起立性調節障害に対する鍼灸治療

起立性調節障害は自律神経の調節がうまくいかず、起立時に血圧や心拍数の調整が不十分になることで、さまざまな不調が現れる状態を指します。
思春期の子どもや若年層に多くみられます。

主な症状
立ちくらみ、めまい、動悸、息切れ、頭痛。
朝起きられない、午前中の不調、集中力低下。
食欲不振、腹痛、気分不快感やメンタルの揺らぎ。

これらの症状は複合的に現れ、天候の変化や疲労、精神的ストレスによって悪化しやすいのが特徴です。

 


起立性調節障害の主な原因
1,自律神経の乱れ
交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、起立時に血液が下半身に滞留しやすくなります。その結果、脳血流が一時的に低下し、めまいや立ちくらみが起こります。

2,血液循環の問題
血管収縮反応の低下や血液量の不足(血虚)、筋ポンプ機能低下などが重なることで、全身の循環不良が生じます。

3.ストレス・生活習慣
学校や職場での心理的ストレス、睡眠リズムの乱れスマートフォンやインターネットの長時間使用などは自律神経に大きな負担をかけます。

4.体質的要因
虚弱体質、成長期による急激な体の変化、冷えや低血圧傾向など元々の体質も影響することがあります。

 

東洋医学的な考え方
東洋医学では起立性調節障害を「眩暈」「虚労」「気血両虚」などの概念で捉えます。
腎虚:成長・回復力の低下
脾虚:気血生成不足
気虚下陥:起立時に気が持ち上がらない
肝気鬱結:ストレスによる自律神経緊張

鍼灸治療の方法(一例)
自律神経の調整や血流改善、虚弱体質や冷え体質の改善を目的として百会、神門、内関、太衝、足三里、関元、気海などのツボへの鍼灸施術で、神経の過緊張を緩め安定したリズムを作り、エネルギー不足を補い下半身の循環を促し起立時の血圧調整を助けます。


起立性調節障害は自律神経の乱れを中心とした全身性の機能障害です。
鍼灸治療は神経・血流・体力の三方向からアプローチできるため、薬物療法と併用することで症状改善が期待できます。
症状の背景にある体質や生活環境を丁寧に見極め、無理のない継続的なケアが重要です。

2026年01月26日