第1条 この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする。
2 刑法(明治40年法律第45号)
第35条の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であつて前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする。但し、いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行為と解釈されてはならない。
第2条 この法律で「労働組合」とは、労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう。但し、左の各号の一に該当するものは、この限りでない。
1.役員、雇入解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者、使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの
2.団体の運営のための経費の支出につき使用者の経理上の援助を受けるもの。但し、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、且つ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
3.共済事業その他福利事業のみを目的とするもの。
4.主として政治運動又は社会運動を目的とするもの。
第3条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者をいう。
第5条 労働組合は、労働委員会に証拠を提出して
第2条及び第2項の規定に適合することを立証しなければ、この法律に規定する手続に参与する資格を有せず、且つ、この法律に規定する救済を与えられない。但し、
第7条第1号の規定に基く個々の労働者に対する保護を否定する趣旨に解釈されるべきではない。
2 労働組合の規約には、左の各号に掲げる規定を含まなければならない。
1.名称
2.主たる事務所の所在地
3.連合団体である労働組合以外の労働組合(以下「単位労働組合」という。)の組合員は、その労働組合のすべての問題に参与する権利及び均等の取扱を受ける権利を有すること。
4.何人も、いかなる場合においても、人種、宗教、性別、門地又は身分によつて組合員たる資格を奪われないこと。
5.単位労働組合にあつては、その役員は、組合員の直接無記名投票により選挙されること、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その役員は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票により選挙されること。
6.総会は、少くとも毎年一回開催すること。
7.すべての財源及び使途、主要な寄附者の氏名並びに現在の経理状況を示す会計報告は、組合員によつて委嘱された職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書とともに、少くとも毎年一回組合員に公表されること。
8.同盟罷業は、組合員又は組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票の過半数による決定を経なければ開始しないこと。
9.単位労働組合にあつては、その規約は、組合員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その規約は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと。
第6条 労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者は、労働組合又は組合員のために使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉する権限を有する。
第7条 使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
1.労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。
2.使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと。
3.労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること。ただし、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、かつ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
4.労働者が労働委員会に対し使用者がこの条の規定に違反した旨の申立てをしたこと若しくは中央労働委員会に対し
第27条の12第1項の規定による命令に対する再審査の申立てをしたこと又は労働委員会がこれらの申立てに係る調査若しくは審問をし、若しくは当事者に和解を勧め、若しくは
労働関係調整法(昭和21年法律第25号)による労働争議の調整をする場合に労働者が証拠を提示し、若しくは発言をしたことを理由として、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること。
第8条 使用者は、同盟罷業その他の争議行為であつて正当なものによつて損害を受けたことの故をもつて、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない。
第9条 労働組合は、共済事業その他福利事業のために特設した基金を他の目的のために流用しようとするときは、総会の決議を経なければならない。
第10条 労働組合は、左の事由によつて解散する。
1.規約で定めた解散事由の発生
