飼育し始めたばかりに近ければ近いほど有効だと思います。
そうではなく、亜硝酸塩も検出され、上昇してきているような場合や、ピークを過ぎ、下降し始めているような場合には、別の環境のろ過バクテリア(他の多様な細菌や微生物も)を移植するのは、好ましくない場合があります。
そのような場合には、飼育規模や状況にもよりますが、マツモの水質浄化能力を利用した、立ち上げの方が向いているかと思います。
水質のチェックをしながら立ち上げをされている場合には、生物濾過の立ち上がり具合が、今どのあたりなのかの把握がしやすいですが、水質のチェックをせずに、立ち上げをされていることの方が圧倒的に多いのが実情で、生物濾過の立ち上がり具合が今どのあたりの段階なのかの把握が難しく・・・
例えば
1. 生体の様子
2. 立ち上げからの日数
3. 季節・水温
4. 置かれている場所の環境
5. 濾過器や濾材の種類 等
これらの状況から想定するようになることもあることでしょう。
ちなみに、私がご協力した際のことですが、金魚は調子を崩しており、他の方のアドバイスで塩水浴をしていました。その甲斐あって、私が後日改めて動画を見せていただいた時には、金魚の状態がかなり良くなってきていましたので、ご当人と話し合い、別の小さ目の容器で、こちらからお送りした濾過バクテリアが定着した濾材や飼育水を移植し、一緒にお送りした水道水も足して、真水の環境で立ち上げ直し、6日間で生物濾過が立ち上がりました。
前置きが長くなりました。
以下、必要になるものです。
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① 濾過バクテリアが定着し、実際に生物濾過が安定して機能している環境の濾材 | |
移植先が50リットルほどの飼育環境なら 『 握りこぶし 』 ひとつからふたつ分程度の量を同じ環境の飼育水と一緒にパッキングして送ります。 (ウール、リング、粒状、スポンジ 等、先方で使いやすければ何でも) パッキングに使った飼育水はバクテリアが多くこぼれ落ちた、非常に貴重な水です。この水も、もちろん使用します。 くれぐれも、売っているバクテリアではなく、今現在、実際に安定した飼育環境を作っている、濾材に定着したバクテリアを、濾材ごと飼育水と一緒に入れて送ります。送る側の方が濾過器を使っていない場合は、底砂やソイル等の底床でも大丈夫です。 ただし、焼成されていない 『 普通の赤玉土 等 』 の形状が崩れやすいものは、水の中で絶えず振動し続ける輸送には不向きです。 その場合、水を切って、湿った状態のまま、空気と一緒に封入して、送ってさしあげる先の飼育環境に低床が敷かれていなかったり、赤玉土ではなく、砂利等の場合には、清潔なネットをよく洗い、そのネットに入れて送ると良いかと思います。 なお、濾過器も低床も両方使っている場合、濾過バクテリアがより多く生息しているのは、通常は濾過器の中の濾材ですので、送るとしたら濾材が望ましいですが、濾材を交換して日が浅いような場合には、低床を送る方が良いでしょう。 バクテリア商品の有効性についてお話ししているのではなく、それらが効いてくるとしても、濾材や低床に定着して、実際に飼育水を浄化しはじめるのに、何日もかかるのでは、このような場合には間に合わないのです。即日か、遅くても翌日には、試薬で明らかな効果が確認できるくらいのパワーとスピードが必要です。 |
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② ①と同じ環境の飼育水 | |
バクテリアや微生物ごと移植するために必要です。 移植先が50リットルほどの飼育規模なら、少なくとも10リットルは欲しいです。 ※ 送る側の環境が、しっかりと生物濾過が立ち上がっており、病気が発生したりしていないことが大原則です。 |
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③ 水道水 | |
水専用(燃料用は避けてください)のポリタンクを水道水でよくすすぎ洗いし、何日か保管できるように、カルキ(塩素)は抜かず。 水量は状況により変わってきます。蒸発する分の足し水もそれなりに必要になります。 ※ 燃料用のポリタンクは水に臭いがついてしまったり、化学物質が溶出する可能性があるようです。 なお、その際の状況を察しますと、積極的にお勧めはできませんが、あくまでも奥の手として、実験ではすべてをミネラルウォーターで代用することも可能でした。 pH、硬度、軟水であること、味や香りが 『 ついていない 』 ことを確認してください。 実験種 : 金魚・メダカ・ミナミヌマエビ(孵化もして成育) ここ から実験のページに飛べます。 |
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④ マツモ | |
飼育水10リットルあたり、状態の良いマツモ10g以上 50リットルの飼育水に基準とされる程度の魚が入った環境なら、50gです。 バクテリア移植の初日から入れることをお勧めします。 飼育密度が高い場合には、必要に応じてマツモを増量する必要があります。 マツモが増殖してきたら、適宜量の調節が必要です。 水面を這わせるようになりますので、表面積の少ない水槽などでは、浮く餌は向かなくなります。 カボンバやアナカリスでも 『 条件付き 』 ですが、代用できそうだという実験結果が出ました。 ここ から実験のページに飛べます。 ↑ リンク先の最初に 『 条件3点 』 を記載しています。 |
