起立性調節障害

起立性調節障害(OD)は起床時や午前中にめまいや吐き気、強い倦怠感などで起床・活動することができず午後から夕方にかけて症状が治まっていき夜には元気になると言う、自律神経の乱れによる症状です。

起立性調節障害は主に小学校高学年から高校生くらいまでの子供に起こる症状で、ホルモンバランスの影響などが原因と考えられています。
しかし大人になってからも症状が続く場合もあり、この場合は仕事や人間関係など生活環境による影響(ストレス)が原因とみられることもありますが、実際には自律神経に不調があるでしょう。


鍼灸治療における中医学用語は難解な部分もあるので簡単に説明するため「自律神経を整えます」と説明していますが、中医的に説明すると気機と疏泄の調整、脾胃の立ち上げが施術のメインとなります。
このメカニズムは省きますが、貧血や目まいなど「落ちる」症状が出ていれば「挙げる」治療を行い、倦怠感やだるさなど「うっ滞」の症状が出ていれば「巡らす」ことが治療となります。

起立性調節障害の主な症状に対してはこれで対応でき、個人差がある周辺症状に対しては適宜治療法を追加します。

様々な症状が複数出ていると思いますが、弁証として考えるととても単純で全てつながっているので複数の症状が同時に消失することも珍しくありません。
中医学(東洋医学)は人体は全て一つの有機体として存在していると考えるので、症状が複数あったとしてもそれらの症状が独自に出ているわけでは無く互いに影響し合ったか結果、症状が出ていると考えます。
そのため鍼でツボを刺激し経絡や臓に調整をかけることで複数の症状に対応できます。


起立性調節障害の鍼灸治療は最初は週1回を目安に行い、症状の改善がみられたら2~3週に1回と治療間隔を伸ばしていきます。

症状寛解までは数ヶ月かかる可能性もあり個人差によるところが大きいので一概に〇か月で治りますとは言えませんが、治療を進めていくうえで経過や体質をみてある程度の予測ができるようになります。


もし1年以上起立性調節障害でお悩みでしたら、一度ご相談ください。

2025年03月11日