2.組合員又は構成団体の4分の3以上の多数による総会の決議
第11条 この法律の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受けた労働組合は、その主たる事務所の所在地において登記することによつて法人となる。
2 この法律に規定するものの外、労働組合の登記に関して必要な事項は、政令で定める。
3 労働組合に関して登記すべき事項は、登記した後でなければ第三者に対抗することができない。
第12条 法人である労働組合には、1人又は数人の代表者を置かなければならない。
2 代表者が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、法人である労働組合の事務は、代表者の過半数で決する。
第12条の2 代表者は、法人である労働組合のすべての事務について、法人である労働組合を代表する。ただし、規約の規定に反することはできず、また、総会の決議に従わなければならない。
第12条の3 法人である労働組合の管理については、代表者の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
第12条の4 法人である労働組合の管理については、代表者は、規約又は総会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
第12条の5 法人である労働組合が代表者の債務を保証することその他代表者以外の者との間において法人である労働組合と代表者との利益が相反する事項については、代表者は、代表権を有しない。この場合においては、裁判所は、利害関係人の請求により、特別代理人を選任しなければならない。
第12条の6 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)
第4条及び
第78条(第8条に規定する場合を除く。)の規定は、法人である労働組合について準用する。
第13条 解散した法人である労働組合は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。
第13条の2 法人である労働組合が解散したときは、代表者がその清算人となる。ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は総会において代表者以外の者を選任したときは、この限りでない。
第13条の3 前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、清算人を選任することができる。
第13条の4 重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、清算人を解任することができる。
第13条の5 清算人は、解散後2週間以内に、主たる事務所の所在地において、その氏名及び住所並びに解散の原因及び年月日の登記をしなければならない。
2 清算中に就職した清算人は、就職後2週間以内に、主たる事務所の所在地において、その氏名及び住所の登記をしなければならない。
第13条の6 清算人の職務は、次のとおりとする。
1.現務の結了
2.債権の取立て及び債務の弁済
3.残余財産の引渡し
2 清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。
第13条の7 清算人は、その就職の日から2月以内に、少なくとも3回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、2月を下ることができない。
2 前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。
3 清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
第13条の8 前条第1項の期間の経過後に申出をした債権者は、法人である労働組合の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。
第13条の9 清算中に法人である労働組合の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになつたときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。
2 清算人は、清算中の法人である労働組合が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。
3 前項に規定する場合において、清算中の法人である労働組合が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。
4 第1項の規定による公告は、官報に掲載してする。
第13条の10 解散した法人である労働組合の財産は、規約で指定した者に帰属する。
2 規約で権利の帰属すべき者を指定せず、又はその者を指定する方法を定めなかつたときは、代表者は、総会の決議を経て、当該法人である労働組合の目的に類似する目的のために、その財産を処分することができる。
3 前2項の規定により処分されない財産は、国庫に帰属する。
第13条の11 次に掲げる事件は、法人である労働組合の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
1.特別代理人の選任に関する事件
2.法人である労働組合の清算人に関する事件
第13条の12 法人である労働組合の清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
第13条の13 裁判所は、
第13条の3の規定により法人である労働組合の清算人を選任した場合には、法人である労働組合が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該清算人の陳述を聴かなければならない。
