|
|
① | 浮遊させておくだけで、早急に光合成を開始して成長する。(マツモ本来の姿) |
|
|
② | 飼育水から直接、アンモニア(アンモニウム)、亜硝酸塩、硝酸塩、リン酸等の養分を吸収してくれる。特筆すべきは、根を張るまで待たなくて良い。(そもそも根を持たない浮遊性) |
|
|
③ | 成長速度が速いため、養分の吸収も速い。 |
|
|
④ | 量を多めに入れれば、金魚などの魚に食べられる以上に増殖させることもできる。 |
|
|
⑤ | 浮かべているという関係上、そもそも食べられにくい。 多めに入れれば互いに重なり合い、さらに葉の向きも食べられにくい方に向きがちとなり、水草の集合体の中の方までは魚が入って行きにくい。 |
|
|
⑥ | 実はかなり光量が乏しくても、グリーンを保ち育ってしまう。 |
|
|
⑦ | 他の茎のある水草と比較して、茎に対して葉の占める割合が多い部類。 そのため、葉からより多くの養分の吸収が可能で、さらに、葉と葉が重なり合いにくい構造や、繊細で細い葉は、通水性も良く、光の当る方向の影響を受けにくいようにも思われ、水面付近に浮遊するという性質上、光合成の能力も必然的に高くなるのでは。 |
|
|
大きくはこの7点です。 |
他に、もちろん酸素を供給してくれたりというメリットもありますが、夜間は逆に酸素を消費します。(明るい環境でも呼吸により酸素を消費してはいますが、光合成により作り出される酸素の方が多い)
水草を大量に入れた環境では、夜間に水中の酸素濃度が急激に低下する可能性があり、注意が必要になります。そのような環境では、エアレーションなどで酸素の供給が必要になることもあります。
濾過器が稼働していれば、濾過器の種類にもよりますが、その内部で飼育水と空気とが混ざり合ったり、濾過器から戻る水で水面が揺れるなどして酸素が供給されます。
水草を多く入れた環境では、光合成が盛んに行われ、pHが高めになる傾向があり、低目のpHを好む生体には注意が必要です。
pHを下げる方法は・・・
・ pHを低目に安定させる濾材の使用
・ 底床にソイルを使用する
・ pHを降下させる調整剤の使用
・ 二酸化炭素の添加
などがあります。
金魚の場合は、マツモやカボンバ、アナカリス、それ以外の葉が大きめの水草でも、食いちぎれるものは、だいたい食べてしまうようですが、見合った量を多めに入れれば、食べるよりも殖えるのを多くしたり、ほぼ増減なしの状態にすることも可能です。
今回の60cm水槽のテスト環境では、マツモ40g程度で食べられながらも殖えて、ほぼ同量をキープできています。(金魚の大きさや嗜好にもよります)
水質浄化を目的に、しかも急を要するようなときに、水草の力を借りる場合ですが、養分の吸収が根からだけではなく、葉からも行われるもので、さらに成長が早いものが、水質浄化を目的に水草を利用する場合には優れていると思います。
マツモと見た目が似た水草にカボンバがありますが、このカボンバは、実験してみたところ葉からも養分を吸収しているようですが、根を張って根から養分を吸収する必要があり、金魚やメダカが好む水質よりもちょっと低いpHや低い硬度の水を好むようです。成長速度もそこまで速くはありません。
さらに、状態良く育てるためには、底床をソイルにしたり、施肥したりする必要もあり、光量も強めを好み、実は結構難しい面もあります。
主に根から養分を吸収する水草全般に言えると思いますが、水質浄化を目的とする場合には、即効性の面でどうしても劣ります。
もちろん、根からだけではなく、葉からも養分を吸収する水草も多いようですし、中長期的には飼育水中の養分が底床にも浸透し、それを養分にしてというサイクルができる場合もあるのでしょうけどね(^^)
飼育環境による部分が大きいですね。
低床の状態によっては、低床にたまったものが水中に出て来てしまう場合だってありますし;
