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ランチュウを青水で濾過を効かせて飼育

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2018年12月31日 ~ 2019年2月5日 36日間


【実験結果】


青水とリング濾材に定着した濾過バクテリアの組み合わせで、許容範囲内の水質で飼育できることが確認できました。


青水だけでの飼育もしてみましたが、過密飼育なこともあって、亜硝酸塩濃度が高めの値になったりもしました。




【実験の内容】


室内でランチュウを飼っているフネを、青水仕様にしてみました(^ー^)



スポンジ濾過器は植物プランクトンを濾し取ってしまうので撤去し、以前から入れている、カキガラとリング濾材をネットに入れたものを、フネ壁面の角の部分に立てかけてエアレーションすることにしました。


これで起きる水流での濾材への水の循環と、青水やコケの水質浄化能力の相乗効果で良好な水質のまま飼えないかやってみました(^ー^)


室内でも青水の恩恵を受けて育てられればと♪


照明は20w蛍光灯2本で、リング濾材の量は計量カップに入れると300ml分くらいです。量(カサ)で言うとランチュウ6匹と同じくらいでしょうかね。

<実験環境>


[容器] : コンクリート用プラフネ


[水量] : 50リットル (青水) 水温 20℃前後


[濾過] : ネット入り リング濾材 (エアリフト)


[金魚] : ランチュウ6匹 (魚体重合計 300g)

     1匹当りの飼育水 8.3ℓ ・・・ 過密です


[給餌] : 1日3~4回 適量


[照明] : 20w蛍光灯 2本 15時間ほど点灯

この50リットルのフネのメンバーです(^ー^)

体長8センチくらいの当歳魚6匹です。


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実験環境のマンバー 体長・全長・魚体重


体長や全長を合計してどうするんだ?と言われてしまいそうですが、目安にする方もいらっしゃいますので、念のため合計の値を入れました。

青水仕様にしてから12時間。


pH:7、アンモニア濃度:0.2mg/ℓ、亜硝酸塩濃度(NO2):ゼロ、硝酸塩濃度(NO3):30mg/ℓ、総硬度(GH):4、炭酸塩硬度(KH):6(総硬度との逆転はありえませんが;)


3日前に水換え(6割)していますが、良い値です。


餌は午前中に3回与えていまして、青水の濃さは、12時間でほんの少し濃くなっています♪(^^)


ちょっと心配していた、臭いも出ませんでした。リビングなので、臭ったら即レッドカードが出ます(^_^;)

青水仕様にしてから5日経ちました!(^^)


アンモニア濃度がじりじりと 1.2mg/ℓ まで上昇して来ています(^_^;)


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青水の環境でリング濾材での生物濾過-水質の推移

でも、総アンモニア(アンモニア NH3 & アンモニウム NH4+)の値です。




< 本当に危険なアンモニア NH3 >


pH 7.5、水温 20℃ ですと・・・総アンモニアの 約 1%


今日の総アンモニア 1.2mg/ℓ × 1% = 0.012mg/ℓ(NH3)


まだまだ安全な値とみなせます。




アンモニア(NH3)は 0.1mg/ℓ で要注意、0.15mg/ℓ 以上で危険な値と目安にしています。




これはあくまでも我が家で湧いた青水の植物プランクトンについてですが、硝酸塩のある環境では、アンモニアや亜硝酸塩よりも先に硝酸塩を養分として吸収するようですね。


この5日間で、リング濾材の濾過バクテリアの定着が不十分なこともあり、アンモニア濃度と亜硝酸塩濃度は上昇していますが、硝酸塩濃度は低下傾向にあります。




青水の濃さはまだちょうど良い感じでしたが、前回の水換えから8日経ちますので、古水 3割 : 新水 7割 で水換えしました。


ネットに入れてあるリング濾材は、元々は濾過バクテリアがしっかりと湧いた良好な環境から、このフネの環境を立ち上げるために持ち込んだものです。


つい先日まで、ゲンコツ大のスポンジ濾過器が2つ入っており、アンモニアも亜硝酸塩も検出されない状態でした。


そのため、一時的にこのリング濾材に住む濾過バクテリアの数が減少していると思われます。多くの濾過バクテリアはスポンジ濾過器の方に湧いて定着し、持ち込んだリング濾材からは徐々に生息数を減らしていたと思います。