第13条の14 法人である労働組合の清算人の解任についての裁判及び前条の規定による裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
第14条 労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによつてその効力を生ずる。
第15条 労働協約には、3年をこえる有効期間の定をすることができない。
2 3年をこえる有効期間の定をした労働協約は、3年の有効期間の定をした労働協約とみなす。
3 有効期間の定がない労働協約は、当事者の一方が、署名し、又は記名押印した文書によつて相手方に予告して、解約することができる。一定の期間を定める労働協約であつて、その期間の経過後も期限を定めず効力を存続する旨の定があるものについて、その期間の経過後も、同様とする。
4 前項の予告は、解約しようとする日の少くとも90日前にしなければならない。
第16条 労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。この場合において無効となつた部分は、基準の定めるところによる。労働契約に定がない部分についても、同様とする。
第17条 一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。
第18条 一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、厚生労働大臣又は都道府県知事は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約(第2項の規定により修正があつたものを含む。)の適用を受けるべきことの決定をすることができる。
2 労働委員会は、前項の決議をする場合において、当該労働協約に不適当な部分があると認めたときは、これを修正することができる。
第19条 労働委員会は、使用者を代表する者(以下「使用者委員」という。)、労働者を代表する者(以下「労働者委員」という。)及び公益を代表する者(以下「公益委員」という。)各同数をもつて組織する。
2 労働委員会は、中央労働委員会及び都道府県労働委員会とする。
3 労働委員会に関する事項は、この法律に定めるもののほか、政令で定める。
第19条の2 国家行政組織法(昭和23年法律第120号)
第3条第2項の規定に基づいて、厚生労働大臣の所轄の下に、中央労働委員会を置く。
2 中央労働委員会は、労働者が団結することを擁護し、及び労働関係の公正な調整を図ることを任務とする。
3 中央労働委員会は、前項の任務を達成するため、
第5条、
第11条、
第18条及び
第26条の規定による事務、不当労働行為事件の審査等(
第7条、次節及び第3節の規定による事件の処理をいう。以下同じ。)に関する事務、労働争議のあつせん、調停及び仲裁に関する事務並びに労働関係調整法
第35条の2及び
第35条の3の規定による事務その他法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき中央労働委員会に属させられた事務をつかさどる。
第19条の3 中央労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各15人をもつて組織する。
2 使用者委員は使用者団体の推薦(使用者委員のうち4人については、特定独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)
第2条第2項に規定する特定独立行政法人をいう。以下この項、
第19条の4第2項第2号及び
第19条の10第1項において同じ。)又は国有林野事業(特定独立行政法人等の労働関係に関する法律(昭和23年法律第257号)
第2条第2号に規定する国有林野事業をいう。以下この項及び
第19条の10第1項において同じ。)を行う国の経営する企業の推薦)に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦(労働者委員のうち6人については、特定独立行政法人の特定独立行政法人等の労働関係に関する法律
第2条第4号に規定する職員(以下この章において「特定独立行政法人職員」という。)又は国有林野事業を行う国の経営する企業の同号に規定する職員(以下この章において「国有林野事業職員」という。)が結成し、又は加入する労働組合の推薦)に基づいて、公益委員は厚生労働大臣が使用者委員及び労働者委員の同意を得て作成した委員候補者名簿に記載されている者のうちから両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
3 公益委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、厚生労働大臣が使用者委員及び労働者委員の同意を得て作成した委員候補者名簿に記載されている者のうちから、公益委員を任命することができる。
4 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を求めなければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその公益委員を罷免しなければならない。
5 公益委員の任命については、そのうち7人以上が同一の政党に属することとなつてはならない。
6 中央労働委員会の委員(
次条から
第19条の9までにおいて単に「委員」という。)は、非常勤とする。ただし、公益委員のうち2人以内は、常勤とすることができる。
第19条の4 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで、又は執行を受けることがなくなるまでの者は、委員となることができない。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、公益委員となることができない。
1.国会又は地方公共団体の議会の議員