また、浮き草は飼育水中から養分を吸収し、酸素や二酸化炭素は空中に放出というものが多いようです。
水質浄化にも向くことでしょうが、水面を覆い尽くすほどに入れたとしても、どの程度の浄化能力があるのか不明ですし、水面を覆ってしまいますと、光合成で作られた酸素のほとんどを空気中に放出するのですから、生物がいる水中は酸欠ぎみとなり、光も届きにくくなりますね。
ビオトープで人気の睡蓮の場合では、根から養分を吸収して、酸素や二酸化炭素は空中にと、種類によって多様ですよね。
<<重要なこと>>
リセット時や、断水や停電などの緊急時に、水質浄化目的で水草を用いる場合には即効性が必要で、ゆっくり作用するものでは追いつかないということです(^^)
そういったときに、例えばですが、土に植えられた睡蓮を買ってきて入れるというのは、寄生虫や菌や農薬等、何を持ち込むか分からず、かなりのリスクを伴いますよね?売っている時期も限られますし、何より、飼育水の浄化を目的とする場合、即効性のある種類ではありません。
何を入れる場合でも、寄生虫や菌、農薬等を持ち込まないようによく洗ったり、消毒したりは必要になることではありますが(^ー^)
水草を飼育環境に入れる前に塩素(カルキ)の含まれる水道水でよく洗ったり、さらに、有名なところでは 『 水草その前に 』 という商品を使ったり、消石灰(ホームセンターの園芸・農業コーナー <激安>)を同量同手順で使用することも、余計なものを持ち込まないために有効だと思います。
※ ただし、何事でもそうですが、これで万全ではありません。
マツモの力を借りて、通常通り生体に餌を与えて飼育しながら、生物濾過を立ち上げたり、生物濾過が立ち上がった後も、水換えをせずに硝酸塩などをマツモに吸収してもらって、水道や電気の復旧を待つ。
これらの方法は、ある天災により、直接の被災は免れられたものの、その後続いた断水で、生物濾過を立ち上げ中の水槽の水換えができなくなってしまい、水質の悪化から餌を食べなくなり、だんだんと危険な状態になって行く、それはそれは立派な金魚を、魚を飼うのは初めてとおっしゃる飼育者の方と一緒に、力を合わせてお助けした際の教訓と反省から生み出したものです。
この金魚達の仮住まいの20リットルほどの容器では、一週間で生物濾過が立ち上がり、金魚たちは元気を取り戻しました。
その時の対応は・・・
① | 私の金魚水槽の濾過バクテリアが定着した濾材 |
② | 同じ水槽の飼育水 ← めちゃくちゃ重要 |
③ | 少しの水でも貴重なため、飼育水量を落とし、20リットルほどの容器で一時飼育することとし、その倍程度の水道水(水換え分も含み) |
④ | 水質チェック用の試薬、治療薬(うちの環境を移植した場合にあり得る、常在菌で病気を発症した場合の治療薬) |
⑤ | お勧めしたい濾過器 ← 今ではうちの濾過器の主力です。今回の実験にも使用しているエアリフト式のスポンジ濾過器。 |
⑥ | マツモ、アナカリスともに、たまたま売り切れていたため、蓄積する硝酸塩を吸収させる目的で、消毒 ・ 洗浄したカボンバ。 食い散らかすだけになってしまう可能性が捨てきれず、結局は使わず、pHの低下をできるだけ穏やかにするために、カキガラを購入いただくことにしました。 |
などを、すぐ使えるように、飼育環境に入るものはすべて水洗いしてお送りし、実に多くの手順を詳細にご説明し、その方も大変な状況の中、本当に素直でまじめに取り組まれ、結果、途中危険な水質になることなく、一度だけ半分ほど水換えし、一週間でアンモニアも亜硝酸塩も検出されない状態、つまり生物濾過が立ち上がりました。
安全な水質の井戸水を、ご近所で少しずつ分けていただけたことも、とても心強かったです。
このことがあってから以降、1年近くずっと続けてきた実験は、私からその方へのメッセージでもあります。
