自律神経を整える方法②

鍼灸は自律神経の調整に優れた治療法であり、その方法もいくつかあります。

自律神経を整えるのになぜ鍼灸が有効で、どのような方法があるのかご紹介します。

注意:
この記事には出血のある写真があります。血が苦手な方はご注意ください。

 

②刺絡抜罐(しらくばっかん)

刺絡抜罐とは刺絡+抜罐(吸い玉)を組み合わせた治療法です。

刺絡は鍼灸術の一つで、瘀血(おけつ)と言われる体内に溜まった悪い血を取り除く治療法で、鍼灸針やランセットで皮膚に微細な傷をつけそこから瘀血を出すものです。

当院では特にのぼせ、ほてりなど上半身に昇った気や熱を瘀血と共に出す目的で使用します。

主に使うのは背中の上にある「大椎」と言うツボで、ここに刺絡抜罐をすることで瘀血を出す(活血)と同時に清熱をかけることができます。

 

熱が頭部にこもると頭痛、めまい、不眠、イライラなど頭顔面部の症状やメンタルの不調があらわれます。
熱は上に昇る性質があり、脳に影響を及ぼすためです。

風邪を引いて発熱した時、高熱であればあるほどうなされたり夢を見たりしませんか?
あれは熱が脳(心神)に影響して起こる症状です。

瘀血と共に熱を取り除くには刺絡抜罐がとても有効で不眠や頭痛、イライラがとても強いと言った場合に使用します。

 

刺絡に使うランセットは全て使い捨てで、痛みはほとんどありません。
カチッと音がして一瞬だけ鍼と皮膚が接触します。
また吸い玉をかけている時も刺鍼部が痛むことはありません。

瘀血を取り除くことで邪魔者がいなくなり全身の血流が巡りやすくなり、清熱をかけると上に昇った気を降ろしやすくなるため、刺絡抜罐は治療の最初におこないます。

 

2024年12月20日