2.特定独立行政法人の役員、特定独立行政法人職員又は特定独立行政法人職員が結成し、若しくは加入する労働組合の組合員若しくは役員
3.国有林野事業職員又は国有林野事業職員が結成し、若しくは加入する労働組合の組合員若しくは役員
第19条の5 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続き在任するものとする。
第19条の6 常勤の公益委員は、在任中、次の各号のいずれかに該当する行為をしてはならない。
1.政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をすること。
2.内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。
2 非常勤の公益委員は、在任中、前項第1号に該当する行為をしてはならない。
第19条の7 委員は、
第19条の4第1項に規定する者に該当するに至つた場合には、その職を失う。公益委員が
同条第2項各号のいずれかに該当するに至つた場合も、同様とする。
2 内閣総理大臣は、委員が心身の故障のために職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合には、使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。
3 前項の規定により、内閣総理大臣が中央労働委員会に対して、使用者委員又は労働者委員の罷免の同意を求めた場合には、当該委員は、その議事に参与することができない。
4 内閣総理大臣は、公益委員のうち6人が既に属している政党に新たに属するに至つた公益委員を直ちに罷免するものとする。
5 内閣総理大臣は、公益委員のうち7人以上が同一の政党に属することとなつた場合(前項の規定に該当する場合を除く。)には、同一の政党に属する者が6人になるように、両議院の同意を得て、公益委員を罷免するものとする。ただし、政党所属関係に異動のなかつた委員を罷免することはできないものとする。
第19条の8 委員は、別に法律の定めるところにより俸給、手当その他の給与を受け、及び政令の定めるところによりその職務を行うために要する費用の弁償を受けるものとする。
3 会長は、中央労働委員会の会務を総理し、中央労働委員会を代表する。
4 中央労働委員会は、あらかじめ公益委員のうちから委員の選挙により、会長に故障がある場合において会長を代理する委員を定めておかなければならない。
第19条の10 中央労働委員会に、特定独立行政法人とその特定独立行政法人職員との間に発生した紛争、国有林野事業を行う国の経営する企業と国有林野事業職員との間に発生した紛争その他の事件で地方において中央労働委員会が処理すべきものとして政令で定めるものに係るあつせん若しくは調停又は
第24条の2第5項の規定による手続に参与させるため、使用者、労働者及び公益をそれぞれ代表する地方調整委員を置く。
2 地方調整委員は、中央労働委員会の同意を得て、政令で定める区域ごとに厚生労働大臣が任命する。
3 第19条の5第1項本文及び第2項、
第19条の7第2項並びに
第19条の8の規定は、地方調整委員について準用する。この場合において、
第19条の7第2項中「内閣総理大臣」とあるのは「厚生労働大臣」と、「使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院」とあるのは「中央労働委員会」と読み替えるものとする。
第19条の11 中央労働委員会にその事務を整理させるために事務局を置き、事務局に会長の同意を得て厚生労働大臣が任命する事務局長及び必要な職員を置く。
2 事務局に、地方における事務を分掌させるため、地方事務所を置く。
3 地方事務所の位置、名称及び管轄区域は、政令で定める。
第19条の12 都道府県知事の所轄の下に、都道府県労働委員会を置く。
2 都道府県労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各13人、各11人、各9人、各7人又は各5人のうち政令で定める数のものをもつて組織する。ただし、条例で定めるところにより、当該政令で定める数に使用者委員、労働者委員及び公益委員各2人を加えた数のものをもつて組織することができる。
3 使用者委員は使用者団体の推薦に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦に基づいて、公益委員は使用者委員及び労働者委員の同意を得て、都道府県知事が任命する。
4 公益委員の任命については、都道府県労働委員会における別表の上欄に掲げる公益委員の数(第2項ただし書の規定により公益委員の数を同項の政令で定める数に2人を加えた数とする都道府県労働委員会にあつては当該2人を加えた数)に応じ、それぞれ同表の下欄に定める数以上の公益委員が同一の政党に属することとなつてはならない。
5 公益委員は、自己の行為によつて前項の規定に抵触するに至つたときは、当然退職するものとする。
6 第19条の3第6項、
第19条の4第1項、
第19条の5、
第19条の7第1項前段、第2項及び第3項、
第19条の8、
第19条の9並びに前条第1項の規定は、都道府県労働委員会について準用する。この場合において第19条の3第6項ただし書中「、常勤」とあるのは「、条例で定めるところにより、常勤」と、
第19条の7第2項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院」とあるのは「都道府県労働委員会」と、
同条第3項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「使用者委員又は労働者委員」とあるのは「都道府県労働委員会の委員」と、
前条第1項中「厚生労働大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。
第20条 労働委員会は、
第5条、