はじめて魚を飼う方に、濾材に定着した生きた濾過バクテリアをお送りして、そのバクテリアを殺すことなく移植するということは、難しいことも多く、塩水浴中だったこともあり、それを点滴法で真水に戻したりと、救援物資の配給を受け取りに行ったりしながら、慣れないことをするのは大変過ぎたのです。
飼育に慣れた方なら、お送りするだけで簡単にでき、最も即効性のある方法だと今でも思っています。
すでにしっかりと活動している、水質が良好な環境の濾過バクテリアが定着した濾材と、同じ環境の飼育水の移植は、最も即効性がある飼育環境の立ち上げ方法だと思っています。
ご自宅内ですでにしっかりと生物濾過が立ち上がっている水槽等があるなら、2つ目以降の立ち上げには、この方法がお勧めです。
※ 送る側の環境に、寄生虫や悪い菌(常在菌でも異常に増殖し生体にその症状が出ているようでは×)がいないというのが大前提です。
<<ものすごく重要なこと>>
アンモニア(アンモニウム)も亜硝酸塩も少しはありませんと、それぞれに見合った濾過バクテリアが増殖できないということです。
マツモを入れすぎると、有機物が分解されたり、魚から排泄されたりして蓄積するアンモニア(アンモニウム)のほとんどをマツモが養分にしてしまい、生物濾過の立ち上がりが遅れます。
さらに、マツモには適温があります。15℃~25℃と言われていますが、多少の前後は大丈夫でしょう。しかし、大幅に適温から外れてしまったり、適温の範囲内ではあっても、急激に水温が変動するようですと、やはり枯れてしまったり、活動を休止したりします。
必要に応じて、できるだけ適温の環境下(水温の振れ幅も少ない)で実施してください。
真夏の炎天下や冬、屋外飼育の場合であれば一時的に水槽やプラフネ、タライ、工具箱、衣装ケース 等を用意するなどして、室内に入れたりすることで、マツモの適温環境下でライフラインの復旧を待つことだって、選択肢としてあるかと思います。
容器が新品で、水が使えない場合には、使用前には飼育水を使って洗ったり、丁寧に拭いたり。
ただし、給餌も水換えも止めている越冬中ならばわざわざいろいろする必要はありませんよね?
<グリーンウォーターの場合>
問題なく水換えできるときには重宝するグリーンウォーターも、水換えができないとなると、色々と大変です。濃くなりすぎてさらに日光を当てると、ときにpHは10近くまで上昇しますし、その環境はガス病を引き起こしたりもします。日中と夜間の酸素濃度の増減も激しそうです。
それでも、グリーンウォーターの濃さを長期にわたって最適なままで、コントロールすることができるとすれば、マツモを用いることなく、コケとの相乗効果で乗り切れると思います。
水換えなしで半月もすれば、濾過バクテリアも湧き、水質がさらに安定しそうです。
ただし、濾過器の有無や魚の数などで大きく変わって来そうですね。
スケールの小さなお話しですが、水量1リットルのビンで全長2cm前後の琉金5匹、濃いグリーンウォーターで普通に餌を朝夕あたえて、アンモニア、亜硝酸塩、硝酸塩ともにほとんど検出されず維持できました。
<ビオトープ や 水草水槽の場合>
すでに様々な水草が植えられ、しっかりと根を張り、養分を吸収して、それらの水草が繁茂して、濾過バクテリアもしっかりと定着して生物濾過が機能しているような環境の場合です。
さらに、ビオトープの場合では、コケも適度に生えたり(^^)
アンモニアも亜硝酸塩も検出されず、硝酸塩濃度も許容範囲内で、足し水だけで維持できているような場合には、さらにその上にマツモを用いる必要はないかと思います。
容器の形状にもよるでしょうが、もし水の供給が難しいような状態になれば、相当量必要となる足し水の確保と、できることなら、グリーンウォーターにしないようにはされた方がより安全だとは思います。
ただし、グリーンウォーターを最適な濃度で維持可能なのであれば、お話は別だと思います。グリーンウォーターに関してはひとつ上に書きましたので、理由はその通りです。
