2019年3月6日 ~ 3月16日 10日間
【実験結果】
金魚を基準の4倍以上の超過密飼育で、餌もしっかり与え、小さなスポンジ濾過器ひとつで飼育してみました。硝酸塩濃度は高めの値になりましたが、1週間程度で水換えするならキープできそうな結果となりました。
【実験の内容】
飼育水40リットルに、ゲンコツサイズのスポンジ濾過器をひとつで、小さいサイズから大きいサイズまでの8匹の金魚に対して、餌は一日4回しっかり与えます。
水質はどのように推移し、何日目で水換えとなるか実験しました。
また、マツモ50gがこの環境でどの程度、硝酸塩濃度の上昇を抑えられるかも併せて見てみました。
60cm規格水槽 : 水深を下げ40リットル 水温 22℃前後 ※ フタあり
濾過器 : スポンジ濾過器(50リットル以下用)
生 体 : 金魚 小さいサイズから大きなサイズ8匹
(総魚体重 約240g)
給 餌 : 1日4回 数分で食べる量
↓ タップ(クリック)すると大きな画像を 新しいページで開いて表示します。 ![]() |
実験前に、60cm金魚水槽の底砂を撤去し、全水換えし、さらにスポンジ濾過器を飼育水でよく揉み洗いしました。
2日後
ほんの少し透明度が低下しています。
pH:6.5、アンモニア濃度:0.1mg/ℓ、亜硝酸塩濃度:ゼロ、硝酸塩濃度:15mg/ℓ、総硬度:4dH、炭酸塩硬度:5dH
五色砂を撤去した上に、過密飼育で餌をガンガン・・・
pHがちょっと低いですね。カキガラを25g入れてそのまま様子を見ました。
総アンモニア濃度 0.1mg/ℓ の内、そのほとんどが比較的安全なアンモニウム(NH4)で、危険なアンモニア(NH3)はほぼゼロでしょう。
これだけ金魚を入れて、餌をしっかり与えても、適合サイズのスポンジ濾過ひとつで十分濾過できていますね~!
さらに少し透明度が低下;
pH:7.0、アンモニア濃度:0.1mg/ℓ、亜硝酸塩濃度:0.1、硝酸塩濃度:40mg/ℓ、総硬度:4dH、炭酸塩硬度:5dH
カキガラを25g入れた効果で、pHが 6.5 → 7.0 と中性になっています。
亜硝酸塩が少しだけ検出されましたが、微量と言ってよいレベルです。
ゲンコツサイズのスポンジ濾過、なかなかの濾過能力です!!w( ̄o ̄)w オオー!
硝酸塩濃度がそろそろ高めになってきています;
あと2・3日待って、実験開始から6・7日で水換え予定です。
さらに透明度が低下(^_^;)
pH:6.0、アンモニア濃度:0.1mg/ℓ、亜硝酸塩濃度:0.15mg/ℓ、硝酸塩濃度:75mg/ℓ、総硬度:4dH、炭酸塩硬度:5dH
カキガラを25g入れていても、それでは足りないようですね。pHが6まで下がっています。
アンモニア濃度と亜硝酸塩濃度は微量と言えるレベルです。
水は白っぽく水質が悪そうに見えますが、計測してみるとそうでもなく、臭いも正常です。
水質も許容範囲内でおさえています(^^)
硝酸塩濃度が75mg/ℓと高くなってきました。
水換えを予定していましたが、他の水槽でマツモがたくさん殖えましたので、急遽マツモを50g入れて、ここからの経過を見ました。
さらに透明度が低下(^_^;)
グリーンウォーター化し始めました。
pH:5.0、アンモニア濃度:0.1mg/ℓ、亜硝酸塩濃度:ゼロ、硝酸塩濃度:75mg/ℓ、総硬度:4dH、炭酸塩硬度:5dH
カキガラ 25gのままでは、pHが 5までも下がってしまいました。
マツモが硝酸塩を吸収することでpHが低下するのをもっと防いでくれるかとも期待していたのですが、危険な値になっていますので、カキガラをさらに50g追加し、全部で75gとしました。
アンモニア濃度は変わらず微量で、同じく微量に検出されていた亜硝酸塩はゼロに。
おそらくですが、濾過バクテリアによる硝化作用と、マツモとグリーンウォーターによる吸収の相乗効果だと思われます。
マツモとグリーンウォーターの作用で、硝酸塩濃度が75mg/ℓと高めではありますが、入れている金魚の数と餌の量にしては、硝酸塩濃度の上昇を抑えられているように思われます。
10日後
さらにグリーンウォーターが濃くなりましたが、グリーンウォーターとしては、まだまだ薄いです。
pH:5.5、アンモニア濃度:0.1mg/ℓ、亜硝酸塩濃度:ゼロ、硝酸塩濃度:150mg/ℓ、総硬度:8dH、炭酸塩硬度:5dH
カキガラを 75gに増量して2日、pHが 0.5上昇しましたが、まだまだ低すぎる値です。
アンモニアは変わらず微量に検出されますが、亜硝酸塩はゼロのままです。
マツモは3月12日にこの環境に入れてから4日間で、食べられながらも増殖し、50gから60gになりました。
養分不足でピンクや白っぽくなっていましたが、富栄養なこの環境で、キレイなグリーンに戻り、葉や茎も立派になりました。
硝酸塩濃度が高過ぎますし、pHも低すぎますので、ここで打ち切り、水換えしました。
飼育水40リットルでの金魚飼育の基準を仮に、総魚体重で 50g ~ 60g とさせてもらうとすれば・・・
4倍以上の超過密飼育で、なおかつ、餌もしっかり与えたため、硝酸塩の蓄積するペースがかなり早く、50gのマツモでは硝酸塩濃度の上昇を抑えきれませんでした。
また、pHが5まで低下してから、カキガラを75gに増量しましたが、わずかに0.5ほどpHが上昇したにとどまりました。最初からこの量を入れていればまた違ったことでしょう。
それでも、50リットル向けのゲンコツサイズの小さなスポンジ濾過器ひとつで、他に底砂も何もなく、これだけの魚を入れたうえで、餌もしっかり与えて、アンモニア濃度も亜硝酸塩濃度も微量なレベルで維持できていたのは、個人的には新たな発見でした。