第11条及び第18条の規定によるもののほか、不当労働行為事件の審査等並びに労働争議のあつせん、調停及び仲裁をする権限を有する。
第21条 労働委員会は、公益上必要があると認めたときは、その会議を公開することができる。
3 労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各1人以上が出席しなければ、会議を開き、議決することができない。
4 議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
第22条 労働委員会は、その事務を行うために必要があると認めたときは、使用者又はその団体、労働組合その他の関係者に対して、出頭、報告の提出若しくは必要な帳簿書類の提出を求め、又は委員若しくは労働委員会の職員(以下単に「職員」という。)に関係工場事業場に臨検し、業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 労働委員会は、前項の臨検又は検査をさせる場合においては、委員又は職員にその身分を証明する証票を携帯させ、関係人にこれを呈示させなければならない。
第23条 労働委員会の委員若しくは委員であつた者又は職員若しくは職員であつた者は、その職務に関して知得した秘密を漏らしてはならない。中央労働委員会の地方調整委員又は地方調整委員であつた者も、同様とする。
第24条 第5条及び第11条の規定による事件の処理並びに不当労働行為事件の審査等(次条において「審査等」という。)並びに労働関係調整法
第42条の規定による事件の処理には、労働委員会の公益委員のみが参与する。ただし、使用者委員及び労働者委員は、第27条第1項(第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定により調査(公益委員の求めがあつた場合に限る。)及び審問を行う手続並びに第27条の14第1項(第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定により和解を勧める手続に参与し、又は第27条の7第4項及び第27条の12第2項(第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定による行為をすることができる。
2 中央労働委員会は、常勤の公益委員に、中央労働委員会に係属している事件に関するもののほか、特定独立行政法人職員及び国有林野事業職員の労働関係の状況その他中央労働委員会の事務を処理するために必要と認める事項の調査を行わせることができる。
第24条の2 中央労働委員会は、会長が指名する公益委員5人をもつて構成する合議体で、審査等を行う。
2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合においては、公益委員の全員をもつて構成する合議体で、審査等を行う。
1.前項の合議体が、法令の解釈適用について、その意見が前に中央労働委員会のした
第5条第1項若しくは
第11条第1項又は
第27条の12第1項(
第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に反すると認めた場合
2.前項の合議体を構成する者の意見が分かれたため、その合議体としての意見が定まらない場合
3.前項の合議体が、公益委員の全員をもつて構成する合議体で審査等を行うことを相当と認めた場合
3 都道府県労働委員会は、公益委員の全員をもつて構成する合議体で、審査等を行う。ただし、条例で定めるところにより、会長が指名する公益委員5人又は7人をもつて構成する合議体で、審査等を行うことができる。この場合において、前項(第1号及び第4号を除く。)の規定は、都道府県労働委員会について準用する。
5 中央労働委員会は、公益を代表する地方調整委員に、中央労働委員会が行う審査等の手続のうち、
第27条第1項(
第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定により調査及び審問を行う手続並びに
第27条の14第1項(
第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定により和解を勧める手続の全部又は一部を行わせることができる。この場合において、使用者を代表する地方調整委員及び労働者を代表する地方調整委員は、これらの手続(調査を行う手続にあつては公益を代表する地方調整委員の求めがあつた場合に限る。)に参与することができる。
第25条 中央労働委員会は、特定独立行政法人職員及び国有林野事業職員の労働関係に係る事件のあつせん、調停、仲裁及び処分(特定独立行政法人職員又は国有林野事業職員が結成し、又は加入する労働組合に関する
第5条第1項及び
第11条第1項の規定による処分については、政令で定めるものに限る。)について、専属的に管轄するほか、2以上の都道府県にわたり、又は全国的に重要な問題に係る事件のあつせん、調停、仲裁及び処分について、優先して管轄する。
2 中央労働委員会は、
第5条第1項、
第11条第1項及び
第27条の12第1項の規定による都道府県労働委員会の処分を取り消し、承認し、若しくは変更する完全な権限をもつて再審査し、又はその処分に対する再審査の申立てを却下することができる。この再審査は、都道府県労働委員会の処分の当事者のいずれか一方の申立てに基づいて、又は職権で、行うものとする。
第26条 中央労働委員会は、その行う手続及び都道府県労働委員会が行う手続に関する規則を定めることができる。
2 都道府県労働委員会は、前項の規則に違反しない限りにおいて、その会議の招集に関する事項その他の政令で定める事項に関する規則を定めることができる。
第27条 労働委員会は、使用者が
第7条の規定に違反した旨の申立てを受けたときは、遅滞なく調査を行い、必要があると認めたときは、当該申立てが理由があるかどうかについて審問を行わなければならない。この場合において、審問の手続においては、当該使用者及び申立人に対し、証拠を提出し、証人に反対尋問をする充分な機会が与えられなければならない。
