夢の中で人に説教を垂れてくれた見知らぬ老人曰く、友達は選べ。と。 答えて曰く。知っている今現在進行形で後悔している所だ、人の事を変なあだ名で呼びまくるわ、問題ごとを起こせば尻拭いをさせるわ、俺の話など何一つ聞かないわ。と。 夢の中で人に説教を垂れやがった見知らぬジジイ曰く、友達を捨てよ。と。 答えて曰く。残念ながら向こうが熱心にやって来んだよ、俺って人気者だから困っちゃうよね、それに俺もあんな強烈な連中忘れられねえよ。と。 ジジイ、再び曰く。斬り捨てればよかろう、おぬしは一番それで幸せになれる。と。 答えて曰く。斬りたい、あいつらだけは叩き斬りたい、そうしたらあいつらは爆笑すると思う、バーカ結局帰ってきやがった俺の命くらい持っていけ白夜叉が鬼になるなら安いくらいだろう、あいつらの望みだけはかなえてやりたくない。と。 勝手に人の夢に上がりこんだ挙句、説教垂れやがった老人曰く、だから不幸なのだ。と。 耳にこびり付く老人の長い長い演説。おぬしらは、互いに不幸になる朋友であることを知っていて、あっさり認めてはいるものの、喪失の慣れを通り越して、過剰に怯える所に立っている物だから、断じて失うまいと足掻きおる。おんしらの力ではそれも容易かろう、代償に当たり前の幸福を支払いながらならばな。と。 答えて曰く。時が来りゃぁ、地獄までのご一行だ。出会っちまったんじゃあ仕方がねえ。と。 一度いなくなった老人が戻ってきて曰く、腐れ縁じゃ諦めよ。と。 一度いなくなったジジイが戻ってきて曰く、地獄に落ちるまで捨てられぬ。と。 老人が思案を終えて曰く、敵わぬわ。と。 世 界 は こ れ ほ ど 光 に 溢 れ て い る よ う に 見 え る の に ど う し て 花を飾りたい。 そう言い出したのは、常日頃、部屋の雰囲気のために高い金払えるか馬鹿と豪語して憚らない銀さんだった。お登勢さんから借りた新聞(情けないことに新聞など取る金はない)を珍しく丁寧に折って、テーブルの上に置く。風に飛ばされないようにきちんと重石を置いてから、神楽を起こしてくらぁ、と言って出て行った。 彼は鏡を置いたように明るい日の光に目を細めていた。 それから、遅めの朝食までどこかに出かけてしまった。 帰ってきた時には、何処から持ち出してきたのか、黒い漆塗りの花瓶を抱えていた。 「銀ちゃん。原チャリに乗ってくアルか?」 「三ケツで事故んない自信はないから無理です」 「そうヨ!私も一回轢かれたネ!」 「あー!うっせーうっせー!今はピンピンしてんだからいいだろうがァ!!」 ひとしきり怒鳴ってから、原チャリには乗らずにさっさと歩き出してしまった。もちろん、こっちも銀さんの妙な行動には慣れっこになっていたから、何も言わずに続く。 神楽ちゃんが何かを考えながらお腹をさすっている。あの時は、彼女の腹部からの血に驚いたと思いつつ、随分昔の事だなとも思った。時効だなどと言ったら間違いなく傘が火を噴くだろうが、時々彼女は傷一つ残らない体をもてあましているように見える。 見上げる空は果てしなく薄い。 世界の全てに夏の猛暑の終わりを告げきる任務を背負っていた空は、完了と同時に出力を落とし、夏の間の残酷に鮮やかだった世界が静かに眠りにつこうとしている。 夏と秋の間の滲み。Sleeping baby,by the end of days.嵐の前の静けさよりも、明確な終わりの暗示よりも、遥かに曖昧でぼやけた子守唄。温かな空気が頬を撫でる。暦の上でも、冷涼な風に切り裂かれる日は遠くはないだろう。 