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 委嘱委員会のページ

      2012年10月末(締切)公募分への応募作品(28作品)のご紹介

  組曲「みどりの風に」歌詞公募エントリ−作品

                    

     No1 疑問符                  No15 さあでかけよう〜青い鳥を探しに
     No2
 去りゆきし 友へ             No16 しゃぼん玉〜ふんわり ふわふわ
     No3
 おもいで                 No17 幸せのバトン〜百年後の君たちに
     No4
 悲鳴                   No18 ありがとう あなた
     No5
 未来へと                 No19 希望 
     No6 砂漠都市                  No20 年老いた若者へ    
     No7
 季節 秋                 No21 手紙
     No8
 桜いろと虹いろの風            No22 しあわせ
     No9
 国見櫓                  No23 つながる
     No10 秋を呼ぶ風                No24 るりびたき          
     No11 sympathy                 No25 街道幻想                 
     No12 sympathyU 小さな音楽会         No26 今 できること
     No13
明るく生きる               No27 あなたの未来へ
     No14
山頂                   No28 思い出の頃

                         [提出順:2012.11.3現在]

        ※ 作品名をクリックいただくと、歌詞(作品)に移動します。




No1



               
            疑 問 符

 

     1、なぜ

       こんなことになった

     これからどうなるのだ

     待て

     それでいいのか

     それはどういう意味だ

     私たちのまわりに渦巻く

     怒号と疑問符

 
          故郷から消えていく

     川でおどる鮎たち

     すきとおる秋空の赤トンボ

     それはゆがんだ豊かさの代償

 
       かけがえのないこの清流と青い海を

     ふるさとの山と緑の風を

     穢してきた者はだれだ

     私たちではなかったか

     答にとまどう疑問符

 

     2、どうして

       とめられないのだ

       どうなるかわかっているのか

       すぐに

       やめなければいけない

       それはあやまった道だ

       私たちにつきつけられた

     恐怖の疑問符
  

   故郷がこわれていく

   うさぎの山と小鮒の川

   崩される山、埋められる川

   それはゆがんだ豊かさの代償
 

   かけがえなない私たちの歴史を

   ふるさとに流れた平和の時を

   奪おうとするのはだれだ

   私たちではないのか

   答えに苦しむ疑問符 

 

   3、やめて

     そんなこわいこと

     なんのためなのですか

     おねがい

     これ以上そんなこと

     くりかえさないでください

     私たちを見上げている

   澄んだ瞳のなみだ

 
         いま聴こえる

   罪のない子どもの嘆き

   生まれてきたことを悲しむ子ら

   それはゆがんだ豊かさの代償

 
         かけがえのないこの子たちの未来を

   ふるさとと世界を

   守っていくべき者はだれだ

   私たちではないのか

   答えなければならない疑問符




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No2


 

        去りゆきし 友へ

 

      春山淡冶にして笑うが如く
 

     ふるさとの風やわらかく山笑う

     春風にさそわれ出たる 満月や

     杯に 桜ひとひら浮かべたり

     ひと椀の 菜の花めでる 友の笑み

 


      夏山蒼翠にして滴るが如く

 
        山したたり 絹雲の下 杉木立

     遠ざかる白雲 峠を越えゆきて

     峠道 麦わら帽子で越える人

     故郷を旅立つ友に夏の風 

 

      秋山明浄にして粧うが如く

 
         山装う 色着く木々に風わたる

     秋風よ 運び来たれよ 友の声

     名月や 大志をなさんと 便りあり

     遠き友 ひぐらしの声を聞かせたし

  

     冬山惨淡として眠るが如く

 
         初雪に 故郷の山は薄ごろも

     雪深く 山眠りけり 音もなし

     つつがなく過ごせよ友よ 寒空に

     春雷に 目覚める山に 帰れよと




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No3



         お も い で  

 