2 労働委員会は、前項の申立てが、行為の日(継続する行為にあつてはその終了した日)から1年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない。
第27条の2 公益委員は、次の各号のいずれかに該当するときは、審査に係る職務の執行から除斥される。
1.公益委員又はその配偶者若しくは配偶者であつた者が事件の当事者又は法人である当事者の代表者であり、又はあつたとき。
2.公益委員が事件の当事者の四親等以内の血族、三親等以内の姻族又は同居の親族であり、又はあつたとき。
3.公益委員が事件の当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
4.公益委員が事件について証人となつたとき。
5.公益委員が事件について当事者の代理人であり、又はあつたとき。
2 前項に規定する除斥の原因があるときは、当事者は、除斥の申立てをすることができる。
第27条の3 公益委員について審査の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、これを忌避することができる。
2 当事者は、事件について労働委員会に対し書面又は口頭をもつて陳述した後は、公益委員を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかつたとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。
第27条の4 除斥又は忌避の申立てについては、労働委員会が決定する。
2 除斥又は忌避の申立てに係る公益委員は、前項の規定による決定に関与することができない。ただし、意見を述べることができる。
3 第1項の規定による決定は、書面によるものとし、かつ、理由を付さなければならない。
第27条の5 労働委員会は、除斥又は忌避の申立てがあつたときは、その申立てについての決定があるまで審査の手続を中止しなければならない。ただし、急速を要する行為についてはこの限りでない。
第27条の6 労働委員会は、審問開始前に、当事者双方の意見を聴いて、審査の計画を定めなければならない。
2 前項の審査の計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
1.調査を行う手続において整理された争点及び証拠(その後の審査の手続における取調べが必要な証拠として整理されたものを含む。)
2.審問を行う期間及び回数並びに尋問する証人の数
3 労働委員会は、審査の現状その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、当事者双方の意見を聴いて、審査の計画を変更することができる。
4 労働委員会及び当事者は、適正かつ迅速な審査の実現のため、審査の計画に基づいて審査が行われるよう努めなければならない。
第27条の7 労働委員会は、当事者の申立てにより又は職権で、調査を行う手続においては第2号に掲げる方法により、審問を行う手続においては次の各号に掲げる方法により証拠調べをすることができる。
1.事実の認定に必要な限度において、当事者又は証人に出頭を命じて陳述させること。
2.事件に関係のある帳簿書類その他の物件であつて、当該物件によらなければ当該物件により認定すべき事実を認定することが困難となるおそれがあると認めるもの(以下「物件」という。)の所持者に対し、当該物件の提出を命じ、又は提出された物件を留め置くこと。
2 労働委員会は、前項第2号の規定により物件の提出を命ずる処分(以下「物件提出命令」という。)をするかどうかを決定するに当たつては、個人の秘密及び事業者の事業上の秘密の保護に配慮しなければならない。
3 労働委員会は、物件提出命令をする場合において、物件に提出を命ずる必要がないと認める部分又は前項の規定により配慮した結果提出を命ずることが適当でないと認める部分があるときは、その部分を除いて、提出を命ずることができる。
4 調査又は審問を行う手続に参与する使用者委員及び労働者委員は、労働委員会が第1項第1号の規定により当事者若しくは証人に出頭を命ずる処分(以下「証人等出頭命令」という。)又は物件提出命令をしようとする場合には、意見を述べることができる。
5 労働委員会は、職権で証拠調べをしたときは、その結果について、当事者の意見を聴かなければならない。
6 物件提出命令の申立ては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
1.物件の表示
2.物件の趣旨
3.物件の所持者
4.証明すべき事実
7 労働委員会は、物件提出命令をしようとする場合には、物件の所持者を審尋しなければならない。
8 労働委員会は、物件提出命令をする場合には、第6項各号(第3号を除く。)に掲げる事項を明らかにしなければならない。
第27条の8 労働委員会が証人に陳述させるときは、その証人に宣誓をさせなければならない。
2 労働委員会が当事者に陳述させるときは、その当事者に宣誓をさせることができる。
第27条の9 民事訴訟法(平成8年法律第109号)
第196条、
第197条及び
第201条第2項から第4項までの規定は、労働委員会が証人に陳述させる手続に、同法
第210条の規定において準用する同法
第201条第2項の規定は、労働委員会が当事者に陳述させる手続について準用する。
第27条の10 都道府県労働委員会の証人等出頭命令又は物件提出命令(以下この条において「証人等出頭命令等」という。)を受けた者は、証人等出頭命令等について不服があるときは、証人等出頭命令等を受けた日から1週間以内(天災その他この期間内に審査の申立てをしなかつたことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して1週間以内)に、その理由を記載した書面により、中央労働委員会に審査を申し立てることができる。
