過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群(IBS)は下痢型・便秘型・混合型に分類されることがありますが、東洋医学で考えると大きく実証と虚証の二つに分類でき、さらに虚実それぞれの原因を探して行きます。

実証とは体内に邪気やオ血など邪魔者がいる状態で、取り除くことが治療になります。
虚証は正気や血が不足した状態で、気血を補ったり機能を回復させることが治療となります。

 


実証
湿熱タイプ:湿邪がお腹に溜まり熱化したものです。湿熱の特徴として、「便が臭く、すっきり出ない」「排便時に肛門に熱感がある」など特徴的な便が出ます。

気滞タイプ:お腹が張り、痛みがあるが排便すると痛みが緩和される。痛むときと痛みが無い時があるなど、症状が変化するのが特徴です。

虚証
脾気虚タイプ:胃腸を動かす力が著しく低下し、飲食物の消化吸収や蠕動運動による排便を促せない状態です。便秘にもなりますが、飲食物を胃腸内にキープできず食後すぐに排便してしまうこともあります。

脾腎陽虚タイプ:脾と腎の陽気が不足した状態で、未消化便や朝方に下痢をする特徴があります。お腹や全身の強い冷えを感じることがあります。


実証と虚証では原因が異なるため、例え下痢がメインの症状でも治療法が異なります。

実証の下痢は邪魔者がいるため、下痢を止めず原因を体内から取り去る必要があります。
虚証の下痢は体内の正気が不足しているため、下痢を止めないとどんどん消耗していってしまいます。


IBSの鍼灸施術はこのように症状だけでなく、体内で何が起こっているのかを考えそれに合わせて気を補ったり余分なものを排除して体のバランスを整えていきます。

鍼灸施術に漢方薬を組み合わせることも有効です。

IBSでお悩みの方は鍼灸・漢方薬を一度試してみてください。


2025年08月22日