      瞳を閉じて

      まぶたに浮かぶ眩しさを

      朝日を浴びて光輝く川のせせらぎを

      アユが飛びかうあの光景

      ほのかにただようスイカの香り

 

      瞳を閉じて

      子供たちの笑い声

      真っ黒に日焼けた子供たち

      泳ぎたわむれ高さを競い

      飛び込むおおきな ゆうき

 

      瞳を閉じて

      心ときめく優越感

      みどり深まる草原や

      遠く見渡すあの光景

      小高い山の秘密基地





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No4


 

   
        悲 鳴

 

      木々は泣いている

      私たちは森を豊かに

      川魚を育て海に富をもたらした

      そして人々に微笑みとしあわせを与えた
 

      しかし人々は欲望や便利さを求め

      私たちの兄弟歴史までなくそうとしている

      山を崩しダムを造り魚たちの命をうばい

      海や空まで悲しませている
 
  
        だが人々は自然の驚異水害に怯えている

      そしてやっと一部の人々が

      私たちの大切さに気づき

      子供たちを育て森や山を豊かに

      川の汚れをさらい

      魚達を呼び戻そうとしている

      木が 森が 山が大切だと・・・




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No5



          未来へと

 

      時の流れはさまざまに

      徒歩から車へ新幹線 

      電話 携帯 スマートフォン

      時間を争いおわれる社会 ゆとりの少ないビル社会

      やさしさ忘れる 人 心

 

      宇宙(そら)への思いが実現し

      星をみつめ夢ふくらませ 流れ星に心ときめく

      行ってみたいと願った人類 

      先を争い打ち上げ競争

      今は宇宙から見つめる地球

 

      住居の発展進化して

      争い中から得た科学

      経済重視の背景に 夜にきらめく都市空間

      安全確認置き去りの

      恐怖に蓋するその力




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No6


    

        砂 漠 都 市

 

      人と人との心の分かち合い

      昔はあったよね!

      今は隣も他人びと

      ああ 心の砂漠都市

 

      あいさつの言葉も少ないビル社会

      昔は親しみあったよね?

      隣の室は別世界

      ああ ビルの群れ砂漠都市

 

      緑の少ない砂漠都市

      コンクリートの砂漠都市

      昔は木の香りのした街並みが

      遠く見渡せる街並みが

      心通わぬ砂漠都市

      ビルとアスファルトの砂漠都市

      温暖化の砂漠都市





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No7




       季節 秋

 

     豊かな緑 固く小さなつぼみから

     暖かいそよ風に誘われて芽を吹き大きくなった若葉

     雨や風に揺らされ光を浴びて力強い葉っぱたち

     身体も大きく自信に満ちた季節 秋

 

     こい緑 さわやかな涼しい風に心ときめく

     ザワザワと風に揺らされ歌を奏でる

     綺麗な花に心くすぐる素敵な香り

     匂いに誘われ鳥や虫たち 愛を奏でる

     豊かに実らせ豊潤に

     赤やきいろ 色とりどりに着飾って

     厳しい冬に向かってのたくわえの時

     鳥や動物達の営みささえる季節

 

     人々が豊漁・豊作 祭りごと

     みこし だんじり 祭りの季節

     笛やたいこの おはやしに

     飲めや唄えの大にぎわい

     豊作よろこぶ秋祭り

  

     華やかに輝く季節 秋

     色っぽく恋する季節 秋

     豊かに実り豊作を祝う季節 秋




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No8



      桜いろと虹いろの風

 

     まぶしい朝の光あびて
  
     桜の花びら 輝く

     ほーら 聞こえるよ

     子どもたちの笑い声

     いつまでも いつまでも

     元気でと 祈っている

     夢運ぶみどりの風が

     桜いろに染まって

     どこまでも どこまでも

     吹いている



     5月の朝の雨あがり

     空高く 虹輝く

     ほーら 見えるよ

     子どもたちの笑顔

     いつまでも いつまでも

     幸せを祈ってる

     夢運ぶみどりの風が

     虹いろに染まって

     どこまでも どこまでも

     吹いている 



     桜いろと虹いろの風に

     子どもたちの輝く未来を

     祈ってる

     いつまでも いつまでも




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No9


   