2 中央労働委員会は、前項の規定による審査の申立てを理由があると認めるときは、証人等出頭命令等の全部又は一部を取り消す。
3 中央労働委員会の証人等出頭命令等を受けた者は、証人等出頭命令等について不服があるときは、証人等出頭命令等を受けた日から1週間以内(天災その他この期間内に異議の申立てをしなかつたことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して1週間以内)に、その理由を記載した書面により、中央労働委員会に異議を申し立てることができる。
4 中央労働委員会は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、証人等出頭命令等の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。
5 審査の申立て又は異議の申立ての審理は、書面による。
6 中央労働委員会は、職権で審査申立人又は異議申立人を審尋することができる。
第27条の11 労働委員会は、審問を妨げる者に対し退廷を命じ、その他審問廷の秩序を維持するために必要な措置を執ることができる。
第27条の12 労働委員会は、事件が命令を発するのに熟したときは、事実の認定をし、この認定に基づいて、申立人の請求に係る救済の全部若しくは一部を認容し、又は申立てを棄却する命令(以下「救済命令等」という。)を発しなければならない。
2 調査又は審問を行う手続に参与する使用者委員及び労働者委員は、労働委員会が救済命令等を発しようとする場合は、意見を述べることができる。
3 第1項の事実の認定及び救済命令等は、書面によるものとし、その写しを使用者及び申立人に交付しなければならない。
第27条の13 使用者が救済命令等について
第27条の19第1項の期間内に同項の取消しの訴えを提起しないときは、救済命令等は、確定する。
2 使用者が確定した救済命令等に従わないときは、労働委員会は、使用者の住所地の地方裁判所にその旨を通知しなければならない。この通知は、労働組合及び労働者もすることができる。
第27条の14 労働委員会は、審査の途中において、いつでも、当事者に和解を勧めることができる。
2 救済命令等が確定するまでの間に当事者間で和解が成立し、当事者双方の申立てがあつた場合において、労働委員会が当該和解の内容が当事者間の労働関係の正常な秩序を維持させ、又は確立させるため適当と認めるときは、審査の手続は終了する。
3 前項に規定する場合において、和解(前項の規定により労働委員会が適当と認めたものに限る。次項において同じ。)に係る事件について既に発せられている救済命令等は、その効力を失う。
4 労働委員会は、和解に金銭の一定額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を内容とする合意が含まれる場合は、当事者双方の申立てにより、当該合意について和解調書を作成することができる。
5 前項の和解調書は、強制執行に関しては、民事執行法(昭和54年法律第4号)
第22条第5号に掲げる債務名義とみなす。
6 前項の規定による債務名義についての執行文の付与は、労働委員会の会長が行う。民事執行法
第29条後段の執行文及び文書の謄本の送達も、同様とする。
7 前項の規定による執行文付与に関する異議についての裁判は、労働委員会の所在地を管轄する地方裁判所においてする。
8 第4項の和解調書並びに第6項後段の執行文及び文書の謄本の送達に関して必要な事項は、政令で定める。
第27条の15 使用者は、都道府県労働委員会の救済命令等の交付を受けたときは、15日以内(天災その他この期間内に再審査の申立てをしなかつたことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して1週間以内)に中央労働委員会に再審査の申立てをすることができる。ただし、この申立ては、救済命令等の効力を停止せず、救済命令等は、中央労働委員会が
第25条第2項の規定による再審査の結果、これを取り消し、又は変更したときは、その効力を失う。
2 前項の規定は、労働組合又は労働者が中央労働委員会に対して行う再審査の申立てについて準用する。
第27条の16 中央労働委員会は、
第27条の19第1項の訴えに基づく確定判決によつて都道府県労働委員会の救済命令等の全部又は一部が支持されたときは、当該救済命令等について、再審査することができない。
第27条の18 労働委員会は、迅速な審査を行うため、審査の期間の目標を定めるとともに、目標の達成状況その他の審査の実施状況を公表するものとする。
第27条の19 使用者が都道府県労働委員会の救済命令等について中央労働委員会に再審査の申立てをしないとき、又は中央労働委員会が救済命令等を発したときは、使用者は、救済命令等の交付の日から30日以内に、救済命令等の取消しの訴えを提起することができる。この期間は、不変期間とする。
2 使用者は、
第27条の15第1項の規定により中央労働委員会に再審査の申立てをしたときは、その申立てに対する中央労働委員会の救済命令等に対してのみ、取消しの訴えを提起することができる。この訴えについては、行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)
第12条第3項から第5項までの規定は、適用しない。
3 前項の規定は、労働組合又は労働者が行政事件訴訟法の定めるところにより提起する取消しの訴えについて準用する。
第27条の20 前条第1項の規定により使用者が裁判所に訴えを提起した場合において、受訴裁判所は、救済命令等を発した労働委員会の申立てにより、決定をもつて、使用者に対し判決の確定に至るまで救済命令等の全部又は一部に従うべき旨を命じ、又は当事者の申立てにより、若しくは職権でこの決定を取り消し、若しくは変更することができる。
