントゲンやCTなどの各種検査を受けても椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、脊柱管狭窄症など異常がないことがあります。
重い鈍痛や筋肉が突っ張ったような痛みで曲げ伸ばしで痛みが出る、起床時に腰痛がある、横になっても痛みが軽減しないなどの腰痛は、自律神経や胃腸症状からきていることがあります。
内臓の不調は関連痛として胃腸の裏側に当たる背中から腰にかけて痛みが出ることがあります。
どんなに腰にシップや鍼やマッサージをしても一時的にしかよくならない、または治療しても全く改善がみられない場合は内臓の関連痛を疑います。
関連痛による腰痛は、腰の筋肉や骨、神経などは全く問題が無いので、どんなに腰を治療しても意味がありません。
痛みの原因となっている自律神経や胃腸の調整が治療のメインとなります。
胃腸の不調と言っても下痢や便秘、食欲が無いなど明らかな症状があればわかりやすいのですが、それらの症状が無くサイレントで症状が進んでいる場合があります。
自覚症状が無いため胃腸の疲れに気付かないことが多く、腰痛との関連も見つけにくくなります。
鍼灸治療では脾胃の動きを良くする治療を行います。
脾胃の動きは消化吸収の働きのことで、胃腸が連動して正常に動けば飲食物の消化・吸収・排泄と言う一連の流れがスムーズに行われます。
この流れが詰まれば便秘、逆流すると吐き気、流れ過ぎると下痢となります。
自覚症状が無い場合は、これらの症状が表に出る前のいわゆる「未病」の状態です。
胃腸の治療には背中の胃兪・脾兪、お腹の中脘・上脘・天枢、足の足三里、豊隆、上巨虚と言ったツボに鍼やお灸で刺激を入れます。
ツボ刺激は経絡を通して内臓へ伝わり気の流れを整えます。
また筋緊張の緩和を目的とし太衝や百会と言ったツボにも鍼をして、腰痛の原因となっている筋肉の硬さを取り除きます。
脾胃の不調からくる腰痛は整腸剤や胃薬などを併用するのもアリです。
このタイプの腰痛ではシップや痛み止めを飲んでも効きが良くない場合があります。
内科や消化器内科で医師に相談してみてください。
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