20000701▼作品設定
『シリー・ウォーへの道』（１）
巻頭詩
未来、未来、もうすこし未来。 おおむね何千年ほど未来のこと。 ひとりの無邪気な美しい少女が、 戦争という名のスプーンを持って 銀河という皿のスープをかきまぜました。 スープは善い人たちの生き血を泡立てて、 そして善くない人たちの臓物を浮かべて、 かぐわしい悪の香りを放ちましたとさ。
未来、未来、もうすこし未来。
おおむね何千年ほど未来のこと。
ひとりの貧しい平凡な少女が、
忍耐という名のスプーンを持って
銀河という皿のスープをかきまぜました。
善い人たちの流した血は返らず、
善くない人たちの臓物は腐ったままでしたが、
それでも彼女は手を休めず、
かきまぜ続けました。
やがて手が疲れて、倒れそうになったとき、 あきらめかけた彼女の手を、
だれかの手がささえました。
そして汚れたスープは、
ほんのすこしきれいになりましたとさ。
ＳＩＬＬＹ ＷＡＲ
シリー・ウォー……無邪気な戦争。
このガイドブックは すべてを手に入れた特別な少女と すべてを失った平凡な少女が 銀河の命運をかけて対峙した シリー・ウォーの時代に至るまでの 歴史と設定を解説するものです。
……秋山完
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20000701▼作品設定『シリー・ウォーへの道』（１）巻頭詩