     国 見 櫓

 

しずかに静かに 風が呼んでいる

此処へ此処へと 雨降るな

雨降るなと 祈ってくれる

平野を見降ろす 高台に風が

静かに来てねと 呼んでいる

密かな岩影に 名も知らぬ花

また来るねと 別れを告げて

一歩また一歩 高台へ高台へ

優しい風が待っている

素晴らしい眺め ひと時の

ひと時の ひと時の

静かな風の中で 疲れも忘れ

懐かしき思い出に 心静かに

心静かに またねと別れを告げて

風にまたねと 別れを告げて





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No10



       秋を呼ぶ風

 

山の裾から吹き抜ける 風が生まれる秋の風

落ち葉を運び 愛 夢を 希望を のせて 吹く風よ

   

  すそのを走り 木をなぞり

  谷の小川を吹き抜ける

  峰越え 尾根越え 夢を載せて 風よ風よ 愛の風

  どこへ行くのか 秋の風

 

  風に命が包まれる 風に命よ秋の風

尾根の小道を 岩肌を ぬける 緑の秋の風

 

愛のせ 夢のせ 思いのせ 吹き抜ける愛の風

峠を走り 峰はしり あさひを友に 吹き抜ける

モズや カワセミ友として 吹き抜ける 愛の風

ふもとに 走り 愛のせて 吹き抜ける 愛の風

 

まばゆい光が 夢のせて 風に包まれ 秋の日を

はるかな 夢が 愛つつみ あきのはじまり 愛の風

緑の風が秋包み

 

夏の思い出 風にのせ

愛の思いを 風にのせ

 

山のふもとに 吹き抜ける 愛と夢の 秋の風

愛を育てる 秋の風

愛を育てる 秋の風





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No11


 

   sympathy(しんぱしいー)

 

とてもたいせつなことがある

そのひとの気持ちにそっと寄り添ってみると

しあわせなきもち、

悲しい気持ちが、わかる

わかることはともに感じること

人と人をつなぐこと

 

とてもたいせつなことがある

まわりの自然にそっと寄り添ってみると

夏の夕べのあざやかさ、

秋風のさわやかさが、わかる

わかることはともに感じること

自然と人をつなぐこと

 

優しい気持ちで寄り添って

わかりあえるよろこびを

感じあえるしあわせを

いつまでも、いつまでも

たいせつに





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No12


 

sympathy(しんぱしいー)U 
 小さな音楽会

 

  子どもたちが唱ってる

  思わぬ別れや悲しみ越えて

  目をきらきら輝かせ

  空にむかって唱ってる

 

 

   大人たちが聴いている

彼らの歌を一心に

涙をいっぱい溜めたまま

からだじゅうで聴いている

 

その歌は、今、子どもと大人を

しっかりつなぐ

心と心をかよわせて

ひとがわかり合える喜びが

世界中に響きわたる

 

その喜びは毎日を

しっかり生きていこうと

やさしく大きな力をくれる




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No13


  

     明るく生きる。

 

   悲しいこと、

苦しいことがあるとしても

心にあかりを灯してほしい

空を見上げてうたってほしい

さわやかな風を感じてほしい

そして、毎日、明るく生きてほしい

 

予期せぬ別れや

さびしいことがあるとしても、

新しい出会いを楽しみに

空を見上げて歌ってほしい

さわやかな光を感じてほしい

そして、毎日、明るく生きてほしい

 

昨日、今日、明日 ずっと続く人生を

いっしょに、みんなで明るく生きていこう





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No14



       頂 

 

 一歩ずつ、一歩ずつ 

 自分の足もとを見つめながら

 ゆっくり、ゆっくり登っていく

 

