痰湿からくる突発性難聴、メニエール

突発性難聴の原因の一つとしてあるのが「痰湿」

「痰湿」とは体の中の余分な水分のことで、ドロドロした汚水のようなイメージです。
人間の体にとって水分は必要不可欠なものですが、それが過剰になると体に害のある病理物質となります。
痰湿は体の気血の巡りを鈍らせ時には停滞することがあり、池の底にあるヘドロのようなイメージとなります。
こうなるとどう見ても有害な水分でしかないですよね。

その痰湿が「耳の穴」を詰まらせることで難聴の症状が起きます。
耳の穴とは外耳道や内耳の事ではなく、経絡に流れの事をさします。
経絡が詰まることを「阻滞(阻滞)」と言い、痰湿が経絡を詰まらせることを痰湿阻滞と言います。

経絡が詰まると耳の聞こえが悪くなり難聴となります。
詰まった音が反響すると耳鳴となり、詰まっているため耳閉塞感が出ます。
これはストレスによる難聴と全く同じですね。

 

突発性難聴に似た症状でメニエール病と言うのがあります。
メニエール病は内耳にリンパ液がたまりすぎる内リンパ水腫が原因です。

水腫=痰湿と考えて間違いないのでメニエール病も痰湿が原因であり、自ずと治療法も同じとなります。

痰湿阻滞を取り除くには、鍼で経絡に通り道を作ることと、お灸で温めることが必要です。
痰湿は水分でドロドロなので温めて流動性を高めて流す方が効率が良いのです。
そのため痰湿阻滞の突発性難聴の治療では耳にお灸をします。
足が冷えていたりむくんでいたら、足のむくみを取るのも良いかもしれません。

体の余分な水分を排出するのが治療法の目的となるので、運動などで発汗したりお茶などの利尿作用のある水分を摂り尿で排出するのが良いでしょう。
更に大事なのは痰湿を体に取り込まないと溜め込まないことです。

 

特に食事が大切で、アルコールや脂っこいもの、味の濃いものは痰湿を大量に取り込んでしまいます。
難聴や耳鳴、メニエールの治療中はアルコールは控えてください。
また汗や尿で排出するのが一番手っ取り早い方法なので、適度に運動して飲み物は緑茶などを飲んでください。

痰湿は取り除くのに時間がかかる特徴があります。
そのため耳鳴やめまい、難聴の症状が続いたり、症状の変化が出るまでに時間がかかることがあります。

鍼灸治療を週2回受けたとしても、耳の変化を感じられるまで5~6回以上かかることがあります。
また痰湿が多ければ多いほど治療に時間がかかり、ビールを飲んだりして痰湿が入るとさらに治りは遅くなります。

 

生活習慣の見直しも必要となる場合があるので、少し治療は大変ですが日常生活のアドバイスなどもしますので、一緒に治療を進めていきましょう。

2023年06月13日