これは 『 私なら 』 ですが、屋外で蓋をしていない場合で、地域にもよりますが、5月~10月以外であれば、ラップやビニールで覆い、何か所か通気のための穴をあけ、飼育水の蒸発を防ぎます。
長くなってしまいましたが・・・(^_^;)
ここまでがなぜ 『 マツモ 』 なのか?とそれに関連することでした。
方法としては、長くも難しくもなくて
◆ 生物濾過が立ち上がって 『 いない 』 なら
飼育環境の水量に対して、マツモを重量比で 0.25% 入れ、カリウムと微量元素を添加するだけ。
今回の実験水槽の飼育水 40リットル に対して マツモ 100g
↑ よく行くお店では 5パックでした。お店によって違います。
◆ 生物濾過が立ち上がって 『 いる 』 状態で、水換えを延ばす必要があるなら
飼育環境の水量に対して、マツモを重量比で 0.125% 以上入れ、カリウムと微量元素を添加するだけ。
今回の実験水槽の飼育水 40リットル に対して マツモ 50g以上
・ カリウムと微量元素 について
実験では 『 テトラ フローラプライド 』 という商品を使用しました。
テトラ フローラプライド については ・・・
こちら ← 新しいページで開きます。
※ 生体の大きさや飼育数、餌の量、その他環境等によっても効果に差が出ます。
※ マツモを飼育環境に入れる前には、消毒や洗浄が必要です。
※ カリウムと微量元素を適量添加すると、マツモの養分の吸収や成長を促進することが期待でき、結果として水質浄化能力が向上して、中長期的に飼育環境もマツモもより良い状態を維持することが可能となります。
|
|
① | 真水であること。(塩水浴中や薬浴中ではない) |
|
|
② | マツモの適温範囲の水温 15℃ ~ 25℃ であること。(30℃を多少超えても大丈夫) |
|
|
③ | マツモが十分に成長できる程度の光量。(主な実験環境は 20wの蛍光灯 2本) |
|
|
④ | 水質をチェックしながら、餌を与えること。(マツモが食われる量を抑え、魚も痩せず成長し、最終的にマツモの養分にもなる) ・・・ 品評会に出すような魚への給餌量ではなく一般的な量 |
|
|
⑤ | 水草の養分の中で、不足しがちなカリウムと微量元素を添加する。 実験では 『 テトラ フローラプライド 』 を使用しました。 |
|
|
⑥ | 生えるコケは濾過の邪魔にならない程度に生やす。(例:スポンジフィルターを覆ってしまったりしないように等) |
<余談ですが>
断水中に急遽水換えが必要になったような場合でも、自然の川や湖、池の水等を使うことは、寄生虫や細菌、毒物等の混入の危険性を伴いますので、お勧めできません。
自然界に白点虫だらけや、イカリ虫やウオジラミだからけの魚がいないのは、仮に寄生されてはいても、せいぜい1つや2つだからです。
計り知れないほどの水量の中で一時的にちょっと寄生されるのと、わずか10リットルから大き目の飼育環境でも数トンほどの、ものすごく限られた環境下で寄生虫が爆発的に繁殖して取りつくのとでは次元が違いますよね?
自然界の水の中には、浮遊中の寄生虫やそれらの卵や様々な菌、工場排水、汚水処理場からの排水などが含まれている可能性があるということを意識されることをお勧めします。
仮に加熱処理しても毒物は残ります。
<ご注意>
魚の種類や大きさや数、餌の量によっては、一概には言えないということをご理解ください(^ー^)
また、この方法を公表しているのは、個人がしていることですので、学術的な研究レベルほどでは当然ないにせよ、ホビーレベルの試薬での実験で、十分な効果が得られたため、お困りの方がいらっしゃれば、どうぞお試しくださいと公表しています。
ただし、個別に私自身が立ち会えるわけではありませんので、すべての結果に対して自己責任でお願いします。