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ミネラルウォーターでほぼ全量の水換え

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2018年12月5日 ~ 2019年1月4日 30日間


【実験結果】


市販のミネラルウォーターで、観賞魚や淡水産のエビを飼育することができました。ほぼ100%の水をミネラルウォーターに換えたのですが、各種バクテリアへの影響も、趣味で使用するレベルの試薬での数値上は、水道水で同様の水換えをした場合とほぼ変わりませんでした。


※ ミネラルウォーターは、すべて 『 軟水 』 で 『 味や香り 』 の成分が 『 添加されていない 』 ものを使用しました。




【実験の内容】


ミネラルウォーターで、ほぼ全量の水換えをしました。


断水などによって、水換え用の水が用意できないような場合に、お友達や同じ趣味の仲間が救済の手を差し伸べ、飲料水や生活用水、水換え用の水として送ってさしあげるような場合を想定しての実験です。


ただし、ミネラルウォーターを使っての水換えを積極的にお勧めしているのではありません。


奥の手として、この方法でも危機を回避可能だということをお知らせしておきたかったのです。


ただし、水質に敏感な種(淡水エイや各種エビ等)に害がないかまでの実験はできていません。金魚、メダカ、ミナミヌマエビ(稚エビも孵化)でのごく短期的な実験です。


使用したミネラルウォーターは、すべて 『 軟水 』 で 『 味や香り 』 の成分が 『 添加されていない 』 ものを選んでいます。



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やむを得ないとき、ミネラルウォーターでも魚は飼えます。

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やむを得ないとき、ミネラルウォーターでも魚は飼えます。

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やむを得ないとき、ミネラルウォーターでも魚は飼えますが、このpH・硬度の水だけでは危険です。

断水で困っていらっしゃる方に、救済の手を差し伸べるには、飲料水や生活用水はもちろん、魚を飼われている方で、飼育環境がまだ立ち上げ中だったりして、水質があまり良くないような場合には、取り急ぎ魚が飼える清潔な水も必要になります。


飼育環境を立ち上げ中だったりして、濾過バクテリアの定着が不十分だったり、すでに環境が安定した水槽の場合でも、しばらくは水換えに使える水を確保することが相当に難しくなることから、マツモの水質浄化能力を利用した、飼育方法に切り替えることをお勧めしたいです。

< お水を送ってさしあげる場合について >


水専用 』 のポリタンクをホームセンターで購入し、水道水で内部をよくすすぎ洗いして 『 カルキ(塩素)の抜けていない水 』 を送ってさしあげるのが、状況的に一番良いと思います。


※ 灯油などの燃料用のポリタンクは避けてください。燃料用のポリタンクは水に臭いがついてしまったり、化学物質が溶出する可能性があるようです。


しかし、実際問題、ミネラルウォーターを購入して送ってさしあげること。こちらの方が同じくらいの量をお送りするにしても、スピーディーで金銭面でも、そうしやすいという事実は見逃せないことです。




ポリタンクに入れてお送りする場合


① ホームセンターへ出向き、水用のポリタンクを購入。


② 自宅でポリタンクを洗浄し、水道水を入れる。


③ 宅配業者さんに出向くか集荷をお願いして発送する。




ミネラルウォーターをお送りする場合


① お店に出向き、ミネラルウォーターを購入。


そのままお店から発送できる場合でも、着日を確認し、宅配業者さんに持ち込む方が早そうなら、そうされることをお勧めします。


② その足で宅配業者さんに出向くか、集荷をお願いして発送する。




送料も、2リットル 6本入り 2ケース(合わせて24リットル)を一緒に結束するか、してもらって送れば安くなります。


例えば、学校での募金。1000円ならさっとできても、子供が2000円したいと言い出したら、他のおうちはいくらするのかな?と私は考えてしまいます。


この考えてしまうということで、止まってしまったり、遅れてしまうことが多いと思うのです。

なお、お水をお送りする方法として、お店で観賞魚を買う際のように、厚手の清潔なビニール袋を用意し、水道水を入れて、輪ゴムで封をして送ることも可能ではあります。


私は個人的に、生きた魚を発送したりすることもあるため、それ用の袋を常に持っていますので、そうしてお送りしたのですが、誰にでもできることではなく、輸送中にビニール袋が破れたり、封をしている輪ゴムの締め方が弱くて、水漏れしてしまっては無駄になってしまうだけでなく、急ぎで必要な水を届けられなくなってしまいますし、水漏れしてしまっては、他の荷物をびしょ濡れにしてしまうことだってあり得ます。