「銀ちゃん。花屋に行く金あるの?月一の焼肉代は譲らないアルよ」 「誰がんなこと言ったよ。つーか、その辺に生えてるモンに金出すなんて馬鹿馬鹿しいの。ついでに綺麗な奴はさっさと枯れるからもったいないんですー」 「つーか、今月も仕事なかったから、金云々言えるわけないネ」 「つーか、銀さんがぷらぷらして、万事屋にいることが極端に少なかったからだけどね」 「つーかお前ら、変な言葉遣いばっか覚えんなよ、覚えんなら京言葉でも覚えろ」 「ハイハイ!私、出来るネ!毎日しゃべってるアル!」 「お前は一度国語辞典を引け」 「うちに辞典ありませんよ」 「新八も黙れ。いーか、ガキども。京言葉ってのはな、――どすえ、みたいな?こう、いろいろ夢が見れる感じみたいな?男の浪漫をちょっと高尚にしてみた、みたいな?―――だっけ?」 「お前がわかってないじゃねぇかァァァアア――!しかもそれ、神楽ちゃんには早い系の場所での話でしょ!」 「いやお前にも早いよ新八君」 「全く男は馬鹿な生き物アル。女は言葉でも、色気でもないネ!性格ヨ!」 「お前にはどれもないけどな」 「あー!神楽ちゃん、往来で傘構えない!ってゆうか、僕達なんの話してたんでしたっけ」 「花を調達に行こうっていう話してたら、テメーらが妨害したんだろうが」 「花屋じゃないなら何処行くネ」 まあまかせろ、そう言って銀さんは勝手に歩き出した。無論、僕達はそれに続くしかない。 神楽ちゃんが耳打ちしてくる。「銀ちゃんがまかせろって言ってうまくいくはずないヨ」 うまくいくはずないどころか、おそらくいいことは何も起こらないと僕も思う。 普段よりは早足に、彼は交差点を横切り、目の前を通れば必ずひやかす団子屋に足を向ける。その後姿はあまりに忠実に毎日を模写しながら、店内に消えた。 「またランニングだね」 「駄目な事だけは逃さない大人アル」 その会話が終わるのとほぼ同時に、店主の怒鳴り声が聞こえ、銀さんが店から飛び出してくる。 「新八ィ、神楽ァ!逃げるぞ!!」 「また試食品くすねてきたんですね!?」 「私、この店のお菓子買ってもらったことないヨ!!」 そう言いながらも走り出してしまうこの習性。憎らしく、いとおしい、銀さんと生きてきた音。 「そんな金が何処にあんだ!ってうか、俺が食いたいっつーの!大体試食品っつーのは、タダで食えっていうメッセージなの!俺、一時、スーパーの試食品で生きてたことあるから。マジで」 「いや、自慢する事柄じゃなくて!……どっちですか!?」 「右!」 「銀ちゃん、早く分け前寄越すネ!」 「よーし、てめぇらに言い聞かせる事がある」 もしゃもしゃと饅頭を食べ終わり、菓子屋の旦那(大体、旦那が直々に追いかけてくる辺り、常習犯具合がわかる)を完全に振り切った時には、江戸の果ての果てにまで来ていた。 辿り着いた果ての河原には、秋風に力なく揺れるススキが密集し、その狭間を縫って彼岸花が咲いていた。絶対数は圧倒的に少ないが、異常なまでの存在感を纏う赤と白の風景。それに溶け込んだ、未だ饅頭の食べカスを口につけたままの彼はそれなりに真面目そうに言った。 本当は号泣しても足りないくらい哀しいはずなのに、僕は銀さんの傍らにある原チャリを見て、どうでもいいことを思っていた。よくあんな全力疾走で傷一つ付かないものだ、と。 「新八、よく原チャリ壊れなかったアルネ」 「もう修理代もビタ一文ないからね。壊れたら、移動手段のない万事屋だよ」 「潰れるネ。間違いないネ」 「うるせえぞ、そこォォオオ!!