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マツモの力で水換え周期の延長

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2018年8月26日(9月19日) ~ 11月1日 67日間(43日間)


【実験結果】


立ち上げから67日間、マツモの水質浄化能力で、硝酸塩濃度をコントロールし、水換えまでの周期を延長できることが確認できました。




【実験の内容】


マツモの水質浄化能力を利用して、水換えまでの期間を延ばすことができないかの実験です。


この実験は8月26日にリセットした状態から、マツモの力を借りて、通常通り餌を与えながら、水換えすることなく生物濾過を立ち上げた水槽で行いました。


9月12日(リセットから17日)生物濾過が立ち上がった時点で、硝酸塩濃度は 50mg/ℓ 前後でした。


ここから、いったんマツモをすべて出し、硝酸塩濃度をあえて 75mg/ℓ まで上昇させ、9月19日に40リットルの飼育水に対して、マツモを30g入れました。


硝酸塩濃度のチェック(テトラ 6in1)

<39日目>


セパレーターを使用してマツモを保護した例


基本的にはマツモを保護せず実験しました。


<61日目>



途中、立ち上げから39日目に、病気予防のため、底砂掃除と、スポンジ濾過器のスポンジを飼育水で洗った際に、50%(20リットル)の水換えをしました。


<水換え前の水質>


硝酸塩濃度:100mg/ℓ、亜硝酸塩濃度:ゼロ、総硬度:8dH、炭酸塩硬度:6dH、pH:7.2 (Tetra 6 in 1)


↑ 水質の値だけ見れば、硝酸塩濃度は高めながら、水換えしなくてもなんとか大丈夫。

<硝酸塩濃度の推移>

● リセットから 18日目 ~ 40日目


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マツモの水質浄化能力で水換え周期の延長

● 41日目 ~ 61日目


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マツモの水質浄化能力で水換え周期の延長

● 62日目 ~ 67日目


マツモの効果を確認するため、62日目から67日目までの6日間、マツモが無い状態で硝酸塩濃度がどのように推移するか確認しました。


マツモの水質浄化能力で水換え周期の延長

マツモが無い状態では、どんどんと硝酸塩濃度が上昇していきました。


元々 75mg/ℓ 以上と高めの値で推移させていましたが、67日目には 130mg/ℓ ほどまでも上昇し、マツモが 硝酸塩濃度の上昇を抑えていたことが確認できました。

<< 実験の条件や環境 >>



水槽・水量: 60cm × 30cm × 36cm水槽に、水深を下げて 40リットル

マツモ:上記水量に対して、30g ~ 50g 重量比で 0.125%(立ち上げ時の半分)


・増殖してきたら、ある程度で間引き、食べられて減ったら追加し、食べられないように保護します。


・消石灰(水草その前に同等)で前処理し、カルキを抜いていない水道水でよく洗って1時間以上つけ置き。


金魚:全長5 ~ 9cm 全部で6匹 ⇒ 5匹(魚体重 50g 弱)


※ 1匹調子を崩し、治療のため隔離


ろ過器:スポンジろ過(50リットル程度向けとされているもの)

底砂:五色砂 厚さ 1cm程度

餌は 朝・夕 2~3分で食べきる量を与えます。

水換えはできるだけせず、水質によっては餌を減らします。


・ どうしても必要な場合、適宜水換え(水質悪化や底砂掃除など)


<マツモの量>



24日目 30g(リセットからの立ち上げに使用したもの)

27日目 20g(新しい元気なマツモ)

35日目 30g になるように追加

39日目 40g になるように追加

45日目 45g に増殖

49日目 55g に増殖

54日目 82g に増殖

56日目 50g になるように調整

61日目 47gに減量(↑から 食べられながらもほぼ維持)

<これまでの経緯を念のため>




実験開始から


6日でアンモニアが ゼロに!


11日で亜硝酸塩もほぼゼロに!


↑ マツモの力を借りた、生物ろ過がひとまず立ち上がりました(^^)




以降はマツモの量を徐々に減らしながら、水質を見守りつつ、マツモを完全に取り除いて、17日目にマツモの力が無くても、正常に生物ろ過が機能しているのを確認しました。


さらに、蓄積する硝酸塩の値を見守りつつ、硝酸塩濃度をマツモの力でコントロールする実験へと移行しました。




途中、病気予防のため、掃除を兼ねた水換えを 39日目に 50%(20リットル)しました。水質的には水換えしなくても大丈夫な値ではありました。

<<実験結果>>


10月26日 リセットから2ヶ月経過した時点で、マツモの量は47gです。


マツモの力で硝酸塩濃度の上昇を抑える

50g入れておいたら、食べられながらも増えてほぼ変わらずです。


<この時点の水質>


硝酸塩濃度:75mg/ℓ、亜硝酸塩濃度:ゼロ、総硬度:8dH、炭酸塩硬度:6dH、pH:7.6(Tetra 6 in 1)




飼育水40リットルに対して、重量比で0.125%(50g)のマツモを入れておくことで、硝酸塩濃度の上昇を抑え、水換えまでの期間を延長できることが確認できました。


※ マツモは水分をよく切った状態で計量しています。



定期的な水換えは、pHを適正な値に保ったり、生物ろ過で最終的にできて、水草やコケ、植物プランクトンなどによって消費されないと蓄積してしまう、硝酸塩の濃度を下げたり、魚などに害となる菌を減らすためにも必要なことだと思います。


今回は、水換えしたくてもできないケースも想定していますので、できるだけ水換えをせず、実験をしています。


実験のため、硝酸塩濃度を敢えて高めで推移させていますが、実際にはもっと低い値 50mg/ℓ 以下、できれば 25mg/ℓ 前後で推移させる方がより安全だと思います。

<ご注意>


魚の種類や大きさや数、餌の量によっては、一概には言えないということをご理解ください(^ー^)


また、この方法を公表しているのは、個人がしていることですので、学術的な研究レベルほどでは当然ないにせよ、ホビーレベルの試薬での実験で、十分な効果が得られたため、お困りの方がいらっしゃれば、どうぞお試しくださいと公表しています。


ただし、個別に私自身が立ち会えるわけではありませんので、すべての結果に対して自己責任でお願いします。