 この先に待っていることなど

 全く気にもかけないで

 一本の道を

 苦しみながら、自分の気持ちと向き合いながら

 ただ、ひたすら登っていく

 

 その時、突然視界の先で

 山頂が、にこにこ迎えてくれた

 やさしく、やさしく迎えてくれた

 緑の尾根や白い雲海も

 いっしょになって

 これまでの一歩、一歩が

 正しかった、ひたすらだったと

 祝福してくれた

 

 山頂で誰かが

 聞かせてくれたハーモニカ

 なぜだか涙が止まらなかった

 

 山頂、人と自然と音楽が

 よろこびあふれて

 こだまする




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No15


 

   
 さあ でかけよう 〜青い鳥を探しに

                     

 さあ でかけよう 

 青い鳥を 探しに

 幸せ運ぶ 青い鳥

 

 どこに いるの? 青い鳥

 あふれる人

 あふれる車

 あふれる音

 

  でも 街は なんだか疲れてる

 私の心も 寂しそう

 

 どこに いるの? 青い鳥 

 空へつながるビルの上 

 風にゆらめく水面

 雨あがりの公園 

 ・・・・

 

 さあ でかけよう 

 青い鳥を 探しに

 幸せ運ぶ 青い鳥

 

  いつか 出会えるさ 

 いつか きっと・・・





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No16


 

   しゃぼん玉 〜ふんわり ふわふわ

                    

 ふんわり ふわふわ しゃぼん玉

 風に吹かれて 浮かんでる 

 みんなの笑顔が 光ってる

 

 ふんわり ふわふわ しゃぼん玉

 まあるく 大きく ふくらんだ 

 わたしの夢も ふくらんだ

 

 ふんわり ふわふわ しゃぼん玉

 木漏れ日 やさしく受け止めて

  虹色の想い 包んでる

 

 ふんわり ふわふわ しゃぼん玉





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No17


   幸せのバトン 〜百年後の君たちに

 百年後の君たち 

 君たちは 何をしていますか

小鳥のさえずりに 耳を傾けていますか

野に咲く小さな花に 心を止めていますか

 

 今、私たちは 何をしていますか  

 君たちのために・・・

 

地球を 汚さないで!

平和を 壊さないで!

自由を 奪わないで! 

 

 百年後の世界から 

 君たちの叫ぶ声が 聞こえてくる

 

  今日は 明日に 未来に つながっている

 この瞬間も・・・

 

  歌うこと それは生きること 

 歌は  君たちへのバトン

 今生きている想いを 歌声に乗せて

“幸せのバトン”を 手渡そう

 

 百年後の君たちに 





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No18


 

 ありがとう あなた


あなた 

あなたと歩いてきた道を ふり返る

白い月の光に 照らされて

思い出が また一つ 蘇る

 

あなた 

あなたは 今 どこにいるの?

夜空にまたたく 真砂の星

あなたのぬくもり 探してる

 

いえいえ 

あなたは いつも 

私の心の中で 輝いている 

 

そっと 伝えよう 

「ありがとう」を

大切なあなたへ・・・






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No19

 

    希 望

 

闇を越え

 

心は時間を渡っていく 

光をもとめ 

空間も距離をも組ひしぎ 

そこへ行けばなにがあるのか 

ひたすらおもむくままに 

日常を振り捨て 

一歩一歩 

待っているものはあるのか 

諦めずにじるように 

それでもただひたすら 

前を向いて





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No20



   年老いた若者へ

 

  空気を読むより風をよめ

  舳先を風上に立てろ

  雄々しい未来が呼んでいる

よどむ流れに潜むのは諦めと悲しみ

いまこそ むねをはばたかせろ

ぶんぶん歌っている風は決して泣かない


空気を読むより風をよめ

おまえの後ろに航跡が残る

盛り上がる波の背がおまえを高みへと押し上げる

いまこそ うでをきしませるのだ

食い込むつなが船を踊らせる

さあ!朝日にこぎだせ

金色の波がてりかえす




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No21



 
   手 紙

 