人の話はちゃんと聞け」 「「お前もな」」 銀さんは僕達のツッコミを当然のように無視した。 「とうの昔にテメーで捨ててきたり、離れていくのを見ていたり、むしろとっとといなくなれバッキャローとか思って放置していたものがあんだよ。それがこの両手から零れ落ちてどっかに消えて腐っていったのは、昔々の話だが、ようやく俺が零れ落ちる物の音を聞くのは、こんなに後だ。それも一度に捨てたわけでもないのに、一度に喪失の音が聞こえてくる。そんなもんだぜ。―――なァ、そうだろ、」 「そりゃ、俺達のことかよ、銀時ィ」 「なかなか酷いな。漢文の宿題をやってやった恩を忘れたか」 銀さんは僕達は言わず、空に向かって独り言のように言って、死んだ魚のようないつもの目を足首に向けた。そう、彼が悲しげな目でいう"てめぇら"はいつだって彼らのことだ。 「あ、河原の幽霊」 そう神楽ちゃんが言ったけれど、僕しかそれを聞くことはなく、銀さんの細くも白くもない足首を掴む亡霊達はけろりと言い返す。 「おーおー、わかってるじゃないの。天下のテロリスト様お二人がこんな河原で昼寝ですかー。駄目人間だなオイ」 「って、銀さんもナチュラルに反応しない!桂さんも高杉さんも、なんでそんな無防備に寝てるんですか!今、江戸中厳戒態勢なんですよ!?」 現に、饅頭を加えて逃げている最中だって、どういうわけか銀さんが道を変えたから出会わなかった土方さんを見たし、360度周りを見渡せば、真選組の黒い隊服が見えるご時世だ。 それなのに、間違いなく一番彼らが首を上げたいであろうこの二人はと言えば、平然と銀さんの足を掴んでいるのだ。これさえあれば、何もいらないとでも言うかのように。僕達だってそうだと言いたいのに、この口はいつもの通りの言葉を言い、彼の困る顔を見たくないのだと言って何重にもフィルターをかけて彼らを眺めている愚か者が二人。 「心配してくれるのか?銀時の子供とは思えないな。なぁ、高杉」 「いや、俺生んでないから。生めないから」 「嬉しいねェ。安心しろよ。修羅場は人生の華。俺達ァ、一度も捕まった事ねえし、捕まらねェよ、これからもな」 「一度捕まったら即刻首飛ぶんだよ、君達。ヅラとかさ、いつも思うけどマジで自覚ないよね。ヅラ取るか切れば、御用改め半分くらい減ると思うんだけど」 「確かに。一度短くなったんなら、男らしく丸刈りにすりゃァよかったんだよ、バーカ」 「ふざけるな。というか、高杉、あの時の事謝れ。ついでに、お前もその派手で下品な着物と瓢箪とパイプを止めれば、もう少し安全に生きられるだろうよ」 「ヅラァ、そんなことしたらバカ杉の特徴何も残らねぇじゃん」 「ヅラじゃない桂だ。大丈夫、攘夷派の中で一番背が低い」 あ、そうなんだ。高杉さんだって170cmくらいは確実にあるだろうに。 「そうアルカ?じゃあ、私にもすぐ抜かれるネ!」 「是非抜いてくれ、リーダー。思いっきり見下ろして傷つけてやってくれ」 「むしろ踏み潰してもいいぜ。大爆笑してやる。それで笑い死ねるなら銀さん本望だから」 「………お前らなァ……。おい、ガキ、そういうことばっか言ってると上から押さえつけて縮めるぞ」 「なんか、意味合いが卑猥ネ!お前がエロイネ!おまわりさーん!ここに変質者がァァア!!」 「呼ぶな呼ぶな、しかも変質者とかはよせ。銀時もよォ、歪んだ物の捉え方教えんじゃねえよ」 「教えてない。勝手に覚えたの」 いや、僕達の生活の大半に歪んだ考えを持ち込んだのは銀さんでしょ。 「嘘ですね。8割方銀さんの駄目っぷりが悪影響を与えたんですよ」 「全くヨ。