第27条の21 労働委員会が物件提出命令をしたにもかかわらず物件を提出しなかつた者(審査の手続において当事者でなかつた者を除く。)は、裁判所に対し、当該物件提出命令に係る物件により認定すべき事実を証明するためには、当該物件に係る証拠の申出をすることができない。ただし、物件を提出しなかつたことについて正当な理由があると認められる場合は、この限りでない。
第27条の22 中央労働委員会は、都道府県労働委員会に対し、この法律の規定により都道府県労働委員会が処理する事務について、報告を求め、又は法令の適用その他当該事務の処理に関して必要な勧告、助言若しくはその委員若しくは事務局職員の研修その他の援助を行うことができる。
第27条の23 都道府県労働委員会は、その処分(行政事件訴訟法第3条第2項に規定する処分をいい、第24条の2第4項の規定により公益委員がした処分及び同条第5項の規定により公益を代表する地方調整委員がした処分を含む。次項において同じ。)に係る行政事件訴訟法第11条第1項(同法第38条第1項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による都道府県を被告とする訴訟について、当該都道府県を代表する。
2 都道府県労働委員会は、公益委員、事務局長又は事務局の職員でその指定するものに都道府県労働委員会の処分に係る行政事件訴訟法第11条第1項の規定による都道府県を被告とする訴訟又は都道府県労働委員会を当事者とする訴訟を行わせることができる。
第27条の24 第22条第1項の規定により出頭を求められた者又は第27条の7第1項第1号(第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の証人は、政令の定めるところにより、費用の弁償を受けることができる。
第27条の25 労働委員会がする処分(第24条の2第4項の規定により公益委員がする処分及び同条第5項の規定により公益を代表する地方調整委員がする処分を含む。)については、行政手続法(平成5年法律第88号)第2章及び第3章の規定は、適用しない。
第27条の26 労働委員会がした処分(第24条の2第4項の規定により公益委員がした処分及び同条第5項の規定により公益を代表する地方調整委員がした処分を含む。)については、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)による不服申立てをすることができない。
第28条 救済命令等の全部又は一部が確定判決によつて支持された場合において、その違反があつたときは、その行為をした者は、1年以下の禁錮若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第28条の2 第27条の8第1項(
第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、3月以上10年以下の懲役に処する。
第29条 第23条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
第30条 第22条の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは帳簿書類の提出をせず、又は同条の規定に違反して出頭をせず、若しくは同条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、30万円以下の罰金に処する。
第31条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の刑を科する。
第32条 使用者が
第27条の20の規定による裁判所の命令に違反したときは、50万円(当該命令が作為を命ずるものであるときは、その命令の日の翌日から起算して不履行の日数が5日を超える場合にはその超える日数1日につき10万円の割合で算定した金額を加えた金額)以下の過料に処する。第27条の13第1項(第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定により確定した救済命令等に違反した場合も、同様とする。
第32条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の過料に処する。
1.正当な理由がないのに、
第27条の7第1項第1号(
第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して出頭せず、又は陳述をしない者
2.正当な理由がないのに、
第27条の7第1項第2号(
第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して物件を提出しない者
第32条の3 第27条の8第2項(
第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定により宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたときは、30万円以下の過料に処する。
第32条の4 第27条の11(
第27条の17の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して審問を妨げた者は、10万円以下の過料に処する。
第33条 法人である労働組合の清算人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、50万円以下の過料に処する。
3.
第13条の9第1項の規定による破産手続開始の申立てを怠つたとき。
4.官庁又は総会に対し、不実の申立てをし、又は事実を隠ぺいしたとき。
2 前項の規定は、法人である労働組合の代表者が
第11条第2項の規定に基いて発する政令で定められた登記事項の変更の登記をすることを怠つた場合において、その代表者につき準用する。
15人 |
7人 |
13人 |
6人 |
11人 |
5人 |
9人 |
4人 |
7人 |
3人 |
5人 |
2人 |