  ええ お返ししますよ

お借りしたものだから

 

愛しているかって

ええ

だって これしかないんだもの

この世に うかびでたときから

わたしが 選ぶことなんて出来はしなかったし

 

ええ お返ししますよ

もともと わたくしのものではないんだし

このうちも おかねも かたちあるすべてを

そして 愛する人も 親も子も友も

最後には 大切な思い出たちも

こっけいなことに 恥ずかしいことに

一瞬 ここだけは これだけは 

わたしのもの?と

世迷いごとを思った日々もありました

 

ええ それは わたしだけじゃないんですよね

存在するもの すべてが

そのことわりのそとにはいられないのですね

 

ああ ながれる とき の轟音がきこえます

一瞬の 永遠が ながれていきます




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No22




        
しあわせは

 

ひとは しあわせになろうと 生まれてきた 

ひとは しあわせになろうと さまよう 

ひとは しあわせになろうと きずなう 

つよいひとは そのとなりのひとと 

しあわせをつかもうとする 

より強い人は その くにをたちあがらせ 

しあわせのさかをのぼろうとする 

より弱く 優しいひとは このちいさなほしの 

すべてのひとの しあわせを つむぐ 

しあわせは かぞることではなく かんじること 

しあわせは うつむきさがすことではなく うたうこと 

しあわせは あなたとともに いきること




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No23

 

    つ な が る

 

 こどもとこども、おとなとこども、おとなとおとな、などなど。

 人と人とが「つながる」こと。気持ちと気持ちが「つながる」こと。

  そのとき、からだのどこかで音がする。

  わくわく、「ぴょん」。 どきどき、「ぴょん」。 「ぴょん」、「ぴょん」。

 

 そういえば、なにかが、「わかった」ときも……。

   わくわく、「ぴょん」。 どきどき、「ぴょん」。 「ぴょん」、「ぴょん」。

  なにかと、なにかが「つながる」ときが、「わかった」とき。

 合点がいく、目から鱗、腑に落ちる、などなど。

 

 人でも、なんでも、 

「つながる」ときに「ぴょん」と音がする。

 あなたと「ぴょん」、あしたも「ぴょん」、じぶんで「ぴょん」、どこかで。

「ぴょん」が、「つながる」、「つながる」。

 つながって、つながって、つながって……。

 

「わたし」は、だんだん涙もろくなってきた。

 

「ぴょん」



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No24


    る り び た き 

                    

 待っていたよ ニュータウンの公園で

 クリスマスまでには 会えると思っていた

 瑠璃(るり)色の翼と胸にオレンジのワンポイント

 つぶらなまん丸の目をした るりびたき

 

 あるときは 茂みの中をちょろちょろ 

 あるときは 枯れ枝で尾羽を震わせたたずんでいる

 

 ラジオ体操のおじさんおばさん 鬼ごっこのこどもたち ゆうべの散歩の犬たち

 誰にも気づかれず 公園のさわさわした風の中で きみはひっそりとつぶやくだけ

 ぼくは 6丁目の公園を通って 一つ先のバス停まで歩くよ

 きみが居る間だけ

 ニュータウンの公園が 瑠璃色の生命(いのち)が入った宝石箱になる

 きみが山に帰る 雪解けの頃まで

 

 きみに会えるのは 今年で3年目

 冬になると ニュータウンの小さな公園にやってくる

 君のことを知っているのは ただひとり 

 ぼくだけ




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No25



   街 道 幻 想 

           

 東の街道を駆けのぼる

 古代からつづく巡礼の道

 かつての村の数だけ通り過ぎる 古い酒屋や秋祭りの提灯

 百舌鳥(もず)の高鳴き 秋桜(コスモス)の彩(いろど)り 金木犀(きんもくせい)の香り

 稲穂が放つ空気 背中で感じる車の気配

 とらえた感覚を めまぐるしく脳に入力しながら ぼくは東の街道を駆けのぼる

 太古から受け継いできた ぼくの心臓の鼓動

 その鼓動と呼吸とを ピッチを正確に刻んで 東の街道を駆けのぼる

 