銀ちゃん、牛肉を豚肉だと偽ってたし」 「そりゃあ、新八も同罪だろうがァァ!」 「いや一番最初に言い出したの銀さんでしょ。僕がすき焼きだから牛肉買いましょうって言ったら、蹴り飛ばしたじゃないですか。忘れませんよ」 「銀時……いや、もうご愁傷様……」 「哀れだなァ」 「オイ馬鹿二人なんだその憐れんだ目は。あー、そういやヅラァ」 「だから何度言えばわかるんだ。ヅラじゃない桂だ」 「お前も一発変換みたいに繰り返すんじゃねぇよ。多分、お前の人生で一番多く言った言葉ってヅラじゃない桂だよ、むなしくねえ?……まあ、それは置いといて。お前ん家にあった花瓶もらっちゃったから」 あの黒い花瓶に注意を払っていたかと言われれば、払っていなかったが正しい。 ああ、銀さんどっかからかっぱらってきたな、だって金ないしくらいにしか思わなかった。 体は微妙な均衡を綱渡りする空間に縛り付けられ、声は「あれ桂さんの家から取ってきたんすか!?」と言う間に、目だけがあの時間に戻って花瓶を思い出す。 人は誰もが見たり聞いたり経験した全てのことを覚えている、それは本当だと思う。見ないようにしていたはずなのに、あの黒い花瓶に刻まれた赤い傷まで綺麗に思い出す。桂さんは何気なく、彼を手放さない宣言をそこかしこでしている。 「いや、うちもそろそろ花でも飾ってイメチェンといこうかな、と思ったわけよ」 金なくてさー、食い意地張ってるガキが焼肉代は譲らないとか抜かすし。と続ける銀さんの足を神楽ちゃんと全く同じタイミングで踏む。 「で、ヅラん家にあった奴思い出して行ってみたら普通にいねえし、鍵は開いてるしで、まあしょうがねえよな」 「所用で出ていたんだ!というか、お前は、ただの空き巣だろう!」 「いや、ヅラも鍵ぐれぇかけろ。本当に指名手配されてんのかテメー」 「お前だけには言われたくない」 ぎゃーぎゃーとくだらないことを言い争いながら、銀さん達は河原に駆け下りていく。 僕達は彼らのことなんて何も知らない。知ろうと思っても無意味で、知らぬが仏だ。 だから、不意に目の前に広がった光景―――銀さんが真っ先に駆けていき、悠然と歩いて後を追う桂さんをわざとぶつかりながら高杉さんが追い抜いて、また桂さんが追いかけていく―――に三人の子供が重なったのは夢ですらない妄想なのだろう。彼らだって自分達と同じく子供時代を経て、ただの馬鹿として生きる駄目な大人に過ぎないと言う、妄想の残骸。 「神楽ちゃん、どうする?ついてく?」 「ここにいるヨ」 彼女も、必死に縋りつかないようにしようと最近している。 銀さん。貴方がもっと家庭のみを守るのが精一杯の当たり前で弱い男だったならば、 「ここにいて、じっと見て、銀ちゃん達が馬鹿である間を覚えておくアル」 飽和した、一度は終わらなくてはならない時代に終焉を告げる鬼に彼らがなる前に。 暖かな、馬鹿な、そして歪みきった彼らの中の子供が死ぬ前に。 「それに」 神楽ちゃんは傷一つない原チャリの傍に座って、苦笑気味に笑った。 「原チャリ盗まれたら大変アルネ」 乱暴に、一つの彼岸花を引き千切る銀さんを見て、なるほどと納得。乗りもしないくせに原チャリを持ってきた理由も、僕らの傍にそれを止めた理由も、全部ようやくわかる。 好きだけど憎いのかもしれない人達の命綱をこちらに預ける。一瞬でそれを見抜くなんて、やっぱり神楽ちゃんは女の子なんだと思う。鋭い。それで、彼女が泣かなければいいのだけど。 「………最低、だね」 「でも好きアル。銀ちゃんが、大好き。