ちなみに水漏れする可能性を考慮し、しっかりした強度のある、発泡スチロールの箱で、ワレモノとしてお送りしました。


水道水をお送りするなら、水専用のポリタンクが最も安全だと思います。


送り状に 『 水 』 と記入していたのですが、今回は緊急時なのでお受けしますが、次回からはポリタンクでお願いしますとのことでした。

ミネラルウォーターを送って差し上げたり、お困りの方がご自分で購入される場合に、ネット通販を利用するという方法もあります。


ただこの場合、急に需要が増したり、物流網が乱れたりして、到着が通常より遅れたり、お届け自体が不可になってしまうことがあるかもしれません。


私がご協力した際のことですが、お届け先のエリアは、ヤマト運輸では配達不可エリアに指定され、調べた結果、ゆうパックならお届け可能だと分かり、通常よりも遅れはしましたが、無事お届けすることができました。


※ どちらが優れているとかではなく、その時には配送拠点の場所と道路の状況に大きく影響されたのだと思います。


ミネラルウォーターは、amazonや楽天、YAHOOでも取り扱っています。


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amazon(ミネラルウォーター)


楽天(ミネラルウォーター)


YAHOO(ミネラルウォーター)


※ pH、硬度、軟水であること。味や香りが 『 ついていない 』ことを確認してください。


先にも書きましたが、物流網の乱れで、購入だけはできても、お届けまでに何日もかかるようでは、せっかくの好意が実らないこともあり得ます。


まずは、できるだけ早くお届け可能な手段があることを確認し、実店舗で購入してお送りするのが確実だと思います。


お届け先が配達不可エリアでも、割と近い 『 郵便局留め・営業所止め 』 なら可能な場合もあり、受け取る方がそこまで来られるなら、その選択肢もあることでしょう。

実験の話題に移ります


<水換え後の水質>

pH:7.3、アンモニア濃度:ゼロ、亜硝酸塩濃度:ゼロ、硝酸塩濃度:10mg/ℓ、総硬度(GH):不明 変な色、炭酸塩硬度(KH):4dH


金魚の場合、もう少し 硬度が高い方が望ましいです。サンゴ砂やカキ殻を入れたくなる硬度ですね。(実験の環境では底砂が徐々に上げてくれます)


※ pH、アンモニア濃度、亜硝酸塩濃度 ← 液体の試薬 他は 6 in 1

ミネラルウォーターは、画像の左から pH ・ 硬度 が高い順に並べています。


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やむを得ないとき、ミネラルウォーターでも魚は飼えます。

実際にこの配分で入れました。


混ぜた方が良いというのではなく、色々混ぜても大丈夫ということが言いたいのです。


揃えられるなら、魚種によりますが、pHは7くらいのものが良いとは思います。


たとえば、一番左の水は、pHが8.8~9.4(アルカリ)となっています。これだけを大量に入れるのはかなり危険です。




< 硬度 と pH >


硬度:59mg/ℓ pH 8.8~9.4 ・・・ 3本(6リットル)


硬度:40mg/ℓ 記載なし  ・・・ 2本(4リットル)


硬度:20mg/ℓ pH 7    ・・・ 3本(6リットル)


硬度:13.4mg/ℓ pH 6.9  ・・・ 2本(4リットル)


硬度:11mg/ℓ pH 6.5   ・・・ 3本(6リットル)




すべて 『 軟水 』 で 『 味や香り 』 の成分が 『 添加されていない 』 ものを選んでいます。

ミネラルウォーターでの全換水から2日経ちました。


キレイに澄み、水質も翌日から良好です。アンモニア濃度、亜硝酸塩濃度ともにゼロと言っても良いくらいで、ごくごくわずかに試薬に色が着く程度です。


ミネラルウォーターでの全換水から12月20日で15日経ちました。


コケも生え、マツモも順調に育っています。



25リットルほどの飼育水に金魚を多く入れ、餌も多めに与えていますので、硝酸塩濃度が75mg/ℓと高めですが、それ以外の水質はなかなか良好で、亜硝酸塩のみ試薬にごくごく薄く色が着く程度です。