濾過バクテリアは、分解すべきもの(有機物・アンモニア(アンモニウム)・亜硝酸塩)に見合った量以上に増殖することはできません。


加えて、リング形状のため、水中で300ml分ほどの場所を取るカサがあっても、スカスカです。そんな状態でも、ほぼ同等のカサといいますか、魚体重(6匹で 300gほどでしょう)のあるランチュウに餌を多めに与えても、青水やコケと力を合わせて、アンモニアも亜硝酸塩も検出されない状態で十分維持できるとすれば、これからの私自身の観賞魚の飼育スタイルを変えることができそうだと考えていました。

ところで、魚体重についてですが、水の中で浮いたり沈んだり、静止していたりと自由にできますので、水とほぼ同じ重さと考えます。


比重 : 1 と見なし、水と体積も重さも同じと考えます。


一方、300mlの計量カップに収まる濾材の重量は・・・濾材の材質しだいです。




水300ml分の場所を取る濾材と、飼育容器の水に触れる部分に定着する濾過バクテリア+青水+コケ


これらすべての水質浄化能力で、濾材が実質占める容積と同じくらいの魚体重(体積)の金魚に餌をたっぷり与えて、水質も良好なまま飼えないだろうか?という取り組みです。




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リング濾材の量(カサ)


このリング濾材を粉々に砕いてカサを測れば、半分の150ml分もありません。


画像の計量カップの状態のまま、300mlのところまで水を入れると、約160gの水が入ります。


300ml - 160g(=160ml)つまり、このリング濾材の体積は、水約140ml分(=140立方センチ)となります。


同じ300ml分の場所を取るのなら、より粒が小さく、より多孔質な濾材を使用すれば、濾過バクテリアが定着可能な表面積は飛躍的に増えますね?


でも、粒の小さな濾材を青水で使用すると、微細な植物プランクトンまで濾してしまい、濾材と濾材の隙間でそれらが枯れて、有機物として分解され、生物濾過される対象になるものもかなり出てしまい、結果として、青水の維持も、水質の維持にも、どちらにも良くない方に作用しそうですね?


青水、緑色のコケ、そして最小限の濾過で良い状態をキープできるバランス。


これを見極めたいのです(^ー^)

青水仕様にしてから18日経ちました!(^^)


古水 4割(20ℓ) : 新水 6割(30ℓ)で水換えしました。


20wの蛍光灯2本とも新しくしたので、青水がどんどん濃くなります。


蛍光灯でも侮れませんねw( ̄o ̄)w


水質の方はアンモニア濃度、亜硝酸塩濃度ともに横這いですね・・・


アンモニアは 0.1mg/ℓ 前後 亜硝酸塩は 0.5mg/ℓ 前後


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青水の環境でリング濾材での生物濾過-水質の推移

金魚と同じくらいのカサのリング濾材では、青水とコケの水質浄化能力と併せても、少し能力不足なようです。

濾過能力が不足気味な感じでしたので、リング濾材の量を倍にしてみました。


追加するリング濾材には、濾過バクテリアは定着しておらず、どれくらいで定着して活動し始めるのかが試薬の値からある程度分かりそうです(^ー^)


リング濾材を300ml ⇒ 600ml に増量し、6割水換えしてから4日目の状態です。



室内で、水量50リットルのコンクリ用のプラフネに、照明として20wの蛍光灯2本を、水面から20cmほど離して使用していますが、かなり濃い青水になって来ています。


においもなく、結構良い感じです(^ー^)