あの二人だって明日いなくなったら悲しいから、やっぱり好き」 「僕もだよ。―――最初から僕らは負けているのかもね」 「知ってるヨ」 「って、なんでススキなんすか!?これ花!?」 小半刻ばかり経って戻ってきた銀さんが抱えていたのは、間違いなくススキの束だった。 「まあ待て、花なら俺達が持っている。ほら」 「銀時にまかせりゃ、無粋な奴が出来んのは間違いねェからな」 ぽいっと、ススキの束に赤と白の彼岸花が一本ずつ落とされる。 無粋ではないけれど、人を不安定にさせるオブジェは作らないで欲しい。 「ところで、この後、家にお邪魔するからな」 「お二人で、ですか?」 「俺ァ、食い物持ってくるまで家ん中にはぜってー入れねぇぞ」 「心配すんな。一度帰って晩酌用の酒と……そうだな、鴨鍋の用意でも持ってってやる」 鴨鍋、と聞いて銀さんの表情が少し変わる。 「またお前ら、夜中まで飲んだくれる気アルカ!次の日の二日酔いの銀ちゃん、使い物にならないのに!」 「一日くらい使えなくてもたいした障害にはなるまい。今日の食費は浮くぞ?」 「あ、僕達の分も用意してくれるんですか」 「もう家主おいてきぼりなんだけど。つーか、新八何気なく家計簿考えるのやめろ」 「まァ、酒盛りには遠慮してくれや―――ところで、ヅラァ」 「桂だ。わかってる、そろそろだな」 言うが早いか、二人は我が物顔で原チャリに飛び乗る。 ちなみに桂さんが前で、高杉さんが後ろだ。 どうも彼らが近くにいると、彼らの纏う慢性的な殺気の方が強すぎて、包囲が完全な物になるまで気が付けない。珍しく神楽ちゃんですら気が付いていなかった。 「じゃあな、銀時と子供達よ。夕飯時に行くからな」 「おー、テメーらは何しに来たんだ暇つぶし?……せいぜい捕まんないように気をつけろや」 「おい銀時、どこが一番薄いよ?」 「南西だろ」 「悪いなァ、―――さすが、白夜叉様」 「後で殴るぞ」 「ごめんだね」 疾風迅雷。一体何がしたいのか。 銀さんが教えた方向は、きっと近藤さんも土方さんも沖田さんもいない、防衛の盲点の地点だからきっと彼らは逃げられる。それどころか涼しい顔でかも鍋の材料を買って万事屋に来るだろう。 遠目に。声も何も聞こえない場所で、かすかな残滓を辿る銀さんは結局はその残り香を拭えない。 夕飯までの時間、銀さんがいなくなったので神楽ちゃんと二人で出来上がった花瓶を見ていた。 ススキの束が乱暴に入れられ、その中の小さな束二つに彼岸花が巻きつかれた奇妙な弔いの花瓶を。 ススキが埋め尽くす茫漠な世界に生きていた。 赤と白の鮮やかな、そんな世界に生きている。 「―――この文字、明日には太くなってるだろうね」 「掠れがなくなって、また鮮やかな色になるヨ」 昔に描かれた掠れ文字。もう隠す必要はなくなった。 花は乱暴に咲こうとしていた。憎らしい、この都都逸が甦ると同時に。 背中に圧し掛かる日々を綺麗に映し出し秋の空に映して見せる彼らの、意味のわからない行動、鴨鍋、ススキ河原、二ケツ、様々僕らはわかりたくないものがこの中に埋没していくまるで世界を殺し尽くす前のその殺す世界への懺悔の如くいやそれは傍観する僕達の事か、彼らは決して教えてくれない、本当に世界を憎んでいるのか、どこまで滅ぼしてしまいたいのか、何処に行ってしまうのか。 全ての均衡は破れた。 喪失にも耐え切る彼らは、その慣れをもってしても受け入れられない人を亡くした。 同時に、全ての騙しあいも終わった。 遠雷が、聞こえる。 覚悟を決めました。最悪の結末を見届ける覚悟を決めました。 |