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マツモの力で水換え周期の延長 第2弾

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2019年3月22日(4月21日) ~ 2019年5月22日 60日間(31日間)


【実験結果】


最後は硝酸塩濃度が80mg/ℓと割と高めとなり、濃いめのグリーンウォーターとなりましたが、立ち上げから60日間、マツモの水質浄化能力で、水換えは濾材を洗うために要した6リットルだけで乗り切ることができました。




【実験の内容】


マツモの水質浄化能力を利用して、水換えまでの期間を延ばすことができないかの実験です。


この実験は3月22日にリセットした状態から、マツモとゼオライト、液肥(カリウム+微量元素)の力を借りて、水質をチェックしながら餌を与え、水換えすることなく生物濾過を立ち上げた水槽で行いました。


4月21日(リセットから30日)生物濾過が立ち上がった時点で、硝酸塩濃度は 20mg/ℓ ほどでした。


状態の良いマツモを100g残しました。

60cm規格水槽に、水量は50リットル、生体はランチュウ 4匹(総魚体重 約150g)


基準とされる金魚の飼育密度の倍くらいです。


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実験水槽の金魚たちの 体長・全長・魚体重

餌は1日3回、少し多めに与えています。

<33日目>


3月22日にリセットし、その翌日3月23日に魚を入れ、そこから33日目です。


生物濾過が立ち上がってから5日後。



硝酸塩濃度も 25mg/ℓ ほどで、低めに抑えられています。


かなり濃くなりかけていたグリーンウォーターを薄めるべく、投げ込み濾過器(濾材が波板状ウール)を追加して様子を見ていましたが、ようやく薄くなってきました。


薄くなってきた要素はかなり複雑で・・・推測することしかできませんが;


① バクテリアのバイオフィルムでの吸着(からめ捕られる)


② 濾過器のスポンジやウールでの物理的な濾過


③ マツモやコケとの養分の争奪戦


④ 多少は金魚が食べる


が主に考えられますかね?


※ ここからは テトラ 6 in 1 での水質チェックだけで、硝酸塩濃度のみ、経過を公開していきます。

<40日目>


濃かったグリーンウォーターが、すっかり薄くなりました。





ここまで薄まって、硝酸塩濃度も 40mg/ℓ ほどと、マズマズの値ですので、ひとまず水換えはまだ先に延ばせそうです。


屋外の日当たりのよい場所では、しっかりめに遮光しませんと、こうも簡単にはいかないことでしょうが、室内水槽用の照明(蛍光灯20w×2本)の環境下では、主にバクテリアのバイオフィルムでの吸着作用と物理濾過との相乗効果や、競合する植物(マツモやコケ)の力もあって、濃いグリーンウォーターを薄くすることができたと考えています(^^)


なお、植物プランクトンが濾過器の中で詰まって、濾材の通水性が低下したりしないように、また、できるだけバクテリアに分解される前に取り出すべく、1週間で濾材を飼育水で洗いました。


割としっかり餌を与えていますので、硝酸塩濃度がちょっと高めの 40mg/ℓ ほどで安定しています。


投げ込み濾過器(濾材が波板状ウール)を取り出しました。(効果を継続させるためには入れたままの方が良いです)

<50日目>


薄くなっていたグリーンウォーターが、また濃くなってきました。ここへ来て硝酸塩濃度が 50 ~ 60mg/ℓ と高めの値になってきています。



スポンジフィルターとその中のバクテリアのバイオフィルムが、グリーンウォーターの植物プランクトンを濾し取り、内部で枯れて分解されたりしてのことかと思われます。


硝酸塩濃度を上昇させないように、餌を切ったりもしてみましたが、効果は出ず、スポンジフィルターを飼育水で揉み洗いすると、これまでとは明らかに違い、前回の揉み洗いから7日にもかかわらず、黒い搾り汁が大量に出ましたので。


グリーンウォーターが再び濃くなってきましたので、今度は消灯して植物プランクトンの増殖を抑え、メインの濾過器(スポンジ濾過)で濾し取って、スポンジを飼育水で洗って、植物プランクトンを除去するという方法を試してみたいと思います。


硝酸塩濃度は 50mg/ℓ ほどで、まだ許容範囲内ですし、金魚の調子も良い状態ですので、水換えはまだ先に延ばせそうです。


10日前(40日目)に投げ込み濾過器を取り出さず、入れたままにして、定期的に揉み洗いをしていれば、グリーンウォーターが再び濃くなることはなかったことでしょうが、光量を落として、スポンジフィルターで濾し取るという実験も併せて行いたかったので、取り出しました。


水換えできないような場合に、グリーンウォーターが濃くなりすぎるのを防ぐには、まず光量を落とし、可能であれば物理濾過を併用するのが効果的かと思います。

<52日目>


消灯して48時間。


スポンジ濾過器のスポンジを、植物プランクトンがほとんど素通りしてしまったようで、グリーンウォーターの濃さはあまり変わらず、マツモの量も当然変わらず、変わらないだけならまだ良かったのですが、暗い環境に2日間置いたため、マツモが少し勢いを失い・・・;