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⑤ カリウムと微量元素添加剤(水草用) | |
テトラ フローラプライド 等 ↑ 50リットルの飼育水量で、基準とされる飼育量、マツモ50g前後の環境なら、100mlのもの1本で、2か月余り持ちます。 ● 50リットルの飼育水量の場合の例 (テトラ フローラプライドの場合) 最初に規定量25ml添加し、以降は1mlを毎日か、2mlを2日に1回添加。 |
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テトラ フローラプライド については ・・・ こちら ← 新しいページで開きます。 |
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⑥ 試薬 | |
テトラ 6 in 1 を 2つ (50回分)、アンモニア試薬 ※ pHの値が 1 ほど低く出る傾向 |
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水質チェック については ・・・ こちら ← 新しいページで開きます。 |
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アンモニア試薬が入手しづらいような場合には・・・ こちら ← 新しいページで開きます。 |
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⑦ プリンカップ・ミニタッパー・スポイト 等 | |
プリンカップやミニタッパー 飼育水を少量汲み出し 水質チェックに使用 試験管を使うタイプの試薬でのチェックを済ませたあとに、6 in 1 を1秒浸けます。 使用後は、ごく少量の水ですすぎ洗いをするか、湿らせた清潔なティッシュ等での拭き取りが必要で、汚れたりしない場所に保管します。 ↑ 翌日以降の水質チェックの結果に影響が出ないようにするためです。 スポイト(注射器でも可) プリンカップや ミニタッパーから 水質チェック用の試験管に 必要量の水を入れるのに使用 試験管を、直接飼育環境に浸けないようにするために必要です。 スポイト、試験管ともに、使用後は少量の水ですすぎ洗いが必要で、使用前には再度、実際にチェックする水を少量入れてすすぎ洗いします。 1. 飼育環境には試験紙や試験管を直接浸けない。 2. 水質チェックの値に前回の影響が出ないように。 |
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⑧ 補助の濾過器 | |
グリーンウォーター化してしまった場合に、植物プランクトンを物理的に濾過して除去するなら、濾材が波板状のウールになっている投げ込み濾過器や、目の細かいスポンジ濾過器 等 エアーポンプや分岐コック、エアチューブ等も必要になる場合があります。 グリーンウォーターが濃くなるとpHが高くなり過ぎたり、酸素が過剰に供給されたりして害となることがあり、水換えする必要が出てくるためです。 濾過することで、グリーンウォーターが薄まってきたら、飼育水を少量汲み出した中で、濾材をもみ洗いすることも必要になってきます。植物プランクトンも濾し取られたら、濾材の中で枯れて アンモニア(アンモニウム) ⇒ 亜硝酸塩 ⇒ 硝酸塩 へと分解されていきます。できるだけ分解される前に洗って、飼育環境から出してしまうことが、水換えを延ばす場合には重要です。 |
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⑨ その他 | |
必要に応じて、カキガラ、サンゴ砂、pH調整剤 等 濾材を洗ったりするのに小さ目の清潔なプラケース 等 熱帯魚以外では、水温計をお持ちでない場合があります。 場合により、明るすぎる ・ 暗すぎる ・ 水温が上がりすぎるか下がりすぎる ・ 一日の水温変化がありすぎる等の問題があるなら、置く場所の変更も必要になることもあります。 なお、日光が当たりすぎているのに移動できないような場合には、すだれを2重にした上で通気を良くする等。 魚などよりも、水草の方が環境の変化に敏感なことも多いです。 |
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飼育水に触れるものは、事前に水道水でよく洗う必要があります。
また、マツモは使用前に 『 水草その前に 』 という商品や 『 消石灰 』 溶液などで前処理をし、水道水でよくすすぐことが望ましいと思います。
マツモの前処理 については ・・・
こちら ← 新しいページで開きます。
ほんの少しの水でも貴重です。洗う必要のあるものは、水質チェック用のプリンカップやミニタッパー、スポイトや注射器、試薬の試験管、使用するかもしれない飼育器具に至るまで、飼育水に触れる物やその可能性のある物はすべてを洗ってからお送りするようにした方が、到着後すぐに使用可能ですので、ぜひそうしてあげてください。
<ご注意>
魚の種類や大きさや数、餌の量によっては、一概には言えないということをご理解ください(^ー^)
また、私個人が公表していることですので、学術的な研究レベルほどでは当然ないにせよ、ホビーレベルの試薬での実験で、十分な効果が得られたため、お困りの方のお役にたてればと公表しています。
ただし、個別に私自身が立ち会えるわけではありませんので、すべての結果に対して、ご自身の責任でお願いします。