 西の街道を駆け下りる

 聖地へとつづく巡礼の道

 アスファルトで固められた道を 脳の中で過去の姿に変換する

 開拓する近世の農民 中世の武装騎士団 古代の貴族達の巡礼 過去の映像を追い越していく

 脳内物質が幻覚を反応させながら ぼくは西の街道を駆け下りる

 太古から受け継いできた ぼくの心臓の鼓動

 その鼓動と呼吸とを ピッチをどんどん上げて 西の街道を駆け下りる

 

 まっすぐに伸びる 誰もいない街道

 ピッチは限界を超え 重力からも解き放たれて ぼくは疾走する

 周りの景色から文明の気配が消え いつのまにか道も消えている

 そして突然 目の前に太古の森が立ち現れる

 ぼくはなおも疾走し 太古の森へと突っ込んでいく

 まっすぐに




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No26



   今 できること

 

  今 私にできること

  それは 心をこめて歌うこと

  ひとつひとつの言葉に添えて

  あなたの心に響くよう 

 

  今 私にできること

  それは 微笑み返すこと

  いつもいつも変わらぬ愛を

  あなたが笑顔になれるよう 

 

  今 私にできること

  それは 寄り添い歩くこと

  ゆっくりゆっくり転ばぬように

  あなたが歩みを止めぬよう  

 

  今 私にできること

  それはあなたの幸せ祈ること

  今日も明日も見つめていたい

  あなたの夢が叶うよう






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No27




    あなたの未来へ

                     

  まっすぐに私を見つめる瞳に

  キラキラと澄みきった まあるい瞳に

  私は何を見せてあげよう

  魚たちの泳ぐ青い海原を

  虫たちの遊ぶ緑の大地を

  豊かな豊かな この地球の命を

  あなたに見せてあげよう

  あなたの大切な未来へ

 

  はずんで私に話しかける口びるに

  ニコニコと明るくほほえむ口びるに

  私は何を伝えてあげよう

  愛を奏でるメロディーを

  語りつがれるストーリーを

  美しい美しい この地球の絆を

  あなたに伝えてあげよう

  あなたの大切な未来へ

 

  しっかりと私とつなぐ手のひらに

  フワフワとやわらかい小さい手のひらに

  私は何を残してあげよう

  手をさしのべるやさしさを

  手と手を合わせ祈る心を

  大きな大きな この地球の平和を

  あなたに残してあげよう

  あなたの大切な未来へ

 

  永遠(とわ)に続く 地球の鼓動が

  過去から現在(いま)へ そして未来へ

  続きますように
  
  あなたの大切な大切な未来へ




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No28




      思い出の頃

     

   せせらぎを聞いた河川敷

   空や雲をよく眺めた

   時の流れがゆっくりで懐かしいあの日

     

   帰り道に摘んだクローバー

   友だちと一緒に探した

   みんなの元気が満ち溢れたあの夏の日

     

   遠足で登ったあの登山道(みち)

   緑の匂いに包まれた

   木漏れ日の中に汗をぬぐう仲間がいた

     

   今もあの道はあるのだろうか

   川のせせらぎはどんなだろうか

     

   今はもう時が過ぎてしまったけれど

   確かにそこに私がいた

     

   みんなで歌ったあの舞台

   素敵なハーモニーに包まれた

   ライトの中で歌う仲間の笑顔

     

   今はもう時が過ぎてしまったけれど

   確かにそこに私がいた

     

   今、私は仲間と歌う

   あの日のように

   思い出のように

   未来の私に届けと



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以上の28作品です。ありがとうございました。  感謝(委嘱委員会一同)