硝酸塩濃度が グン!と 75mg/ℓ ほどまで上昇(^_^;)


完全に消灯してというのは失敗でしたね。マツモの水質浄化能力を低下させ、水質を悪化させただけという結果。2本の蛍光灯を1本にしてやってみればよかったかもしれません。


スポンジフィルターも、元々が粗めのスポンジで、植物プランクトンのように微細なものは素通りしやすい構造ですが、その粗めのスポンジでも、バクテリアのバイオフィルムでの吸着作用がよく効くのは、つまんでみて少しベタッとするくらいの状態なのですが、今回はサラッとした触感でしたので、そのこともあったことでしょうが、したことが完全に裏目に出ました。


今回の実験は、立ち上げから終了まで60日を目途にしており、あと8日ですので、何もせずこのままでも、多少グリーンウォーターが濃くなっても持ちこたえられるとは思いますが、最後まで、グリーンウォーターの濃さをコントロールすべく、再度投げ込みフィルター(濾材が波板状ウール)を入れて稼働させます。


また、硝酸塩濃度が高くなっていますので、24時間照明と餌切りを併せて行います。

<60日目>


最終的に濃いめのグリーンウォーターの状態で終了となりました。


硝酸塩濃度は 80mg/ℓ と高めの値になりましたが、他の水質はpHが少し低いだけであとは良好です。


<最終日の水質>

pH:6.5、アンモニア濃度:ゼロ、亜硝酸塩濃度:ゼロ、硝酸塩濃度:80mg/ℓ、総硬度:4、炭酸塩硬度:5


<総魚体重の変化>


最後の3日間、餌を切っていましたので、そうなるべくしてなっているのですが、60日前よりも4g(2.7%)減っていました。


例えるなら、100kgのガッチリした人が、2.7kg痩せたと。


餌をしっかり与えれば、すぐに回復する範囲内です。


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実験水槽の金魚たちの 体長・全長・魚体重 の推移

<硝酸塩濃度の推移>


●リセットから 29日目 ~ 40日目

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硝酸塩濃度の推移 29日目~40日目

●リセットから 41日目 ~ 50日目

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硝酸塩濃度の推移 41日目~50日目

●リセットから 51日目 ~ 60日目

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硝酸塩濃度の推移 51日目~60日目

<< 実験の条件や環境 >>



水槽・水量: 60cm × 30cm × 36cm水槽に、水深を下げて 50リットル

マツモ:上記水量に対して、100g 重量比で 0.2% (立ち上げ時は125g)


増殖してきたら、ある程度でトリミングし、食べられて減ったら追加し、食べられないように保護します。


金魚:ランチュウ 4匹(総魚体重 150g)


基準の倍くらいの飼育密度になると思います(^_^;)


ろ過器:スポンジろ過(50リットル程度向けとされているもの)

底砂:なし

餌は 朝・昼・夕 3分ほどで食べきる量を与えます。

水換えはできるだけせず、水質によっては餌を減らします。


どうしても必要な場合、適宜水換え(水質悪化など)


<マツモの量>


リセットから28日目でアンモニアも亜硝酸塩も検出されない、マツモありきで生物濾過が立ち上がった状態になりました。


● 生物濾過が立ち上がった28日目以降


28日目 160g から 100g に減量


33日目 150g に増殖 100g に減量


38日目 172g に増殖 100g に減量


43日目 138g に増殖 100g に減量


48日目 162g に増殖 100g に減量


50日目 116g に増殖 そのまま


53日目 122g に増殖 そのまま


60日目 190g に増殖 実験終了

60日間の水換え量は、濾材のもみ洗いで使った、6リットルほどです。足し水は推定で12リットルほどになると思います。


表層はマツモが占めているため、餌を速やかに沈めるために、餌をあらかじめ水に馴染ませてから、マツモをかき分けて、ざば~っと与えていました。毎日200ml × 60日で12リットルほどです。

濾材を洗うのに汲み出して使った水と、足し水を合わせて、18リットルほどになります。

グリーンウォーターが再び濃くなっての終了となりましたが、今回の実験でさらにいろいろ得られたと思っています。


定期的な水換えは、pHを適正な値に保ったり、生物ろ過で最終的にできて、水草やコケ、植物プランクトンなどによって消費されないと蓄積してしまう、硝酸塩の濃度を下げたり、魚などに害となる菌を減らすためにも必要なことだと思います。


今回は、水換えしたくてもできないケースも想定していますので、できるだけ水換えをせず、実験をしています。

<ご注意>


魚の種類や大きさや数、餌の量によっては、一概には言えないということをご理解ください(^ー^)


また、この方法を公表しているのは、個人がしていることですので、学術的な研究レベルほどでは当然ないにせよ、ホビーレベルの試薬での実験で、十分な効果が得られたため、お困りの方がいらっしゃれば、どうぞお試しくださいと公表しています。


ただし、個別に私自身が立ち会えるわけではありませんので、すべての結果に対して自己責任でお願いします。