< 12月20日の水質 >


pH:7.5、アンモニア濃度:ゼロ、亜硝酸塩濃度:0.03くらいほぼゼロ、硝酸塩濃度:75mg/ℓ、総硬度(GH):8dH、炭酸塩硬度(KH):6dH


※ pH、アンモニア濃度、亜硝酸塩濃度 ← 液体の試薬 他は 6 in 1


マツモ 15日間で 10g ⇒ 21g に増殖




同じミネラルウォーターで飼育中のメダカとミナミヌマエビも元気で、ミナミヌマエビは抱卵していた卵が孵化して、稚エビがたくさん(^ー^)

ミネラルウォーターでの全換水から今日(1月4日)で30日経ちました。


コケもしっかり生え、マツモも順調に育ちました。



25リットルほどの飼育水に金魚を多く入れ、餌も多めに与えていますので、硝酸塩濃度が 100mg/ℓと結構高く、常在菌の調整の意味でも、そろそろ水換えの必要がありますね。


水換えせずに維持するとしたら、マツモを 20g ~ 30g ほど追加しても良いと思います。


今日の段階で水槽内のマツモが 34gになっていましたので、合わせて 54g ~ 64g となります。


これくらい入れれば、コケとの相乗効果で、25リットルに総魚体重で 100gほど入っている金魚に餌を与えながらも、硝酸塩濃度を低下させる効果が期待できるかと思われます。




< 1月4日の水質 >


pH:8.0、アンモニア濃度:ゼロ、亜硝酸塩濃度:ゼロ、硝酸塩濃度:100mg/ℓ、総硬度(GH):8dH、炭酸塩硬度(KH):6dH


※ pH、アンモニア濃度、亜硝酸塩濃度 ← 液体の試薬 他は 6 in 1


マツモ 15日間で 10g ⇒ 21g に。その後の15日間で 21g ⇒ 34g に増殖しました。


30日間で3.4倍にもなったのですね~!

市販のミネラルウォーターでほぼ全量の水換えをし、30日間経過を観察しました。


魚やエビはもちろん、水草やコケも成長したり増殖し、濾過バクテリアへの影響もなさそうでした。




これ以降は、マツモの量とコケとの兼ね合いだったり、底床をプロホース等で掃除しながら 10リットルほど排水して、減った分の水を足したりの繰り返しですね。


上記の処置で、さらに一か月は硝酸塩濃度は高めながら、比較的安全な水質で維持可能だと思います。さらにそれ以降は繰り返しになりますね?(^ー^)




ミネラルウォーターの使用について、お勧めはしませんが、どうしてもというような時 『 味や香りの付いていない 』 『 軟水 』 のミネラルウォーターは、緊急時の水換えの水として十分使用可能だと言えると思います。


ただし、生体や飼育環境に適したpHになるよう、ラベルに記載されているpH や硬度、成分をよく確認し、あくまでも自己責任でお願いします。

<ミネラルウォーターの使用について>


断水している地域では、人間が飲料水として使う分を最優先させるべきというのは、当然のことだと思います。


それでも、離れた場所に住む方が、救済の手を差し伸べる際に、この方法も可能であり、水用のタンクを購入して、よく洗って水道水を入れて送るよりも、手間や時間だけでなく、金銭的にも協力しやすいことが多いのもまた事実です。


ミネラルウォーターは、生産されてから2年ほどの賞味期限がありますが、生産されてから数か月で、売れ残ったものは処分されたりしているのが実情で、その量は相当なものだと思われます。


そのような中、非常時にアクアリストが少量使わせていただくということについて、人により価値観も違うことでしょうが、それで救える命があるとすればとお考えいただければ幸いです。


繰り返しますが、被災地やその近くのお店でミネラルウォーターを購入して、観賞魚に使いましょうと言っているのではありません。



<ご注意>


魚の種類や大きさや数、餌の量によっては、一概には言えないということをご理解ください(^ー^)


また、この方法を公表しているのは、個人がしていることですので、学術的な研究レベルほどでは当然ないにせよ、ホビーレベルの試薬での実験で、十分な効果が得られたため、お困りの方がいらっしゃれば、どうぞお試しくださいと公表しています。


ただし、個別に私自身が立ち会えるわけではありませんので、すべての結果に対して自己責任でお願いします。