青水仕様にしてから30日、リング濾材を300ml ⇒ 600ml にしてから12日経ちました!(^^)


蛍光灯20w2本を水面から20cmほど離して照明にしています。これくらいの照明でも、結構青水が濃くなっていたのですが、26日目以降あまり濃くならないようになりました。


リング濾材に濾過バクテリアがしっかりと定着し、どうやら植物プランクトンまでからめ捕られるようになったようですね;


青水の植物プランクトンが相当量、濾材に定着した濾過バクテリアのコロニーにからめ取られ、そこで枯れて有機物としてバクテリアに分解され、水を汚していそうですので、この方法は微量にアンモニアと亜硝酸塩が検出され続けそうですね。


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青水の環境でリング濾材での生物濾過-水質の推移

水換えのたびに、汲み出した飼育水の中で濾材をすすぎ洗いしているのですが、これまでにない濁り具合でした。


水質の方もアンモニア濃度は良いとして、亜硝酸塩濃度は許容範囲内ではありますが、微妙な値が続きました。


水換えのスパンを一週間としたら、途中1・2回濾材をすすげば、からめ捕られた植物プランクトンを除去できて、亜硝酸塩濃度を下げられるのではないかとも思います。


アンモニア濃度 0.1mg/ℓ 前後、亜硝酸塩濃度 0.3mg/ℓ 前後で推移しました。


青水とリング濾材での生物濾過を併用する実験は、ここまでとしました。

引き続き、今度は青水だけだとどのような水質になるかを実験してみました。


環境はこれまでと同じで、50%の水替えをし、濾材はすべて取り出しました。


水量 : 50リットル

総魚体重 : 300g前後

濾材を取り出して6日間、青水だけで飼育してみました!(^^)


過密飼育でしっかりめに餌を与えていることも手伝って・・・


めちゃくちゃな乱高下(^_^;)


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青水の環境でランチュウを過密気味に飼育

3日目までの水質チェックは朝行い、それ以降は光合成が十分された夕方に水質チェックをしました。


3日目と6日目は、朝、夕とその後の水替え直後もチェックしてみました。


底砂のないプラフネですが、アンモニア(アンモニウム) ⇒ 亜硝酸塩 の働きをする濾過バクテリアのニトロソモナス属のバクテリアは割としっかり働いて、亜硝酸塩濃度が大きく波打っていますね(^_^;)


亜硝酸塩 ⇒ 硝酸塩 の働きをする濾過バクテリアのニトロスピラ属も多少は働いているようで、日数が経つほどに硝酸塩濃度が増えています。


濾材は撤去していますが、濾過バクテリアがプラフネの内側に定着して硝化作用をしているようでした。


うちの今の環境で殖えた青水の植物プランクトンは、アンモニア態窒素と硝酸態窒素のどちらをより好むのか、よく分からない結果となりましたが、亜硝酸態窒素をあまり好まないのははっきりしていますね(^_^;)


飼育規模が50リットルと小さく、水質がかなり不安定になるようですので、リング濾材300ml分×2の状態に戻しました。

後日談(^ー^)


2月下旬頃から、リング濾材を水換えのたびに、飼育水でそれまで以上によ~くすすぎ洗いするようになってからは、植物プランクトンがからめ捕られにくくなったようで、青水の濃さがどんどんと濃くなるようになりました。


そのため、3日に一度60%~65%の水換えが必要になってきています。


3月5日、青水飼育も捨てがたいのですが、更水飼育(澄んだ水)に戻しました。




<ご注意>


魚の種類や大きさや数、餌の量によっては、一概には言えないということをご理解ください(^ー^)


また、この方法を公表しているのは、個人がしていることですので、学術的な研究レベルほどでは当然ないにせよ、ホビーレベルの試薬での実験で、十分な効果が得られたため、お困りの方がいらっしゃれば、どうぞお試しくださいと公表しています。


ただし、個別に私自身が立ち会えるわけではありませんので、すべての結果に対して自己責任でお願いします。